不定期な今日の『ゲーミングお嬢様』のワンワードから 第十三回

ゲーミングお嬢様 - ジャンプルーキー!

この項の説明ッ!!

 この漫画が日の目を見れる世界は優しく、美しい。だからこそ醜悪なのだ。などと情緒不安定な台詞を吐かせることに関しては一日の長がある大@nani『ゲーミングお嬢様』のワンワードを無理やり解説して遊ぶエントリーです。与太ですので気楽に。どうぞ。

第十一回『天』

 <天>とは。一般的には空のことやもっと広い意味で全世界みたいな意味を感じる言葉ですが、格ゲーの場合はストリートファイターシリーズでお馴染みの豪鬼の、瞬獄殺フィニッシュ時にでかでかと出る文字のことを、そして、その倒したポージングのこともいいます。
 この<天>の起源はそこそこ昔であります。スーパーストリートファイター2X、所謂スパ2Xで、スパコンフィニッシュを規定数以上していたら、最後のボスがベガから豪鬼なる、というギミックがあるのですが、そのベガを倒す動きが、のちに瞬獄殺となるムーブであり、そこで<天>は出ないものの、締めのポージングは後の<天>に繋がるものをしていたのです。ちなみにスパ2Xでは豪鬼は使えますが瞬獄殺自体はなく、後のストゼロシリーズで実装されます。
 さておき。
 この<天>のインパクトは強烈でした。元々の、今までボスだったベガが何も出来ずのされるという映像がまず強烈。あまりに唐突にでてきたのに、あまりにヤバく強いと感じさせる演出です。そして、それが超必殺技(スーパーコンボ)として実装され、そしてあの仁王立ちポーズで赤い<天>の文字がでかでかと背景に表れたのです。どれだけインパクトがクソデカ感情を出させるレベルかと言うのは、リアルタイム世代以外には中々共有できないかもです。さておき、以後、豪鬼の超必殺技と言ったら瞬獄殺、と決め打ちされるレベルで、豪鬼のアイコンとなりました。
 実際問題、超必殺技というのの見た目、というのは技時の動きを見るのが主でした。最初は通常技とか必殺技の絵を組み合わせたやつでしたが、その動きはどんどんと変化していきます。しかし、技を決めたその後、技の余韻というか、決めポーズというものは、瞬獄殺以前には無かったのです。そしてそこに生まれたのが<天>であり、決めた! という快感を生み出す余地があった、ということで、この後の格ゲーには決めのムーブが生まれる事になるのです。殺意の波動に目覚めたリュウ瞬獄殺の決めの<滅>や、ギース・ハワードの<羅生門>とかもそうですね。それだけで、格ゲーの中でいかに<天>は偉大なムーブだったか、というのが分かろうかと思います。
 更にもう一段、<天>の伝説を上げたのが、プロゲーマーときどさんのリアル<天>でしょう。大舞台で瞬獄殺フィニッシュからの、天を背中に、というのが豪鬼使いであるときどさんだからこそのムーブとして後世に語り継がれるものです。ぶっちゃけ出来すぎで変な笑いすらでてくるのですが、どれだけレジェンダリ―な動きだったかはググれ。エンターテイメントの世界には分かっていても震える瞬間というのがありますが、まさにそれでした。
 さておき。
 『ゲーミングお嬢様』においての<天>は<嬢>となっておりましたが、出てくるタイミングがあまりに意味不明ゆえのインパクトだったので、やはり<天>ムーブは良いものだ。と勝手なことを思うなどしました。ゲームだと<嬢>は画数多過ぎて潰れそうだなあ。という感想も出ましたが。実際漫画の方ではかなり崩して潰れても、ってやってますしね。苦慮が見れて、大変良い物でした。
 という謎の目線で書いておきつつ、この項を閉じたいと思います。