ネタバレ?感想 森長あやみ 『みっちゃんとアルバート』2巻

 大体の内容「便利な奴だな、アルバート!」。永続トラップ並みの期間続くかと思っていた『みっちゃんとアルバート』もこの2巻をもって終了となります。でも、最終的にみっちゃんさんの懐の深さは劉備並みですぜ。というのを見せつける感じに終わるのもまた、『みっちゃんとアルバート』なのです。
 この漫画はアルバートで駆動する漫画ですが、それにしたってアルバートの駆動系としての機能の高さは尋常じゃありません。ある時は地球の生物に対しての無知からくる勘違いで、みっちゃんさんが九官鳥になったと勘違いしたり、ある時はチョコレートの食い過ぎでチョコレートになり、ある時などはヘリウムを吸って浮いていたらハイジャック事件を解決したりします。わりとちゃんと事実を書いているのに狂気を疑われそうですが、本当にそういう話なんだよ! と声をビック大にして言いたいところです。
 個人的にチョコレートを食い過ぎたアルバートがチョコレートになる回が大変マストなので語らせてください。というか、まずチョコレートを食ったらチョコレートの特性を得る、という段階で発想の勢いが違います。相手が宇宙人とはいえ、流石にそこまでのとちくるった発案というのは、生半には出てきません。
 だって、生きているモノが溶けて、固まって、ですよ。溶かしたのを型に入れたらその型通りに、というのは確かにチョコだからそうなんだけどそうじゃねえだろ! な案件です。
 しかも、型が小さかったから小さくなって、という段階まで付き合った正気に対し、だからもう三つ作っておいたよ、という回答をデススマイルでぶち投げてこられては、こちらの正気が融解せずにはいられないのも分かっていただきたい。それぞれにちゃんとアルバートとしての意識があるっぽいというのでも駄目。完全に常軌を逸してしまっているのです。コワイ!
 なのにそのトドメで、更にでかい型で四体のアルバートを溶かしたのを入れて元通りだよ! という元通りとは……、と透徹のまなざしで虚空を眺める以外の行為を許さないド級のオチ。遠く、遠く……。
 さておき。
 そんなアルバート超便利かよ案件を挟みつつ、ゆるキャラに扮した宇宙人を狩るぞ! というムーブメントが巻き起こっていくのが最終フェイズとなります。なりますが、その暴徒たちの暴挙に流石のアルバートもぶち切れ、となったところで空からUFOが! アルバートの星の軍勢が、地球に進行を開始したのです! というまたしても怒涛の展開をぶち込まれます。そのアルバートの星の軍勢と、みっちゃんさんは如何にして戦うのか、というのはまあ一話思い出せ。となる感じから、最終的にみっちゃんさんの懐の深さと、アルバートの星の残念さが絡み合って珠玉のオチへと向かうのですが、それはまあ、見てくださいですね。軽くみつアル難民になったので、他の人もその苦行を負うといいや! と言って、この感想は終わり!