大体の内容「こじれるとは思ってたけどこじれ過ぎぃ!」。14巻の感想で、<感想 宮原るり 『恋愛ラボ』14巻 - オタわむれ 日々是戯言也blog>次はエノハルかと思っていたお前の姿はお笑いだったぜ。という感じで、15巻で完結と相成ったのが、『恋愛ラボ』なのです。
雑誌の休刊と同じくしての展開だった為、あと、雑誌追ってなかったので、打ち切りエンドか……! と覚悟してましたが、きっちりと終わりとして正しい形になっていて、覚悟が空回りしてしまいました。
作中の時期的に一つの年度が終わる、というのとバレンタインデーというのが相性がいいというのは、増田こうすけ『増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和』の名作、『バレンタインデー大作戦 -作戦I-』でも知れ渡っていますが(ぐるぐる目)、一学年の終わりのイベント、としてきっちり機能して、ちゃんと終わりとして納得の出来となっています。
15巻はほぼバレンタインデーに向けて、そして終わりに向けての話となっていますが、あちこちで成就の鐘の音が鳴る、騒がしい巻でもあります。大体両想いだっただろ! なリコナギが結構きっちりと恋仲になったのも良かったですし、サヨカレがいい感じにサヨさんの年貢の納め時感強くて良かったですし、エノハルは留学ってそういうのかよ! というのをじりっと見せておいてきっちり恋仲確定も良かったのですが、スズレンの、スズさんの積極性が堪らなく良かったんですよ! バンバン! バンバン!(机連打)
レンも変わったな、って言ってる通りに、スズさんは恋をしてとても成長しました。前ならドジしてチョコが! となれば泣いてお終いでしたが、今のスズさんはそれを見越してもう一個用意している! という、いやでもドジしなければ……。なところはあるにしても、崩れないメンタルの強さを手に入れているのです。素晴らしい!
これがもう、アニメ化から入った口ですが、長く見てきてよかった、という極大感情が芽生えるのです。十数年続いた作品ですから、最初は妹な感じだったスズさんが、いつの間にか娘のような相手になっていて、その成長をかっちりと見たのでそりゃあ、感情が極大になっても仕方ないのですよ。ああ、良かった。スズさんが成長して、可愛くなって良かった。きっちり恋心を伝えられるようになって良かった。もう何もかもがいい。それだけで、この漫画の存在価値というのがあるのではないか。(ぐるぐる目再び)
さておき。
5人中4人が確定的な形になったので、最後に鎮座ましますマキヤンは、だからこの漫画の最後の駆動系として、見事なまでのすれ違いを見せてくれます。これが本当に、どっちもポンコツだから……。というのが分かる酷さ。気持ち的には両想い、どっちもどっちもを好いているし理解しているけど、恋心の理解が足りてねえ! というのですれ違う姿はお笑いでした。というか、流石にヤンが恋愛ポンコツ過ぎます。本当にそう言うのと縁がなかったんだなあ……。
ヤンがマキさんと同じタイプのポンコツ、というある意味お似合いですが、互いにポンコツ過ぎると意図は汲むのに意志は汲まないからお互いがお互いの行動をはてな? ってなってるのがもう。そりゃあ、マキさんのバレンタインチョコ、常軌を逸してたけど、それを保存しようとして罹患って、それはそれで……。やっぱりお似合いなんだよなあ。
そんなバレンタインデーの紆余曲折も、何時かは笑い話に、既に読者には笑い話ですが、なるんだろうなあ、という雰囲気が大変良かったです。こいつらみんな恋しやがって! というか。いいお付き合いになって欲しいですね……。そしてエンディングへ向かっていく、ということで寂寥感までありましたが、この子たちの人生は続いていくんだなあ。というのを感じて、良い終わりになったな。と妙な視点からの言葉が出るのでした。いいお話、本当にありがとうございました。と書いて、この項を閉じたいと思います。