ネタバレ感想 内藤泰弘 『血界戦線 Back 2 Back』7巻

血界戦線 Back 2 Back 7 ―災蠱競売篇/壱― (ジャンプコミックス)
血界戦線 Back 2 Back 7 ―災蠱競売篇/壱― (ジャンプコミックス)

 大体の内容。「ヘルサレムズ・ロット最大最悪のオークションが幕を開ける!」。先に言っておくと、幕を開けるなのは当然で、実はこの巻は上巻扱い、つまり次の巻に思いっきり引っ張っていかれます。え? 8巻って明日発売じゃないの? くらいの悪魔の引きでとにかくヤバい。それが『血界戦線 Back 2 Back』7巻なのです。
 今回のお話は、世界崩壊幇助器具、カロプス人蟲をめぐるドタバタです。以前出た世界崩壊幇助器具だけでちょっとした大混乱という意味不明な大事が起きたり、同じく世界崩壊幇助器具、終天圧縮時計が人の形を成したりと本当に大変だったのですが、今回のカロプス人蟲のヤバい点は、その性能、100人の人を入れて殺し合いをさせ、人蟲と化させる、というのでは、それもそれでヤバイのですが、なく、それ以上にこの厄種が公開オークションされる事にあります。
 オークション! 金さえ積めば、この世界を崩壊させかねないとされる器具が手に入る! というのでヘルサレムズ・ロットのみならず世界中から好事家(婉曲表現)が集う、ということになり、状況はしっちゃかめっちゃかになっていきます。
 このオークション、勿論普通にやろうという勢力もいますが、強行に手に入れようとする勢力も当然あります。これが二つあり、一つがアメリカの特殊作戦チーム、もう一つが終天圧縮時計の擬人化の率いる”強欲の狂人達(グリーディナッツ)”。これが始まったオークションに殴り込みをかけていきます。特殊作戦チームは唐突なのにアメリカならさもありなんだったり、擬人化の方は、つか戻ってきてたんかいわれえ! まだ世界崩壊幇助器具狙っとんのかいわれぇ! だったりします。
 勿論オークション運営サイドもそういうのが出るのは予想範囲内。番犬を持って対処します。それが血界の眷属、タイクーンブラザーズ! って、ブラッドブリードを用心棒に出来るってどうなってんだ!? 案件です。色々とただのオークション運営ではないとは、その登場から売る商品からでわかっていましたが、まさかブラッドブリードを子飼い、ではないにしても用心棒には出来るだけの何かがあるとは……。と言う感じで驚愕しっぱなしです。
 この、強行する二勢力と、二体のブラッドブリードの争い、というのが巻の後半から開始されますが、今の所どっちも格が下がる雰囲気はなく、勝敗が全く見通せない状態で次の巻だぜ? されるんですよ。内藤泰弘おおおおおお! ってなりますよ。この生殺しであと半年は待たないといけないの? 何なの? 罠?
 さておき。
 調停者側のライブラの方は、アメリカのお上の影響で、若干動きを封じられた格好になってしまいます。ある程度の場所というのは分かっていたんでしょうが、それでも結界をきっちり張ったところに特殊作戦チームにそれを破られ、這う這うの体で逃げる形に。ついでにクラウスさんは捕まってしまうという、この漫画としてはかなりの危機となってしまいました。敵対相手でない相手でこうなる、というのが趣きの深さを叩き込んできますが、でも、そうなるとどうなるんだろう。ブラッドブリードいるのに、それに対する最大戦力が封じられている、ってのは。早く続きを読まなくちゃ、読まなくちゃ……。←錯乱
 さておき。
 この巻では最終的に特殊作戦チームも”強欲の狂人達”も、カプロス人蟲まで辿り着く前に、それは落札されます。で、どうなるんだ? ってところでとある二代目の登場と一閃で先が分からないにも程があったのに更にもう一段混乱をぶっこんできます。えーと、それ色々ヤバいんじゃね? しか言いようがない状態です。どうなるんだこれ。続き、続きいー! 内藤泰弘おおおおおお!←咆哮
 ということで、やたらヤバイやつがヤバい形でヤバくなったら、どうなるか。そこが開陳されるまであと半年ほどある、と思うとうふふ? ってなりますね? いや、本当にこれ話どうなるの? まさかの中巻の可能性まであるような、でもこの後は下巻で収まりそうな、そんな異様な手触り、感触がある、そんな災蟲競売編上巻なのでした。