対ありでした。のワンワード勝手に解説してみる の3

対ありでした。 ~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~  1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
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狂ったように一生弾撃ち……!!!

第二回

この項について。あるいは雑魚だったろ、相手。

 ここは、江島絵里『対ありでした。~お嬢様は格闘ゲームなんてしない~』のワンワードを掘り下げて遊ぼうというところです。俺と! 俺とデュエルしろー!!! というレベルのテンションで書き進めていきますよっと。
 ということで、おい、デュエルしろよな感じの無いようにすすんでまいりましょう。

第3回『一生弾撃ち』

 一生弾撃ちとは、人生終わるまで弾を撃っている状態をさします。
 何それ怖い。という方もいらっしゃるでしょうが。まあそんなビビらんでも大丈夫です。本当に死ぬまで弾を撃ち続けるんじゃないか、というくらいに弾撃ち続けることを言うだけですから。それでも怖い? タハハ。
 さておき、先に弾撃ちという言葉について解説しておかないといけませんね。
 弾撃ちとは、いわゆる飛び道具と呼ばれるタイプの必殺技を使う事の総称です。ストリートファイターシリーズで言うところの波動拳が弾。それをすることを弾撃ち、ですね。
 飛び道具技は基本的に弾とこちらの攻撃がかち合っても弾が当然勝つものであり、しかし撃つ隙を見られると痛いダメージを貰う、というものです。そして、ウメハラ漫画でもありましたが、ゲームによっては弾こそ至高な場合があります。
 この漫画のゲーム、π4がどんなタイプなのかは詳しくは分かりませんが、かなりストリートファイターライクであるように見受けられます。なら弾だよ、弾。な仕様の可能性は高いでしょう。
 さて、では一生弾撃ちとは何か、というと、やはり人生終わるまで弾を撃っている状態です。繰り返し言いますよ?
 というのは半ばジョーク。実際は、そしてこの漫画における使われた場面では、相手が前に来ようとするのをきっちり刈るタイプの弾撃ち、と言った方がいいでしょう。
 その前に、先にジャンプで隙を狙えると言ったが、なら綾さんは何故跳ばなかったのか? という疑問がありましょうからお答えしますと、弾を読んで跳ぶ、というのはこれが中々難しいという点を上げたいと思います。
 格ゲーには一つ有名なお題目があります。
 それは、飛ばせて落とす。
 相手を何かでジャンプさせて、無防備なそこを対空技で刈る。これは黄金ムーブといえるものです。だからこそお題目があるのです。
 で、上級者になればなるほど、このお題目は通用します。対空精度は高いですし、飛び道具を撃つタイミングも上手い。適当に撃ってるようにみえて、意識を上手く散らしている場合も多いのです。なので、生半にぴょんぴょん跳べないのです。
 更にもう一つ付け加えるなら、綾さんと白百合さまはこの言葉が出た対戦がほぼ初戦であるということ。これは中々にジャンプしづらい。相手の癖が分かってないところで、悠々と跳ぶのは危険でしかないのです。
 だから、上級者の方というのは大体飛び道具に対して迂闊に前跳びしない。その上で、飛び道具の隙を突こうとします。
 色々と格ゲー対戦動画を見ればわかるのですが、上手い人は本当に跳びません。跳んで決めた所を見ることが多いので、よく跳んでると錯覚しがちですが、本当に本当に跳びません。錯覚レベルなのです。
 垂直ですかすとかはありますが、それ以外で跳ぶ、特に前に跳ぶのは相当の確信がある時のみなのです。
 そこに対して、綾さんは基本に忠実にいる、というのが、ギリギリまで前に跳ばなかったことで明確になってきます。
 さておき。
 では何故、綾さんは一生弾撃ちにさらされたのか。これは、ジャンプで詰めない、というのを逆に利用された格好だった、と言えるでしょう。相手のガードが、特に投げに対する意識が強くなり、軽く当て投げ、小技を当ててから投げるが通用しなくなって、ならもっと接近して、となったところで、踏み込み、前歩きが深くなったところ、その出鼻をくじくのが、弾撃ちだったのです。
 つまり綾さんの前にいこう、という気持ちをきっちり、その弾撃ちで刈った、という場面なのです。そこから、更に派生した読みが炸裂して、最終的にこのシリーズ第2回目、『振り向き』へとつながっていくわけです。
 この辺りの、相手をどう動かしていくか、という理屈自体がしっかりしている格ゲー&百合漫画ってかなり頭おかしいな?
 とかなんとか。