不定期な今日の『ゲーミングお嬢様』のワンワードから 第三十四回

この項について

 この項は、大@nani&吉緒もこもこ丸まさお『ゲーミングお嬢様』のワンワードを勝手に解説して遊ぶところです。偶に、今回のように「い、言ってないー!」とまさるさんのモブ不良に言われるようなこともしますが、まあ感じ感じ。
 ということで、今回は言ってないワードを勝手に連想されながら言ってみましょう。

第三十四回「サブ」

「本気で絞れば勝てるから」

 サブとは。格ゲーにおいてはサブキャラを意味するところです。もっと意味合い的な話をすれば、メインキャラではない使用キャラ、ということが出来るかと思います。メインについては前回*1で適当に語っているのでそちらを見ていただくとして、今回はサブキャラとは、という話をしていきましょう。
 メインキャラがそのゲームに対する自分の哲学を叩き込むもの、とする(するの?)と、サブキャラというのはそのゲームを自在に楽しむもの、ということも言うことが出来るかと思います。メイン程ガツガツ勝つことを意識しない、という部分が、サブキャラという概念にはあります。
 真剣勝負は楽しい。メチャクチャ楽しい。しかし、それだけがゲームの存在意義ではない。勝ち負けを凌ぐ以外で、もうちょっと気軽に楽しみたいというのがあるものです。
 違う操作系、違う技系を使いたいもあります。この距離だけではなく、とか、この技みたいなのがない中で、とか。
 あるいは、いつもとは違うキャラを使う事で、メインに対するフィードバックを狙うこともあります。相手をしていて良く分からないキャラのことを知る為に始めて、楽しくなってサブキャラ、ということもあるでしょう。
 かよう、サブキャラというのにも色々ありますが、明確なのはメインキャラでは出来ないことをする、ということです。
 当然、サブキャラであっても勝ちを意識する部分はあります。サブキャラだからって負けていいとは言う訳ではない。しかし、メインキャラほどに勝ちについて、そして負けについてガツガツ意識しないで遊べる、という部分がやはり大きいのです。
 そして、それがメイン出したら勝てたから、という言い訳すら生む。
 この回の、つまり第14回のゲー嬢でそこがクローズアップされています。蹴子が全キャラ使える、というので逆説的に全てサブキャラだ、メインという信念がない、という話がされます。されてない気もしますが、大体そういう話だと私は理解しています。なのでその呈で話を進めます。
 さておき。
 前々回のワンワード解説でキャラ変の話をしましたが*2、そのところで、つまり第13回で蹴子様のスタイルがディスされ、更に今回でもう一段ディスられた格好です。
 そこに信念がないだろう、という風に。
 これについては、隆子様が言うのももっともな部分もあります。先に書いたように、メインキャラではないから、そして今回取り上げた言葉「本気で絞れば勝てるから」。メイン決めたら俺超強いぜ? という増上慢。そういう言い訳が出来てしまう。
 つまり、全てのキャラが使えるなどとは、メインを持たぬすくたれものだ、という訳です。
 この点に関して、私としては然り、と思います。その言、全て正義だ。とスタンドがD4Cみたいな人のようなことを言いたくなる部分です。まさしく正論とは隆子様の言をして他は無いと。
 ですが、正論がイラつかせはしても、世の中に寄与したことはない、とは他ならぬ隆子様の言です。この漫画の1話目でぶっこまれたやつです。
 あそこがガチのギーレェ状態だった点を差っ引いても、その言に一定の理はあります。
 その腕、その言をした隆子様が、メインを持たぬなど! と正論を言うのは、中々にねじくれている感じです。*3
 何が言いたいか。つまり正論の域を越えた所に、蹴子様があってほしい、という願望がある、と言いたいのです。全キャラ使える、というのは格ゲーにおいてはひとつのメルクマールです。
 全てある程度強い、というのから更に格が上がって全て使える、まで行くのは中々出来る事ではない。不可能とすら言える。
 だからこそ、それが出来るかもしれない、という夢を、蹴子様に託してしまいたくなるのです。
 そして、一つのキャラに、メインキャラに全てを託すみたいなよくあるムーブへのカウンターにすらなって欲しい、という欲求があります。
 大体の漫画ではメインを絞らないのは移り気、つまり駄目ムーブとされますが、そこに軽々に蹴子様が落ちて欲しくないのです。
 究極、隆子様の方向だけが正しい、というのをきっちりと否定して欲しいまであるのです。そこには違う道がきっちりあるはずなんです。
 そこが出来る漫画だと、この漫画には期待を勝手に米米CLUBしているのです。そんな凡百なオチに落とし込まれない何かを!
 と、勝手なことを書きましたが、サブキャラという概念が悪い物、という風にならないよう、なってくれたらいいなあ、とまたしても勝手なことを思う、吉宗であった。
 ではまた次の項で!

*1:不定期な今日の『ゲーミングお嬢様』のワンワードから 第三十三回 - オタわむれ 日々是戯言也blog]

*2:不定期な今日の『ゲーミングお嬢様』のワンワードから 第三十二回 - オタわむれ 日々是戯言也blog

*3:一応、それでも蹴子様が天才な点はきっちり認めていて、だからこそちゃんとしろよ天才! みたいな檄な部分もあるんですが。