ネタバレ?感想 高遠るい 『はぐれアイドル地獄変』15巻

はぐれアイドル地獄変 15
はぐれアイドル地獄変 15

 大体の内容「偶にはエロコメじゃない時もありますよ」。基本エロコメで無茶苦茶なことをする漫画ですが、地獄変、というのが分かる回もある。それが『はぐれアイドル地獄変』なのです。
 今回は、海空さんの後輩にあたる子が、以前地下アイドルをしていて、というので黒い話が展開されます。こういう黒い話をするとこの漫画の真価が発揮されます。としか言えない、どす黒い展開でした。一応、今回の巻の中で片は一応ついたんですが、再発可能性もあるだろうなあ、という感じ。完全にぬぐいきれて、陽の方向に、ではなかったので、結構爆弾かなこれ、という風に感じました。でも、まあ一応は片はついたから、……うーん。
 そういう部分はさておき。
 今回の巻の印象を一言でいうと、裸! となります。上記の地下アイドル話も当然エロってましたから裸でてましたが、それ以外の話でも隙あらば裸! 裸! 裸! という裸大乱舞状態となっていました。実際問題、あまりに裸がスムースに出てくる為、裸のゲシュタルト崩壊、裸が裸の意味をなさない感覚にすら陥りました。それくらい、カパカパ裸が出てくるのです。
 この辺、ちょっと加減がおかしくなっているというか、とりあえず裸! みたいなノリを感じなくもありません。わたくしもオスなので裸自体は嬉しいには嬉しいんですが、でもここまで裸! されると、前述の通り裸の意味を感じない状態になってしまいます。食傷と言えるでしょうか。
 エロには理由が必要です、とは浜田よしかづ先生の言葉ですが、今回の『はぐれアイドル地獄変』15巻はとりあえず裸ならいいんだろお!? みたいな雑さと意味の無さを感じるのです。ただ剥いているだけではエロくない、まであります。その上で乱舞し過ぎてゲシュタルト崩壊しているので、俺は何を読んでいるんだろう、というレベルになってしまいました。
 その上で、更に今回の巻は海空さんがいまいち出番が多くない、という構造的な問題も抱えています。サブキャラも魅力的なこの漫画ですが、その魅力を掘り下げにいく、はいいんだけど、そうなると自動的に海空さんの出る尺が減っていく、というジレンマみたいなのにぶち当たっているように感じます。
 大会編ではそれでちゃんと出来てはいた、とは思うんですが、それがエロコメの方にいくと印象ががらっと変わってしまう、と言った所でしょうか。格闘とエロでは、勝手が違う、んだろうか? 実感として、現在のエロ展開がエロくあんまり見えない、というので、そう思うのかもしれません。そのほか一切のことは分かりません!
 ということで、裸が過ぎて裸の存在価値が下がり過ぎた15巻だったかと思います。なんだよ裸の存在価値って。ですが、とにかくこのままで続いていくのか、路線変更するのか。黒い話は面白かったので、そっち振れもあるのかなあ、とも思うんですが、現状全く方向性が読めなくなった『はぐれアイドル地獄変』の道筋はどっちなのか。というか、海空さんの絶頂期、あるんですよね? となりつつ、この項を閉じたいと思います。