大体の内容「シリアス展開ですわよー!」。基本バカ漫画なのに、偶にシリアスをやってしまう系の漫画が『残念女幹部ブラックジェネラルさん』ですが、今回の巻もそのやってしまったのをやっちまっているのです。
今回は、ブラジェネさんの姿を模したメカブラジェネさんが登場。そうです、また”組織”です。そいつらしばらく出さないんじゃなかったんですかねー!? というくらいに相変わらず便利過ぎる”組織”の破壊工作で、ヒーローも警察も面目丸つぶれ! ならばヴィランリーグがいる! という展開は展開で、中々味わい深いものがあるんですが、この漫画はギャグ漫画なのでそれは本筋ではないんだけどなあ!? ってなってました。以前の”組織”関連のように、jin先生がついつい真面目にやってしまうスキルが出てしまった格好です。
一応、あちこちはギャグ調でやっていて、例えばブラジェネさんがメカジェネさんのせいで指名手配、となったところで、ブレイブマン成分が足りねー。ってなってたり、そのせいで餌のように紙で出来たブレイブマン人形に惑わされたり、クロジェネさん達の潜伏場に行ってプリン中毒者に遭ったり、ブレイブマンのいる哨戒班のリーダーのフロスティさんが駄目人間だったり、オーバーさんがウサさんとかを流れで正座させたりなど色々あるんです。
しかし、基本がシリアスな感じなのでそのギャグ調もどこか上滑りしている、という井の頭五郎台詞が出るくらい上滑っており、なんとも言えないアトモスフィアを感じるに至ります。
以前にあったシリアス展開のヒーロー協会動乱もですが、jin先生は一回真っ当にシリアスの漫画を描いてしまった方がいいのでは? という気がします。ギャグを交えると全体的にブレるというか、どっちしていいかわからんッッ!! ってなっているんですよ。ギャグが制約になっている感じ。
この軛からなんとか逃れようと頑張って変な回になってしまっている、というのが今までのシリアス回の形ですから、一回自分のスキルがどうなのか、というのでガチシリアスやった方がむしろいいんでは? とか思ったりしたのです。
それがそこまで無茶でもなさそうなのは、メカジェネさんに対する対策をヴィランリーグがやってたとこでしっかり表れてはいます。
相手の能力を把握し、戦略を把握し、その弱点をかっつりと突く。それもちゃんと自分たちの能力の範囲内で。意外とこういう話をきっちり描くのがjin先生なのですが、それが今回もきちんと提示されていました。ただ、こういうネタがすこぶる上手い、んだけど描く漫画を間違えてませんかねー!? ってとこでもあります。だからシリアス主体の漫画一回見たいんですよ。
さておき、今回のメインイベント、ブラジェネさん対メカジェネさん。元々クロジェネさん達関係でブラジェネさんのデータがあったからそれの流用として作られた、というのに、その対決は意外と決戦感が出ていたり。そしてブラジェネさんが力を使い果たしたとこで更にそこにあいつが! というのでブラジェネさんも草葉の陰で喜んでますね? となりました。タヒんでないけど。
でも、その後が更にもう一段。ちらちらと”組織”の新スポンサーとして出ていたのが、実は……。という展開で、こっからはもうシリアス以外ないぞお! となってしまいました。そして10巻に続きます。ナンデ!? 二桁巻到達確認ナンデ!? でもこの展開ナンデ!? シリアス展開拍車ナンデ!?
さておき。
ブラジェネさん、意外と頭が回るんですよね。今回指名手配されたので、RX団をフリーにする為にとっとと自分だけで単独作戦し出す、というをやっています。いつものおバカか、と思ったらそうでもなかった瞬間です。その代わり、ブレイブマン成分がすぐに枯渇して形代に惑わされてましたけど。
よくよく考えると、以前にあった惚れ薬をブレイブマンに飲ませようという作戦も、わりといい線はいっていたなあ、とも思ったりも。惚れ薬を飲ませる用のカップの管理がずさんだったせいで、公園がある意味ハッテン場になってしまった訳ですが、あそこの飲ませる方に混ぜない、という作戦自体は確かに良かったんですよ。ブラジェネさん、ちゃんと頭が回る、というのが、今回のエピソードで補強された感じです。
まあ、ブレイブマンが絡むと思考力がゼロどころか虚数軸に移行しちゃうんですが。
さておき、10巻到達確定したものの、またぞろシリアス展開やって大丈夫なのか状態の『残念女幹部ブックジェネラルさん』の明日はどっちだ。そう思う9巻なのでした。