大体の内容。「こんなに(笑い過ぎて)苦しいなら、愛などいらぬっ!」。ある意味決定打を打ったと見えた二組の男女。しかし、そのアトモスフィアは愛とか恋とは違い、なんだろう。これはなんだろう。なんだろう……。と思考の迷い道に入ってしまうのが、『月刊少女野崎くん』12巻なのです。
11巻で、己がお前の好きなローレライだ! と暴露した瀬尾結月さん。しかし、それを受けての若松君の態度は、色々な含みの見える笑みだけ。この巻の注釈で、信じてないという扱いになっていましたが、あれ? じゃあ結局あの二人の関係どうなってるの? というのを、今回はメインに据えての『月刊少女野崎くん』です。実際、どうなんだ?
瀬尾さん、伝えるには伝えたけど、、でも若松、私にだけ態度ちがわね? すげえいやそうなとこね? と今更気づくものの、そこで態度を改めるというムーブをする生物ではないのは、皆様もご存知だと思います。
で、ここで瀬尾さんは視点を転換し、つまり私だけ特別扱いじゃね? という発想に辿り着きます。その視座、歪んでいる! ですが、そこに更に少女マンガ知識という危険球がぶちこまれ、あれは、ツンデレ……? という地点に到達してしまいます。
これにより、若松君が邪険にするのも、ツン……? という拡大解釈が横行。ついでに若松君もツンデレ的態度を意図せず取ってしまい、最終的には信頼関係は、あります! と胴体着陸しました。これだから結月さんは!
さておき。
信頼関係は、あります! というスーパーチャクチをしてしまったので、次はガードが超堅い、という方向に到達した結月さん。お前眼が腐ってんのか? 案件ですが、実際問題、元々結月さんのせいでガードが堅いので、そこを改善すれば、と思うのですが、誰もそっち方向をさせようとせず――言って聞く結月さんではないので――、野崎に至っては若松人形で手を打つ始末。
しかし、そこに深謀遠慮がありました。これで、若松愛が高まれば、というのです。
ですが、相手は結月さんです。もうこう言うだけで後が分かる感じの人です。結局、人形、超可愛いな? それと枕として最高、という風に状況は推移。その人形を手厚くもてなす様で、若松君がストレスを感じる、という元々は結月、若松、ローレライという変則三角関係だった二人に新たな軸が追加される形に。ナニコレ。そして、最終的に若松君と結月さんの関係が、若松君が頭をなでてもいいという動きを魅せるまでに、少し進展しました。ナニコレ。
さておき。
11巻感想で若松の気持ちどういうのであの笑顔だったの!? 案件で、だいぶ惑乱したんですが、今回やんわりと受け入れられてなかった、と提示されて、手の平……! となりました。まだ、我々を弄ぼうというのか、椿いづみ御大!
しかし、実際の所、頭をなでてくれるなら撫でて欲しい、という位置に若松君がいる、というのも今回分かり、ちょ、おま、後ろ! って強そうなやつが来る感じというか、つまりやっぱりあそこの気持ちを明示してない点で、何か爆弾が設置されているのでは!? となってしまいます。若松君視点というのが最近少なめなので、余計に上手くはぐらかされているような……。
はぐらかされていると言えば、あの二人の関係。
お互いがお互いを好き、というのが明確になったあの二人、つまり鹿島君と堀先輩の方はどうだ、と言いますと、どうなってるの? という答えしか返せません。
堀先輩が、好き、という言葉を使えば鹿島君を自由にコントロールすることが出来ると分かり、わりとヒンパンに好き好き言う、んですが、そこ軽くない!? と傍から見ていると思ってしまいます。軽い万能ワードだぞそれ。
でも鹿島君はわりと嬉しいらしく、唯々諾々と好きって言われている状態です。偶に大好きとか言うともっと上がるよ! って、なんだ鹿島君可愛いとこあるじゃねえか。ちょっと忠実なワンコムーブじゃねえか。
でも、二人の関係を具体的に叙述せよ、と言われると、あまりの難度に腸ねん転して仮面ライダーアマゾンが短期で終わってしまいます。
恋であるようで打算的でもあり、愛であるようで熱量がない。先輩後輩、という分でもないし、ホントなんて言えばいいんだ。セフレ?(超違う)
そういう訳で、掘鹿島ペアは一度スゴイ修羅場が必要なのではないか、と思うに至りました。なんかすごい揺れが無いと、お互いの元位置がおかしいんですよ。でも、『野崎くん』で超修羅場って何が起きたら? 誰か死ぬの?(行き過ぎ)
ということで、恋愛とは一筋縄ではいかない、というのを、三筋縄くらいつくらないといけないようなスケールでお送りされるのが、『月刊少女野崎くん』12巻なのです。野崎と千代ちゃん? ちょっとだけあったよ。
とかなんとか。