ネタバレ?感想 jin 『残念女幹部ブラックジェネラルさん』8巻

残念女幹部ブラックジェネラルさん(8) (ドラゴンコミックスエイジ)
残念女幹部ブラックジェネラルさん(8) (ドラゴンコミックスエイジ)

 大体の内容「辻褄をあわせるというのは大変なことなのだ!」。わりと展開が無茶なせいで、そこに整合性を、となって泥縄していくという、ある意味でこういうノリで描くとこをちゃんと埋めるって大変なんだ、という理解を自然とさせてくる漫画。それが『残念女幹部ブラックジェネラルさん』8巻なのです。
 ブラジェネさんがヴィラン側なので、どうしてもヒーロー側が迂闊じゃないと成り立たないところがある、というのは今まででもビンビンに感じさせられていましたが、その迂闊さを改革しよう、という話になり始めた時点でこの漫画の一線は越えられています。
 でもそうなると今度はヴィラン側を動かすのが大変になるのでは? というので、地獄ロードに突入している訳ですが、そうなったらそうなったでどうゲインを見せるか、という読者としては下種のレベルの興味が尽きない為、苦しめ……苦しめ……。という呟きをもってみてしまいます。この漫画が、だが奴は、弾けた。ってなるのを待っているのですよ。←本当に最悪
 そんなわりと大変な状態なので、ヒーロー側の三バカにはちゃんとしてもらわないといかん、というだけの理由で亀老師が登場させられていた事実が発覚したりするのも、そうあれかし、というレベルの内容です。本当にそれだけの理由だったっぽいというのが本当に得難い。もっとなんかあるだろ、出たんなら! っていう部分をしれっとスルーする訳だから相当です。
 といっても、人物関係の中では結構重要なポジション、ウサさんとか師匠さんとかとタメというのがあるので、一応出たんなら! と言う部分はしれっとクリアしてはいます。しれっとクリアしているからこそ、それ以外は知らん! ムーブだったりするのも分かるんですよ。
 でも、ウサさんがヒーロー側を外から監視する方に、とかかっこいいムーブしているのに、亀老師は場当たり的な感じでやっている。そう見ると、ウサさん、普通にヒーロー側内部にいた方が良かったのでは? という気持ちにもなります。一応、外にいたからこそって話なんですが、内でも大体良かったんじゃね? とも思ったり。監視、内からでも出来たんでは?
 さておき。
 ヒーロー側のわちゃわちゃの外で、今回のブレイブマンは大変そうでした。大変だった反動で、ブラジェネさんと日向ぼっこしていたり、もう倒すのも面倒だから帰るとかしだしてました。ブラジェネさんが本当に特に街に危害を与えない存在として認識されてしまっているのが浮き彫りとなった形です。
 まあ、ブラジェネさん、ブレイブマン以外とくんずほぐれつする気がないというか、ブレイブマンしか何時も見えてないので、確かにブレイブマンが放っておいたら特にないもしないしな……。という理解は成り立ちます。実際その通りなので、マジこの漫画でブレイブマンは面倒な目に遭っているんだなあ、という見方も出来るでしょう。
 そこで、ブラジェネさんが気を引く為にどっかで破壊活動を、とかしだしたらアレなんですお。でも、マジでブレイブマンしか見えてないので、そう言う事をして気を引くという発想すら出てないのがブラジェネさんクオリティ。今回もダイレクトに婚姻届をブレイブマンに突き出すという、いくら腑抜けてても通らんわ! もしていましたが、色々とやって引き換えに、とか発想しないので平和だなあ、と思いました(小並感)。
 さておき。
 今回はブラジェネさんがイケイケなタイプなのにエロス! なやつには抵抗感があるという、作者と読者間における解釈一致があったのが嬉しかったです。ブラジェネさん、いつもの姿はきっちり着込んで露出ナッシンですからね。そりゃあ半裸は苦手としているヘタレですよ。
 だけど、そんな人、だからこそだろうがっ! ということで今回のエロ衣装装備は珍しくて大変良かったです。もう一生見れないやつなので永久保存版ですね……。
 で、なんでそんなエロ衣装を、というのは、なんかブラジェネさんが耐久力が高い以外にバトルに活かせるものがないな? という、わりと今更気づいたの? なことで、バトルでも活躍できるように! とその為の装備探しという建前がありました。で、その流れで得た武器、というのが、それな! という感じでした。キャラクター性を維持しつつ、納得感もあるし、ピーキーだし、ブラジェネさんだもんな! というこれもまた作者と読者間の解釈一致でした。こういうとこがあるから、この漫画好きなんだよ……。
 ヒーロー面の泥縄が、この漫画をどこに持って行っても、ブラジェネさんの解釈が一致するなら、ついていける。そう思わせられた8巻でした。強いキャラは強い……。
 とかなんとか。