ネタバレ感想 殆ど死んでいる 『異世界おじさん』3巻

 大体の内容「おじさん、向こうで不遇とは思ってたけど、予想を三千倍増しでカッ飛ぶの止めない?」。おじさんの超苦難の始まりが、苦難過ぎだろ……、って思ってたらまだいい方だった時の俺はどういう顔をすればいいんだ。そんな球投げてくなあ! 止めろ! というか変な涙出そうだぞ! そんな苦難の話なのが、『異世界おじさん』3巻なのです。
 セガネタについてはあんまりなかった、今までちょっとやり過ぎたよね? という反省なのか、それとも話というかおじさんの苦難を描くのが楽し過ぎたのか。どっちかは分かりませんが、帯の後ろで本人比超テンション高い笑顔でメガドラミニ持っているおじさんを見ると、セガとしてはOKです! だったのでしょう。そういうとこだぞ、セガ。好き。*1
 さておき。
 2巻でメイベルさんが日本からの来訪者の子孫である、というので何か起きるか、でしたが、古文書知識があれば誰でも知ってんだよ、とエルフさんが一蹴してしまってました。エルフさんも必死だったとはいえ……。
 が、そこでおじさん気づきます。メイベルさんのご先祖は、異世界召喚の時に能力、凍神剣を与えられている。でも、俺は!?
 ということで、おじさんの記憶は異世界に転生した辺りに遡ります。そこで巻き起こる、酷い話の嵐! 顔が見にくいからオーク扱い、はその端緒からされていて、ボコられ、捕まり、銅貨三枚で売られてしまいます。ちまにみその辺に落ちていたたわしが銅貨120枚なので、桁が違います。オークの死にそうなの、というのであるとはいえ、単価安過ぎませんかねえ!
 それだけでも相当ですが、その後1週間放置され、雨水が無ければ死んでた、と言い出します。もうこの辺りでギブ! 案件なんですが、それでもこの話は続き、おじさんが牢の隙間から入り込む一条の光に話しかけ始めます。シン、狂ったか!!
 ではなかったので安心して頂きたい。
 ここで、おじさんの能力の一端が明らかになります。話しかけていた相手は、光の精霊だったのです! これで、おじさんは精霊と会話して魔法を使うことが可能になりました。それで脱走、しようとして捕まっている動物に仏心が出るおじさん。出してやろう、としますが、出てきた小動物は的確に頸動脈を狙ってきました。所謂モンスター! 既に死にそうなおじさんですが、それでも大量のモンスターをなんとか一晩で退治。新たな道を見つけるのでした。
 これだけのことがあって、いい出だしだな! って言うからおじさん本当にあっちでなにがあったんだ、もうあっちの話を適宜混ぜるだけでヒロイックな話になるレベルやん! です。 その流れでエルフさんの話もエロ目に濃いし、あれならそりゃエルフさん陥落(おち)るわなあ。ってなるしもう。
 さておき。
 おじさんサイドは、他にもメイベルさんの駄目人間っぷりが爆裂していたり、エルフさんもだいぶバカになっていたりと、萌えというか可愛いというか萌えな部分はしっかり出ているのですが、それよりたかふみさんサイドが重要です。2巻でおじさんの血筋……ッ! していた彼が、案外藤宮さんに気があるんかいお前! なシーンがまろび出てきます。
 藤宮さんがスマホ忘れたので、持って行こう。となり、おじさん飛翔体でかっとんで行った、そこで見たのは、藤宮さんと慣れ慣れしくする男の姿。
 たかふみさん、ちきーん、ときます。
 これで、2巻でおじさんは仕方ないにしても、たかふみ、お前は! ってなっていた私の心は有頂天です。有頂天変です。んだよ、お前そういう部分あるんじゃねえか!
 で、その慣れ慣れしくする男の正体は肩透かしというか、いやゴツ過ぎ案件だったのですが、その後、たかふみさんと藤宮さんが二人で、たかふみさんは否定するでしょうが読者側としてはちちくりあっていたとしかいえない状態に突入します。良かった……。酷い目に遭うのはエルフさんだけで十分、いやエルフさんもいい目を見るべきだろうけど。いやいや。いやいやいや。
 うーん、とにかく!
 たかふみさんと藤宮さんは、上手くいけば上手くいく方向になりそうだ。それが分かっただけでも、今回の巻は価値があったと思います。というか、おじさんの異世界転生初日が地獄なもんだから、清涼剤いるよそりゃ! ってなりますよ。そのせいで、勇者ってなんぞ? は次回持越しですが、それもまた美味くまたがせたな、と言う印象なので、やっぱこの漫画すげえや!
 とかなんとか。

*1:今回のセガネタは、『パンツァードラグーンツヴァイ』の音声を目隠しで日本語に訳すところです。当然の様に出来て単にやり込みすぎぃ! 案件でした。