ネタバレ?感想 浜弓場双 『おちこぼれフルーツタルト』6巻

おちこぼれフルーツタルト 6巻 (まんがタイムKRコミックス)
おちこぼれフルーツタルト 6巻 (まんがタイムKRコミックス)

 大体の内容「つえー! クローン丈が、相手になんねー!!」。ということでとりあえずクローン丈なんて目じゃないのが、浜弓場双『おちこぼれフルーツタルト』6巻なのです。
 今までも通報レベルの実態だったフルーツタルト面々ですが、今回の巻では通報レベルを超えて今すぐ通報しないと!! という使命感すら覚える状態となっています。
 こうなった要員は、いままで一応なんとかややまとも範疇にいたはゆさんとニナさんの危険度が超速球になってしまったことに起因します。
 ニナさんは今まで匂いフェチの側面が取り沙汰されることはありましたが、そこまで突っ込んで正解ッ! というくらいには掘り下げられることはありませんでした。ですが、6巻ではそこがやたらクローズアップされる展開となり、こいつ、ヤバイ! という認識を読者側にぶちかましてきました。
 特にロコさんがトネさんとそのママンと一緒にくんずほぐれつ(語弊)した後の回で、ロコさんから親子丼の匂いがするよ? とか言い出した時は、匂いフェチとかでは断じてねえ、もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……。という所謂ポルナレフ感でした。複数の意味でやばいですよ!
 はゆさんと同じでややヤバイアトモスフィアがある側面もある、くらいにギリギリの言葉遊びでなんとか今までは耐えていた感じのニナさんが、ここにきて崩れて匂いフェチの域を超えてしまっています。
 超えるだけならまだしも、負の領域にすら到達しそうになっているのが更にヤバイ。この漫画は負の領域に到達している人がただでさえ多いのに、まだそれに加算してくるか、浜弓場双! ってなってしまうのもご理解いただきたい。
 さておき。
 はゆさんの方は今までさり気程度だったイノさんへの重いがじゃねえ想いが、へもさんとのデュエットを達成する為に、あえてへもさんをイノさんと見立てる、という行為からいきなり重くなってくるという大外を回ってあれな人扱いへエントリーだ! されることになってしまいました。
 いや、はゆさん、あなたそこまで、ある意味敵なヘモさんをイノさんと見立ててもそういうキュンキュンなこと出来るんですか!? というので、元々全方面でヤバかったフルーツタルトが、はゆさんのガチを迎え、悲願は達成されました。とアスパラガス台詞が出てしまいました。
 というか、この漫画の恐ろしい所は、暗黒面に捕らわれた方が出番が増えるし印象に残るという、ある意味闇落ち(?)ウェルカム漫画というところです。
 実際、5人いると印象がぼやけるやつがいる。という5人組の弱点を、この漫画ではヤバのインパクトで解消しようとしている節があり、それの最初としてイノさんのヤバが炸裂してからはこの節に味を占めているのでは? という邪推したくなるくらいです。
 そしてそれによって、印象がぼやけたらヤバをぶち込む、という所作が為されるようになり、その一環として、今回の巻でニナさんとはゆさんのヤバさがクローズアップされた、という陰謀論めいた考え方すら出てきます。
 というか、そういう陰謀でもないと、ニナさんのヤバイやつとしての傾斜がエグいんですよ。いままでロコさんのふかふかの担当だったのが、担当されるキャラが増えたら印象が、となった所でこれですから。どうしてこうなった!? まだまともだったニナさんを返してください!!
 さておき。
 先にあげてヤバになった、としたイノさんですが、ド初期のピュアピュアなあなたはどこに行ったの? と今更なことを言ってしまうくらい、6巻ではド変態でした。一々ピックアップするのも大変なくらいですが、今回の夏祭り回でロコさんに浴衣の下に下着はダメなんですよー? って誘導したとこは確実にお縄レベルでした。よくあるネタなのに、イノさん(とニナさん)がやると一気に犯罪臭がするので困ります。最初に浴衣の袖に手を入れたい、から既に犯罪アトモスフィアでしたから、そう思うのも無理からぬです。
 当然、浴衣に下着はダメ展開は犯罪スレスレです。ドッキリとかの域を超えてしまってますからね……。しかも逆ドッキリになって、というのでイノさん(とニナさん)は下着を……。などとなっておりました。ドッキリで済ませたけど、本当に強要で立件されかねないのでは? 最低わいちんな気がします……。
 そんな訳で、どうしてこうなった、という思いがはちきれんばかりの漫画となった『おちこぼれフルーツタルト』ですが、ここまで仕上がってくると、この漫画着地点が全く分からない、んですが、どうにも〆へ向けて走り始めたっぽいあとがきの浜弓場双先生の筆に、いや待て待て、どう終わるんだこの漫画!? 誰か本当にお縄に!? って錯乱させられます。
 いや、本当にそろそろお縄されても、なやついるからなあ!?
 とかなんとか。