感想 渡井亘 『恋愛感情のまるでない幼馴染漫画』2巻

恋愛感情のまるでない幼馴染漫画 2 (バンブー・コミックス)
恋愛感情のまるでない幼馴染漫画 (2) (バンブーコミックス)

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 大体の内容「女の子わんさかなのに、何でお前そういうのないの!?(半ギレ)」。今回も、幼馴染とは恋愛感情は全く無いッ! と思っていただこう!! している真田辰季。なら、他の女の子はどうなのよ、というのでもその辺も全く、という謎なムーブである種の覇道を突き進む辰季の明日はどっちだ。そう言う漫画じゃねーから! なのが『恋愛感情のまるでない幼馴染漫画』なのです。
 まず、1巻感想で2巻収録範囲でえるせんせいと付き合っていた、と記載しましたが、あれはどうも違うっぽいので、この場を借りて訂正させていただきます。えるせんせいが辰季にだいぶ気があるし、辰季もその辺は分かっているっぽいですが、それでも付き合ってはいない。というか、むしろ何故付き合っていない!? って話ですよ。その辺がクレーバーというか、空良さんがいるせいでその辺がねじ曲がっているんでしょうか。そりゃあ、親友の女の子とやたらスキンシップが近かったりするから……。作中の人もなんで付き合ってないのみたいな発言を、描き下ろし部分とはいえぶっこんできてますし、その辺はあの漫画世界がおかしい訳ではないという示唆はあるんですが、でも、今回も恋愛感情のまるでないのでした。
 付き合っていない、というと巨乳枠の一人、日花里さんとも付き合っていないんだよなあ、というのが。辰季と日花里さんはホットなライバル関係、というので一転すると恋仲に発展するやつなんですが、まあ転ばないよね。日花里さんが迂闊過ぎる馬鹿というかなり遠隔地にいるか好き者でないと耐えられない性質でも、転ばないんだよなあ。辰季側が転ぶ可能性が極小なので、日花里が転ばないとなんですが、あの御仁いらんところで一人で転んでるから、むしろ慣れてしまっているという可能性も。恋仲が一つでもできるとバランスブレイクするからそうなったらが見たい、という禁断のお気持ちもあります。でも、日花里じゃあ駄目か……。水着持ってこい、ってんのに着てくるやつだからな……。というかその悩殺ボディでよく警官にもしもし喰らわなかったな……。完全に、マジにわいせつ物陳列罪やぞ……。
 さておき。
 この漫画は、普通の思考をすると付き合っていないとおかしい、というレベルの繋がり方をしている辰季と空良さんの親友としてのイチャコラという謎のワードを確認する漫画ですが、今回もまあ、近い。これで恋愛感情があったならもうくっついているというかくっついている(婉曲表現)の確定ですが、しかし、この二人はそういうのではないんだよなあ。という雰囲気というのは相変わらずです。このやたら気安いくせにラブではないという謎ムーブ、しかし慣れると中々に良いものです。辰季が空良さんに対しての感情を自制している、というのでもなく、本当に親友としてのふるまいです。でも相手は女体なので、というので男の子だなあ、というタイミングはあるんですが、そのままエロに! ってならない。紳士とかじゃなく、なる訳ないだろって雰囲気。この空気感というのが、この漫画の至上と言える部分です。生臭みがありつつも、真なるそれはない。フレーバーとしての身近エロ、とでも言いましょうか。
 でも、この空気がいつまでも続くのか。という点は常々思うところがあります。いつか、もしかしてでかい爆弾としてあるのではないか。しかし、この漫画が『恋愛感情のまるでない幼馴染漫画』としている限りは、そこは全くでない、という信頼もあります。個人的に実はありました、となったら訴訟も辞さない構えなので(面倒臭いオタ)、自分で引いたラインは越えない、という渡井先生の矜持が続くことを祈りつつ、よく分からない感想を終えたいと思います。