ネタバレ?感想 浜田よしかづ 『つぐもも』28巻

つぐもも : 28 (アクションコミックス)
つぐもも : 28 (アクションコミックス)

 大体の内容「まあ、そんなにすんなりはいかんとは思ってたけど」。黄泉の国にインしたかずや御一行。しかし、そこに現れた武闘派軍団と戦うことに。その武闘派軍団の目的とは? というのをサラッと流しながら、結局目的自体は果たせそうな展開へと向かうのが、『つぐもも』28巻なのです。
 ということで、黄泉の国入り出来たのだけど、このままサラッと進むと時間余るな? と思っていたら、ちゃんと波乱要素がぶっ込まれます。
 それが、黄泉の国の武闘派集団黄泉真凰。いきなり出てきたと思ったら、他の死者と共にみまねさんを攫っていく、という行動に。
 当然、それを追いかけて、そして戦うことになりますが、その相手、たうなでが超強い! しらねさんと2人がかりしたり、かみがかりを持ってしても五分の相手、という、この人何者!? 案件です。
 というか、今までかみがかり倒せたの、奏歌母さまだけだから、五分とはいえでかいインパクトです。謎のぽっと出キャラが超強いってある!?
 なんですが、このたうなでが、どこか知っている顔に見えます。あれ?
 そして、浜かづ屋が後書でその関係性について匂わせたので、もしかして、そういうこと!? ってなります。何がそういうことかは、読んで確認していただきたい。色んな意味でそういう事なのに!? ってなりますから。
 今回のメインは、上記たうなでとの戦いです。
 この漫画、相変わらず異能力系格闘漫画としての出来栄えは卓抜としか言えない仕上がりです。たうなで戦はこの漫画のその出来栄えからしても、一等の粋と言えるもの。
攻めるかずや達に対して受けて的確にカウンターしていくたうなで。攻めの手管も濃ければ守りの手管も濃い。ガチガチの戦いが見られます。
 最近、こういう相手がきっちり受ける、というのがそこまで無かった、親対隷の時以来か? なのと、相手が無茶なので相手側が受けるって意識もなかったのもあり、ガチガチの戦い、というのが見れてビバ! ってなりました。
 相手の防御技を見極め、見様見真似ながらそれを使う、という内容のアクロバットもぶちかましてくれました。その上でさっき破られた技と、相手の防御技を締めの攻撃に活かしたりするので、すっげえ! すっげえすっげえ! と語彙が無くなるのもしょうがないと思っていただきたい。素晴らしいアクションは人を馬鹿にするのです。
 とはいえ、ここがあまりに濃かった為、今回の後半が消化試合感すらありました。
 そこもまた違う方向のバトルはしてるんですが、たうなで戦の勢いで呆けてたので、内容の方は大体分かった。くらいのモヤシ感で読み終わってしまいました。それくらいの理解でも大丈夫な理解しやすさは流石ですが、後でもうちょいしっかりして読み直します。
 ここの情報の出し方も大変上手くて、どんどん浜かづ屋が仕上がっていく……。という謎の感慨に襲われます。へっぽこーず漫画でも出来ていましたが、そこから研鑽を積まれたがゆえに到達しつつありますね。でも、今回はやはりたうなで戦が凄すぎた。印象全部持ってかれる……。
 さておき、エロです。この作品といえば、異能力バトルという一輪と対を為すエロの一輪をゆるがせには出来ません。
 とはいえ、今回は裸は多かったものの、凄まじい、エロシーン! というのはそんなないという、ヤマダかつてない状態になっていました。たうなでとかずやの入ってないやつくらいなのです。そこも、きっちり入れてないとされつつSUMATAみたいなことはしており、いやそれで入らないってうせやろ!? というレベルでした。
 な、何が起こっている!?
 27巻で作画のストレスの代償行為として、且つ話の中に自然とエロ入れていた浜かづ屋ですが、今回の描いていた時期はストレスが少なく、また描き方に変化があったのもあるとのこと。
 そんな! 俺たちのエロ小僧、浜かづ屋が!? ってなるとこですが、今は入れられないが、エロは今後もするぜ! との決意表明もありましたので、我々としては震えて待つしかない。
 浜田よしかづファナティックの辛いところです。エロを描いても欲しいが、しかしこの漫画の行く末もきっちり気にはなっている。だからエロばかりになってしまうのは業腹。とはいえ、エロも見たいというプライマルな感覚もある。おっと、これはクソ面倒な読者だな? でも、待つだけのものは持っている漫画家さんなので、いつでもいいのよ……? という、天使のような悪魔の笑顔で待ちたいと思います。
 というか、この黄泉編、予想以上に長くなりそうだぞ……。とそれはそれで嬉しいという顔もしながら、今回はここまで。したらな!