感想 みくるん 『はなまるスキップ』1巻

はなまるスキップ 1巻 (まんがタイムKRコミックス)
はなまるスキップ 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

 大体の内容「ふわふわの絵柄で、このふわふわ!」。ふわふわに見えてシニカル、とかは偶にありますが、ふわふわに見えて実際ふわふわなんだけど、その真核は危険! となる漫画。それが『はなまるスキップ』なのです。
 この漫画を語る為には令和きららのアレ4傑の一角という部分を置くことは出来ません。
 その点については『今、巷で話題ではないきららヤバ四天王についてのレポート - オタわむれ 日々是戯言也blog』にてある程度語っているので、そこを読んでいただけると幸いですが、そんな時間がないという向きの為に簡単に要約すれば、令和きららにはヤバイやつが! それも4つも! という状態であった、という話です。
 現在はそのうちの一つが終わりそう、もう一つが長期休載、という状態になっておりまして、そうなると自動的にこの『はなまるスキップ』のヤバさが浮き彫りになっています。いつの間にか、ヤバイ系4コマ漫画家ちょぼらうにょぽみとのヤバイ系ツートップになっているのです。こいつ、ヤバイ!
 さっきからヤバイヤバイ連呼してますが、どこがヤバいのか。それは上掲の文章でも書いていますが、とにかくふわふわした絵柄と作風に、妙な毒が仕込まれている。それも婉曲ではなくダイレクトアタックです。
 ふわふわしているのに毒をダイレクトアタックというのでもう訳が分からないかもしれませんが、我々はなまるスキッパー(『はなまるスキップ』愛好家が自称の一つ)も良く分かっていません。こ、こは何事? という困惑を毎度毎度、ふわふわ毒のダイレクトアタックによって思い知らされています。この事象の乖離と融合の形は、10年、いや100年に一度のビックウェーブなのでは? という酒乱でもしてないとやっていられません。『はなまるスキップ』がふわふわ毒するなら、はなまるスキッパーが酒も飲んでないのに酔っぱらうのは因果。
 さておき。
 この漫画はかなりヤバイ、というのが雰囲気でも伝わったでしょうか。そのヤバさは当然内容に寄ります。かなりのふわふわ野郎星見はるさんが、ノリでピクニック同好会を作る、というだけの1話から、そのはるさんの非凡なるヤバさ、授業に全く出ず日向ぼっこをしていて一日を過ごすというのを魅せつけられて、しかしそのふわふわの絵柄で、わりと許されるのかな? と眠たいことを思っていた俺の姿はお笑いだったぜ。ちゃんとピクニック同好会のメンバーが出席率悪いから廃会ピンチ! ってなるのです。
 ゆるそうにみえて、ゆるくない! いや、違う。ゆるすぎるを越えた次元! と恐れ戦かされました。その後も、ゆるさがヤバイ級の展開が連発され、ゆるい、というのだけでは許されないライン……! とはなまるスキッパーがなっていた頃に、生徒会選挙回がやってまいります。
 この頃には、既にはなまるスキッパーの練度も上がり、こいつはヤベー! というのが浸透していましたが、生徒会選挙回はその中でも特段にヤバイ一撃でした。
 こういう漫画なら、選挙のスピーチでいい話が出たら勝ち確、というのがあるというのは、漫画読みの方なら、あ、理解可能。だと思います。そういういい話の勝ち確モードを、しかしさっぱりと無視してしまう、まではまだいい、よくないけどいいんですが、その後に発覚する主人公側のあろうことかな買収と、それに乗った生徒さんたちがその件で処罰されるというアナウンスで一気に鞍替えする、という、ゲロ以下の臭いがプンプンするぜーッ!! な展開に。
 事ここにいたり、『はなまるスキップ』はその様相を確定したのです。ふわふわ毒という謎の立ち位置に!
 という歴史語りはさておき、このふわっとしたノリと可愛い絵、そして内容のヤバ具合の複合。それが『はなまるスキップ』なのです。
 1巻ではこれはギルティ! という話題が出だした体育祭の6話や、実際ヤバイ前述生徒会選挙回の7話もあれですが、文化祭を積極的にハックしていく8話もかなりあれです。劇を最初しようと画策するんですが、それが異世界に葬送するトラック運転手の話という色んな意味で当たりが強いネタだったり、当然それはギルティ! されるんですがなら飯系で一発当てたらあ! とキッチンカーを使いだして文化祭ハックしだす辺りで、もうこの漫画は、おえんのです……。ってなる展開を魅せます。普通にやれ!
 という感じで、きららのヤバい面の一角の『はなまるスキップ』の名前を、皆さんも覚えて帰っていただけるとありがたいです。共にはなまるスキッパーになろうぜ、兄弟……。
 とかなんとか。