ネタバレ感想 よしむらかな 『ムルシエラゴ』15巻

ムルシエラゴ(15) (ヤングガンガンコミックス)
MURCIÉLAGO -ムルシエラゴ- 15巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックス)

 大体の内容。「そんな! ムルシで殺しがないなんて!」。一応、<死がふたりを分かつまで>編の最後でマリーさんの死体は出ているので、そういう意味ではいつも通りなのですが、しかし、15巻時点では殺しが行われていないのです。放っておくと必ずレベルで死体が出来る漫画なのに! そういうある種異常事態なのが、『ムルシエラゴ』15巻なのです。
 今回の<喜劇作家>編は、先にも書いていますが人死になく進みます。そんな! となりますが、落ち着いてください。あるいは覚悟してください。今回は、本当に人死にがないんです。一応、傷害事件が発生して、それと並行して市民の方々が<喜劇作家>の術中にはまって機構をさせられるとう事件も。そこに、サーカスが絡んで状況はよく分からない巷にぶっこまれます。傷害事件の方と市民橋がどこかで繋がっているのか。それとも全く関係ないのか。という部分を残しつつ、黒湖はサーカス団長が<喜劇作家>だと睨み、揺さぶりをかける手はずに、というところで15巻は終わってしまいます。いやあ、マジで人死んでないぞ。どうしたんだ、よしむらかな先生は。本当に、今まで1つの巻で最低一人は死んでたのに。どういう心境の変化だ? とケンシロウ声になってしまいます。もっと軽々に殺すタイプだと思ってたのに! でも、好き。
 さておき。
 <喜劇作家>編は、それなら端なのかというと、そうでもないです。チェザーレの薬効がどのようにして出来るか、というのが開陳されています。それは、フランシスに覚せい剤に近い成分の何かを混ぜたら、チェザーレとして顕現する。というもの。チェザーレは薬物反応出ないということですが、今回の事件では覚せい剤反応が出た、けど、それは覚せい剤に近い成分の何かではなく、普通に覚せい剤だったから、というので、まだヤバイ薬物に関する話は予断を許さない感じです。その何かも、フランシスみたいにヤバイやつなのはほぼ確定的というか、ぶっこんでくるならそこだろうな、と。この辺が少しずつ解明されるの。好き。
 さておき。
 今回のクソレズ案件は、鳴海さんが黒湖に抱いてくれ、という場面ですね*1。ゴールドマリーを手折ったせいで精神状態が不安定になった鳴海さんが、ついつい言ってしまったんですが、その後シャワー浴びてたら冷静になってしまうところとかが好きです。精神状態がアレだったとはいえ、クソレズ黒湖に、しかもあいつメイン恋人おるやん、ってなったところとか、最高。黒湖はそういうの気にせず抱くつもりだったっぽいのが流石のクソレズです。言われてそういやそうか、ってなってるとことかも。でも、おぱいだけなら。でとびきり笑顔になるので、そこはいいのかよ!? って感じ。その辺の線引きが分かりません。ついてないから出来る世界だよなあ。
 そのメイン恋人である千代さんですが、今回は<喜劇作家>の催眠にかかってしまってたり。そこで、出ていこうとする千代さんを自分の体で縫い付ける黒湖のあまり嬉しくない半裸を経て、呼ばれているところへ向かうんですが、そこで抱えられた千代さんは黒湖のおぱいをもみもみし続けていました。以前に男の人には、おっぱいがないじゃない? という名台詞を残したこともあり、おっぱい星人ではないかと思われていた千代さんですが、これでそれは当確となった感じです。催眠を打ち消すくらいおぱいがいい。潔いじゃあないですか。
 さておき。
 <喜劇作家>と見たサーカス団団長を、黒湖は人間橋をしようとしたところへと連れていくことに。これで揺さぶりをかけ、その人間橋を失敗させたのは自分だ、と名乗って更に揺さぶるつもり、だけど本当にこの団長が<喜劇作家>なのか? その辺の謎をはらんで16巻へと向かう形になります。さて、どうなる。と書いてこの項を閉じたいと思います。

*1:余談。鳴海さんが黒湖に初めて殺した時、こんな感じだったのか? という問いをしますが、そこで黒湖は久しぶりにカギカッコつきで答えていたり。最初から、そういうのないのは流石というべきなのかなんなのか。