ネタバレ感想 OYSTER 『超可動ガールズ』2巻

超可動ガールズ(2) (アクションコミックス)
超可動ガールズ : 2 (アクションコミックス)

 大体の内容「百合! そういうのもあるのか」。と井の頭五郎顔になる場面もありつつも、ベルノアさんの話中心なのが、『超可働ガールズ』2巻なのです。
 今回は前哨戦として百合! についてつらつらしますが、しかし格ゲー娘フィギュアほたるさんに対する同じゲーム出身フィギュアのリンドウさんのそれは、全くない貞操にすら接近せんばかりの勢いです。若干ツンデレだったリンドウさんですが、事ここに至ってヤンデレのそれすら発動し始めました。特別な友達でも満足できねえぜ! ライバル? それすら満足できねえぜ! となったリンドウさんのヤバさ加減は中々のものです。お前らそもそもついてないだろ! フィギュアなんだから! と、無抵抗にして紙面的に言えないことをする、と言い出す辺りでは思ったりもするんですが、それすら関係無さそうな勢いなので、なぜ彼女はここまで拗らせて? 前から拗らせてた感じはあったけど! 案件であります。今回は変身アイテムまで使って、でしたが、それでも結局同じ舞台に立たれて性能差を見せつけられているリンドウさんは不憫でした。その後、風呂でほたるさんの体触ってたぺれえので、一瞬感じた不憫を返せよ! 案件であります。
 さておき。
 今回の巻は先述の通り、半分ほどがベルノアさん話です。この展開は中々入れ子な構造で、ベルノアさんが夢を見て、という中に房伊田さんがいて、しかし夢の外にも房伊田さんがいて、その房伊田さんがベルノアさんの夢の中に、つまりベルノアさんの夢の中の房伊田さんと、ベルノアさんの夢の中に房伊田さんが、という房伊田さんが俺とお前でダブル房伊田だ、という状況になっているのです。この元凶については後述するとして、とりあえずベルノアさんが夢でどうなったかの話について記述したいと思います。
 その場面だけなら結構簡単です。過去のベルノアさんの禍根が、すっかり解けるのです。が、この禍根というのがベルノアさんが主人公のRPGゲーの導入として、幼い頃に居た修道院が魔物に襲われて、というのがあり、それを未だに悔いている、というものなのです。これの何が問題かというと、ベルノアさんのゲームの中でその話についてのフォローが為されていないのです。設定がゲーム内に無いのです。つまり、どうあってもどうにもできない話、としてあるのです。その禍根を狙って、話の辻褄合わせ及びハッピーエンドをしようとした、というのがこのベルノアさんの話の大枠なのです。何故そのような話に? というのもまた後述ですが、とりあえずゲーム内に設定が無いことをどうハッピーエンドにするのか。
 それについては、結構さくっと解決します。ゲーム内に設定が無くても、制作者が設定を持っているなら? ということで、マニアック知識として、ベルノアさんの修道院のお姉さま方が超強かったので生き残っていたのだ! という後だしじゃんけんされます。その手!? ですが、もとよりベルノアさんのゲームの導入については読者側には知識が無かった訳で、ぽっと出の設定をぽっと出の設定で処理する、というのはむしろ誠実なのでは? という気持ちになりましたよ。どっちもありそう、という雰囲気がしっかり出ていて、強引な入れ込みなのに納得出来るので、そういうのもあるのか。案件です。いや、やっぱり無理がある! でも、いいや! 泥縄だけどきっちり解決したし!
 さておき。
 先から後述すると書いた話、元凶についてですが、房伊田さん達のとこに居る生きているフィギュア以外に、生きているフィギュアがいるのは提示されていましたが、今回、それがベルノアさんの夢の話に関係しているのです。というか夢の中で、フィギュアといい感じになるように、としたのです。それで満足するしか、ないじゃないか。と妥協満足させようした、というのが夢の話の顛末なのです。夢を操作するというのはちょっと超常過ぎて、どっかのクサビさん以上ですし、それについてフォローもありますが、とにかくこれをしたのは房伊田さんとことは別口のフィギュアの手口なのです。
 で、その別口さんが今回正体を明らかにします。星空憧(ほしぞらこがれ)さんというその娘さんが、その別口。でも、なんで房伊田さんとこにちょっかいを? というのは、彼女が房伊田さんに好意を、ぶっちゃけラブっているというのでなんとなく、やはりそういうことか。となります。夢の操作をしたユメカさんやちょっと出てきて何したかったんだなジャンヌ=ダルクさんも、彼女のフィギュア。なので、ユメカさんがベルノアさんを夢の中で充足させようとしていた、というのも憧さんの為と理解出来ます。ユメカさんのキャラクター的にそれは半分って感じではありましたが。
 しかし、憧さん、一体どういう経緯で生きているフィギュアを? というのがこれからしばらく話をけん引しそうです。前シリーズの時にわりとあっさり謎が解明したので、ここも案外あっさり分かる可能性もありますが、まあしばらくはわちゃわちゃする話をしてほしいところです。