ネタバレ感想 浜田よしかづ 『つぐもも』24巻

つぐもも : 24 (アクションコミックス)
つぐもも : 24 (アクションコミックス)

 大体の内容「まさか! あれが伏線だったなんて!?」。という部分をちらっと見せつつ、しかし基本はエロ展開。じゃねえ、奴隷生活話。それが『つぐもも』24巻なのです。
 とりあえずですね、今回の巻は色々とあるんですが、それでも印象がやっぱりエロになってしまうんですよ。それくらい、エロインパクトの強いんです。語りだすと長くなるので、それよりまずはお話の方はどうなったか、という話。
 今回は、魔王関係の話として、ワープ装置となる魔物がいる、というのでかずや桐葉組がそれを潰すという話と、奴隷商の主人を排除しないと、という話が展開されます。展開としては、この二つの話が組み合わさり、小説異世界編の終局に繋がりそうなアトモスフィアが醸成されてきます。下手に小説異世界の根幹辺りの話に食い込むと別漫画になってしまうので、ここら辺が潮時だろう、と素人目には見えますが、親隷対決が思った以上に長引いたように、こっちも長引く可能性はなくもなく、予断を許さない状態となっております。現在の一件が終われば終わる、が自然でしょうけど、どうなるのか。
 さておき。
 あれが伏線、とは? となられているでしょうから、そこをさぱっと話してしまいますと、23巻のエロ触手さんが、今回出てきたワープ装置の魔物の成長の為の栄養をしぼり取ってくるものだったんだよ!
 な、なんですって! となる人も多いかと思います。かくいう私もそうでした。単なるエロ要員としてのモブ触手モンスターじゃなかったのかよ! という衝撃を味わいました。何かしら関連が出てくるという可能性すらどっかにやってました。よくよく考えれば、確かに何かの為にしぼりとってくるんだろうけど、何の為に? という部分はありました。しかし、浜かづ屋がエロりたいからその為の体のいい要員として担ぎだしたんだと、思い違いをしていたのです!
 はっきりやられましたが、衝撃はそれだけではなく、これはこの後の展開でも自然にしぼり出す為の策であったことにもやられました。ワープ装置を壊されたので、新たに速攻で作る必要が、って相手側がしだしたのです。ということは、今度は吸われても放置という訳にはいかない! というので、新たなサスペンス要素が加わりました。これは、浜かづ屋の漫画家としての矜持というか、エロを描きたいという苔の一念というか、とにかくわりと常軌を逸している執念を感じます。侮ったことは無かった、と思っていたのが既に侮りだったのだ、と悔恨している次第です。
 さておき。
 今回の巻は前述通り、わりとエロ巻ですが、その中でも響華のGとリョナ度のある拷問が個人的にビビッドでした。浜かづ屋も描いてて楽しかった(意訳)、と言っているので成程理解、という状態です。簡単に言って最高かよ。
 まず響華のGにつきまして。これに関しては前に、響華さんがかずやにハマったらどうなるんだろう、と思って微笑ましいのを考えていたお前の姿はお笑いだったぜ。と浜かづ屋に突き付けられた格好です。可愛いを通り越して爆笑でした。もう、メロメロじゃねえか! これに、いたしてたのが霊力の供給が、とか、響華ではなく他の人が言い訳しだした辺りもきました。気を使われている! 家が安普請で、Gの声が超聞こえてたから、気を使われている! マジで響華の今後が心配です。
 拷問に関しては、人によってうわあ、となるかと思いますが、リョナ癖があるものから致しますと、かなりセンシティブにエロギリギリでリョナギリギリの拷問だったな、という印象です。中々にぐっとくるんですが、破壊すると奴隷として使えない、という部分があるからでしょう、これ以上やったらヤバイ、の線引きがあったかと思います。リョナというと眉をガンひそめる人も多いですし、そう言う意味ではそこに対しての配慮はあって当然だと思います。
 この辺に対してさっきと違ってガンガン行かないのは、リョナというのがわりとセンシティブというか、結構危険な位置取りにあるからです。今回のでもうわあ、の方は結構いるのではないかと愚考するのですが、だからと言って俺はうひょう! なんだと声を大きくして言っていいのか。そういう迷いが、その嗜好を持つがゆえに浮きだってしまったのです。あるいは単に考えすぎなんですが、誤解が誤解じゃない場合のある界隈ですので、つい……。
 さておき。
 今回の巻の展開によって、まだ出て間もない付喪神さんたちをエロる事に成功した浜かづ屋。キャラクターとして立てるムーブもその中で行われる、という魔技も冴えわたっていました。そういうとこ本当に凄いのに、最終的にはエロだったと思って帰って下さい、するんだからもう、バカ。などと垂れ流しつつこの項を終えたいと思います。