2022年中盤になって明らかになったまんがタイムきららMAXのやばさについて

この項について

 皆さん、知っていますか! と黒岩知事(『超光戦士シャンゼリオン』)の台詞から入るくらいに、皆さんに問いかけたいのが、現在のまんがタイムきららMAXのヤバさです。
 昨年ド頭の元旦に、
hanhans.hatenablog.com
 を書いて、きららの内容が危(ヤバ)い! と『夜王』の歌舞伎町四天王顔になったりしていましたが、今のきららMAXのヤバさはその時の比ではありません。
 現状においては、きらら本誌のヤバ四天王の方は既にちょぼらうにょぽみ『探偵夢宮さくらの完全敗北』だけになり、完全に誌面から浮く形になっていますが、今のきららMAXはその本誌のヤバかった頃レベルのヤバ漫画が乱立するという一大乱痴気モードに入っています。正直どうしてこんなことに……。という困惑すらしてしまいますが、こうなればこっちも楽しむだけ楽しむのが一番と判断し、ヤバい! というのを世の中に発信していきたい。
 自分もそれなりの年月きららMAXを見てきた自負はありますが、その経験からしてもかなり異常な状態だと判断出来ており、つまりもっとその辺が知られるといいや! なのです。
 ということで、今回はまんがタイムきららMAXがヤバい、というのを記述していきたいと思います。

今のきららMAXのヤバさのポイント1 可愛いと何か、の組み合わせがおかしい

 きらら漫画と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。女の子可愛い、あるいは端的に萌え、というものではないか、と愚考しますが、きららはそう単純ではありません。
 この女の子可愛い、あるいは萌えにもう一味足すのが、実際の基本になります。かきふらいけいおん!』などが分かりやすい例で、あれは”女の子可愛い”と”軽音部”がミキシングされた姿です。
 まあ、そうではない例もありますが、大体ミキシングしている、何か女の子以外の担保があるのが、きらら漫画と言えるのです。
 で。
 その女の子可愛いにミキシングするものが、最近のMAXはとちくるっているのです。
 その端的な例がムクロメ『SAN値直葬!闇バイト』。女の子可愛いとコズミックホラーのミキシングです。
 ここであらゐけいいち『日常』のちゃんみお顔で「どうしてだよ!!」ってなった我々きららMAX読者の気持ちを察していただきたい。食い合わせが悪いとかという次元ではなく、そもそもきららMAXとは、というそもそも論レベルの問題作です。
 その上で内容の方は主役のおバカな子がわりと綱渡りしている様と、そこから漏れ出る不穏さ、そして偶にガチのホラー化するというに至って、なんだこの漫画! となってしまいます。ある意味では主役たちではなくこっちの方がSAN値チェックされている感じです。何だこれー!?

今のきららMAXのヤバさのポイント2 純粋に内容がおかしい

 これは1と似た所はあるんですが、ミキシングのおかしさというよりこのネタでいこうとしたおかしさというか、その一発ネタでここまで擦りますの!? ザンギエフ使いでももうちょっと丁寧でしてよ!? と頭の中の祥龍院隆子様(『ゲーミングお嬢様』)が励起するくらいにワンアイデアだけで突破をかかる漫画もあります。
 その例は、はも『マグロちゃんは食べられたい』です。
 釣られたマグロが美少女だったという漫画です。
 何言ってんだ! ふざけるな! そいつは俺が! カテゴリーAは俺のモノだー! ってなるでしょうが、残念なことに事実なので、受け入れていただきたい。釣ったマグロが美少女になった、というアイデアだけでこの漫画は突き進みます。
 正直一発目でこの漫画の存在意義は終わっているんですが、何の因果か連載されるようになってしまい、どこまでこの漫画は行けるのか、というチキンレ―スの様相を呈しています。
 再び正直に言いますが2巻で終了、所謂2巻乙の未来しか見えないんですが、でもまさかのことでこの漫画が更に尖って言ったら、MAXに名を残すことが微レ存……? という雰囲気も勝手に感じるので、出来れば最後まで突き進んでほしいと思う一作にはなっています。登場人物が全員ポンコツになり始めていて、ポンコツ漫画として大成する可能性すらあります。注目ですね?

今のきららMAXのヤバさのポイント3 頭おかしいわりにちゃんとしている漫画が多い

 SAN値やマグロはほとんど一発ネタというか、所謂飛び道具なんですが、そういうのではなく、きっちり地に足の着いた頭のおかしいやつも散見されるのが、今のきららMAXの現状です。
 実際、他の雑誌ならアレの方にはいるはまじあき『ぼっち・ざ・ろっく!』がまともな方に入る段階で現在のきららMAXは一線を悠々と越えていますがそれはさておき。
 頭おかしいけどちゃんとしている枠、という無茶な枠組みではバニライタチ『白魔導士はゾンビの夢を見るか?』がその筆頭です。ゾンビアポカリプスと異世界転移の合わせ技という、この設定の段階で既にトンチキですが、更に回復系白魔法でゾンビを浄化できる、けど、それ浴びると気持ちよすぎる、というもう一段トンチキな設定が加わり、無茶苦茶さを極めている漫画です。
 ただ、この漫画で面白いというかちゃんとしているのは、その白魔法が日に3回しか使えない、という部分をきちんと守っていることです。
 その上で、噛まれた人も回復出来たりするし、ゾンビを祓えたりもする、けど浴びたら気持ちいい、というトンチキさとの噛み合いがあり、それによってこの漫画のおかしいが形成されてもいたりも。
 ですが最初の設定は揺るがないようにしている、あるいは成長したら増えたりするかもですけど、そこをきちんと区切ってやっている点は、こんな頭のおかしい漫画なのに、という修飾はつくものの、ちゃんとしています。そこがあるので安心感というか、ハラハラ感というか、どちらにしても読みごたえに繋がっているのが面白い所ではあります。
 まあ、基本頭がおかしいんですけどね!

今のきららMAXのヤバさのポイント4 イマドキにしたらこれだよ!

 きららMAXも今の漫画雑誌なので、Vtuberネタなどもあります。
 それがMOTO『お姉さまのVな事情』です。中身おっさんと思われがちなVの中の人を、美女がやっている、というだけなら全然フックがないんですが、これが美女だけど嗜好がおっさんというワンアイデアで連載をしているやべーやつです。
 実際流しているVの方も飲んだくれて券買って、というもので、それなら中身おっさんだな、とみんな思っているけど実は美女、というんだけど、でも実際飲んだくれて券買ってるというのは事実だというので脳が混乱してきます。美女とおっさん行動が中々繋がらないがゆえの混乱です。
 そして、これに慣れてきた頃に、そのVの人のガチ勢の女の人が現れることで、更に混乱が加速します。
 ガチ勢の人、金持ちなので、スパチャの限界五万までってどういうこと!? レベルなんですが、中の人がおっさんである可能性が超高いのにガチ恋勢だったりするのです。でも実際は女×女の構造になる、というので壮大なペテンに掛けられている感覚に陥ります。何かおかしい気がするんだけど何がおかしいのかちゃんと言えない、この頭おかしさ。
 イマドキをちゃんとしているのにこれ、なのできららMAXがおかしいとしか言いようがありません。

今のきららMAXのヤバさのポイント5 性癖にダイレクトアタック!

 世の中には性癖を歪める、というタイプの漫画が存在します。特にコロコロ系に多いそれらですが、きららMAXはそこから段階を上がったタイプの人にもう一回ダイレクトアタックするタイプの漫画も存在します。
 それが相馬一『メイドさんハジメテの友達』です。
 友達いねーぜ! の少年が、ふと行き当たった喫茶店メイドさんにあの手この手で遊ばれる漫画です。
 というと猥雑感がありますが、猥雑は一切ない! というある意味きっちりとした漫画です。
 この漫画で歪むという付与されるのはおねショタ属性でしょう。少年の純情をメイドさんが弄び、実際に色々な遊びでも弄ぶ。
 おねショタのおね優位のタイプですが、このメイドさんがいいキャラしており、それに玩弄される少年を見て、いいなあ……。ってなりそうになってしまうのです。
 ここで、玩弄される少年に萌えるか、おねのメイドさんに萌えるか、という二種の入り方があるのもポイント。どっちもきっちり楽しませまっせ! という気配りすら感じる、いいバランスも持っているので、わりと侮れない一作ではあります。それゆえに性癖が歪むのですが。

大体語れたのでまとめ

「そうねえ。きららMAXはなんでこんなことに? でいいんじゃないの?」
「そうですね」
 という戯言はさておき、実際今のきららMAXは雌伏の時というか、わりと端境期です。原因はたぶんですが、長く二大巨頭であった原悠衣きんいろモザイク』の終了があると考えられます。
 koi『ご注文はうさぎですか?』ときららMAXをけん引していたきんモザが完全に終了した辺りから、ついでにくろば・Uステラのまほう』も終わった頃から、この頭おかしい感じの漫画が増加しております。
 軌を一にするとかではなくほぼ完全一致なので、きんモザの終了がMAXにおいては激震だったというのが、このいい言い方をすると新たな軸を探すムーブに繋がっている、と愚考します。
 それでも、この野放図な探索の旅がきららMAXにもたらすのは、新たな道なのか、敗北の道なのか。そこは考え所です。
 とはいえ、個人的には今回あげた作品は単行本買うの確定しているくらいには好きなので、これらがいい感じに盛り上がってくれた方が、楽しみではあります。それがあってもやはり頭おかしいには違いないんですけれども。
 ということで、きららMAXがヤバい。と皆様に垂れ流したので満足しつつ、この項を閉じたいと思います。