『a short hike』が大変良いゲームだったという話

この項について

 皆さん、知っていますか! 『a short hike』が大変良いゲームだという事を! と大上段から黒岩知事台詞から入ってみるくらいには、『a short hike』はいいゲームでした。あまりによかったので、だいぶ知られたゲームだろうけど、もっと知られるがいいや! とレビューと言うか紹介と言うか感想というか、とにかく書きたいことをカカッと書いて気持ちよくなりたいと思います。

『a short hike』とは?

 動物がヒトっぽく動く世界で、クレアと言う燕? な子を操作して、軽いハイキングに行ってみよう、というゲームです。一応、その舞台の島の頂上を目指すという目的がありますが、わりとそこは無視してうろついてていい、というので、メイン目的は緩い縛りでしかありません。
 クリアを目指すのではなく、この島をウロウロする、というのがこのゲームの目的、とも言えます。ウォーキングシムの類と言われると、成程です。

映像は荒い?

 映像もリアル調ではなくトゥーン調。それもちょっと荒い感じの。なのでゴージャスな映像体験ではない。んですが、ゲームのトーンと映像が大変マッチしております。映像をキンキンにやっていない。これがある意味では凝っているんですがある意味では手を綺麗に抜いている、という印象です。
 その例として、ある程度の遠景になると外枠だけ表示、とかしてきます。
 でも、それはむしろいい。ガチガチに映像を固めないからこそ、気楽に向かえる所があります。
 キャラクターの絵も全体的にガチガチのモデリングではなく、トゥーン調だけどちょっと荒い感じ。でもそれが逆に味わいとなるタイプ。そこも狙いだろうな、という感じました。

『a short hike』の良さ良さ良さ

 映像の話はさておき、ゲーム内容というか、何が楽しかったかと言う話です。
 これはウロウロするのが楽しい、というやつなんですが、それだけだと話が茫漠とするので、もうちょっと絞ると、鳥の子だから出来る、滑空が素晴らしいのです。
 滑空の仕方は簡単。跳んで、そのままAボタンを押しっぱなしなら、着地あるいは着水するまで滑空し続けます。特に凝った操作はないのが特徴です。
 この滑空の何がいいかと言うと、それはどこでも出来ることです。基本的に上へ上へと昇っていくゲームですが、だからこそどんどん高い所に行く。なのでどんどんと高くなれば、当然長時間の滑空が出来るようになるのです。
 これが堪らんです。今まで登ってきたのを全くチャラにして、長い滑空を楽しむのが大変良い。これの為に登って行っているという感覚すらありました。高い所に行けば行くほど、この後の滑空の誘惑が頭をもたげます。で、ヒャー! 我慢できねえ! 滑空だー! してまた一から登り直しです。所々にある乗ると高く跳躍する花を開放してすぐ上がっていくということも可能ですが、その高いジャンプからやはり滑空・・・・! 滑空は全てを解決する・・・・! とばかりに滑空して先に進めない。それぐらいにこの滑空が良いのです。
 特に、ボタンを押していれば着地するまでは延々滑空出来る。それが制限されることがない、という滑空自由主義というレべㇽのお手軽さと自由度がいい。それで味わえる浮遊感というのは、中々他では味わえない。
 で、高い所から滑空すると、いろんな場所に辿り着けます。下から登るのでは分からなかった、あるいは行けなかったところに強引に上から行けるのです。これも堪らない。ウロウロするゲームで、そのコンセプトと言うか仕様をぶち壊すような動きが可能なだけでアガります。いいんですか!?
 というか、このゲームは意外とメインのルート以外の道というのがあり、壁登りに必要なアイテムが足りてなくても脇道から登って先に行けたりします。そういう道を見つけるのも、滑空があるから出来るところです。滑空で色んな所からアプローチ出来るから、色んな道が見える。色んなとこに到達できる。堪らない。
 それと、脇道要素も色々あり、宝の地図とか、釣りとか、モーターボートとか、貝とか、そういう要素を楽しむことも出来ます。ただ、どれもメインとあんまり関係ないので、クリアだけ狙うなら全く無視してもいい。でも、このハイキングを楽しむというなら、適当に手を出してもいい。その辺のお好きにどうぞ、という分かりやすい割り切り。いいぞお!

ただなんとなく浸りたいタイプのゲーム

 繰り返しになるかもですが、このゲームはクリアはありますが、クリアを狙うタイプのゲームではありません。色々な要素をもって、この島のハイキングを楽しむゲームです。
 その楽しみ方として、私は滑空をするのを選びました。他の要素を楽しむのもいいですが、やはり滑空です。あの浮遊していく感じが良い。とにかく滑空至上主義レベルです。
 最終的にこの滑空を楽しむのがこのゲームの醍醐味だったのだ、という提示があったりしますが、いいから滑空だ! と言ってしまいたいです。それくらい、私には滑空が堪らなく良かったのです。お察しください。
 なので、偶にあるカメラ位置の強制移動とか、問題点とかないわけではないんだけど、それでも私はその滑空に浸る為に、クリアしても折を見てプレイするゲームになるかと思います。
 インディゲーなので、SteamやNintendo Switchでわりと安価で買えます。だからもっとみんなやるといいや! と思います。とりあえず、滑空の良さだけでも感じて欲しい。自分で滑空の加減を調整するの、マジいいんですよ……。映像だけではちょっと分からんとこなんで、ほんま騙されたと思ってやってみてくんさい。
 とか、最後ダイレクトマーケティングしつつ、今回はここまで。