大体の内容「今回はあちこち出かけます」。この漫画も結構長く連載してまいりました。なので、お家で出来ることよりも外に出て! という形も使ってくるようになりました。そこでもいつものいい雰囲気。そういうところを忽せにしないのが、『新米姉妹のふたりごはん』7巻なのです。
とはいえ、今回の巻は波乱要素も特になく、基本の形もきっちりとですが、最後の回で食事作らない、という変則手も出てきました。それすら許容できるようになった、この漫画の発展を感じさせる回であり、巻であるかと思います。
しかし、今回の巻は外に出る以外に特段、ここ! と語る特徴が強くないので、感想するのに四苦八苦しています。外に出る、もあやりさんの食材知識が、特に潮干狩り回では、採取の部分にも及んでいるという点が特筆ですが、でもそれっていつものあやりさんだよね? ってなってしまうんです。ある意味今までの積み重ねがあるからこそ出来る回ではあるんですが、やっぱり今までの積み重ね上である以上に中々語れない。いいね、積み重ね! ってもなあ。ムズカシイ。
ということで、僕は今回はちょっとした1ページの良さをつらつら語ってお茶を濁そうかと思います。
都合二枚ありますが、まず一枚目。
この漫画史上、最大にそわそわしているサチさんが印象的なページです。ちなみに他の家の、ここは絵梨さん家のカレーを食べてみよう、という回。そりゃあ楽しみなのは分かるんですが、このそわそわ度があまりに高すぎて、いつ見ても噴出してしまいます。どんだけ楽しみやねん!
にしても、そわそわしている、をきっちり見てわからせるテクニックは高いと言えるでしょう。特に、まだ絵梨さんが来てもないのに既にサチさんの手がスプーンで埋まっている点が、本当に浮足立っている感じを醸し出しています。そこからのチャイム音反応してだだだだっからの絵梨さんとの距離が近い! で、本当に待ち切れていなかったんだな、というのがきっちり分かる見事な仕事だと感服するばかりです。でも、そわそわ顔が本当に馬鹿っぽくてそういう意味でも最高。技術とネタ度合いが高いレベルで混ざり合った、柊ゆたかベストワークと言える1ページかと思います。
もう一枚行きましょう。
先に書いた、料理しない回である、水族館回です。ここはあやりさんの可愛いのターン。水族館初めてか? 力抜けよ。 という言葉がするりと出てくるくらい、あやりさんが楽しみにしているのが分かる、というまた見事な仕事。
水族館の外観を真剣に見る、その眼差しの無垢&気合入り具合、そして、こくこく。あやりさんが如何に楽しみにしていたか、というのがきっちり伝わってきますが、しかしこのこくこくあやりさんの可愛さと言ったらどうだ。単なる頷きで、しかし如何に楽しみなのかが伝わってくる真摯なこくこくです。特に腕の、この入れ込んでいる感じの確度がいいですね。ああ、あやりさんが可愛いなあ……と素直になれる一枚です。
この後、あやりさんとサチさんは水族館を堪能して、この回は終了となりますが、そういう変則手だったのに、素晴らしく満足、したぜ……。と完全満足さんになれる回でした。こういう回も出来るようになったんだなあ。と感嘆しながら、この項を閉じたいと思います。