ネタバレ?感想 あfろ『ゆるキャン△』14巻

ゆるキャン△ 14巻 (まんがタイムKRコミックス)
ゆるキャン△ 14巻 (まんがタイムKRコミックス)

 大体の内容「新入生! それは新入生!」。ということで、新入生がぬるっと加入してくるのが、『ゆるキャン△』14巻なのです。
 新入生、メイさんは活発系。イヌ子さんに自転車パンク時になんとなく助けられて、自転車に興味を持つようになり、そしてイヌ子さんと知り合った流れでキャンプにも手を出すという、友達の絵真さんの言うように両足が既に沼にハマりかけている展開を魅せてくれます。メイさん、チョロすぎでは? と不安になります。将来大変な沼だぞ、そこは……。生き甲斐搾取されるし。←映画のあれは生き甲斐搾取じゃない
 さておき。
 メイさんがここまですんなりと野クル入りするとは思いませんでしたが、そこから更に自転車沼に足を突っ込んだのには流石に驚きました。これにより、70キロ山梨縦断チャリ行という、あfろ先生がたぶんやりたかったことを疑似的にやらせる形になってしまいました。わりとロードバイク初心者帯のメイさんは果たして達成できるのか? わりと新規キャラに過酷な事させるよな……。という話になってまいりました。そういうのは『mono』で消費するのかと思ってましたが、ここでも新たな取り組みがしたい、という意気の表れと思っておきたいところです。
 さておき。
 そんなメイさんの自転車趣味を発露させる呼び水となったイヌ子さんですが、今回は大変な事態に巻き込まれます。
 それは、妹と自分がジンギスカンだと思っていたのが、ジンギスカンでなかったという事態! 実はラムではなく豚肉を、ジンギスカンとして食べさせられていたのです!
 という、わりと他人にはどうでもいい話を、しかし当人たちには大変なショックなことなので真剣に祖母に問い詰める展開が見られます。このどうでもよさ!
 基本他人というか、読者にはどうでもいい話を、しかし当人たちは大変重要なのでひたすらシリアスになる、というのは温度差で笑わせるギャグの一つのパターンですが、それを今回はわりと波が無かったな、というところで最後に波乱要素としてぶち込んで、でもやっぱりどうでもいいことだからなんで無闇にシリアスやねん! と笑わせるテクが素晴らしい。締めの大垣の「肉なくなるぞ」の当人以外は本当にどうでもいいというのをきっちり提示しつつその回が終わるのが本当にテクい。
 今では『ゆるキャン△』がアニメ映画になり、三期も決まってウハウハだぜ! ザブーンだな! ってなっているはずのあfろ先生ですが、こういうきっちりとしたギャグパターンをしっかりぶち込んでくる気概は素晴らしい。有難いまであります。
 売れていてるのに天狗にならず、自分の出来る仕事をきっちりする。それが今回のイヌ子さんの食の話だった、というのでどういう顔をすればいいのか微妙にはなるんですが、しかし読んでいる時は本当に唐突にどうでもいいことでシリアスになるのって最高だな! って爆笑しました。人はどうでもいいことをシリアスにされると爆笑してしまう不具合がある、というのを突いた犯行でした。
 さておき。
 メイさんはぬるっと野クル加入しましたが、友達の絵真さんの方は、なんというかリンさんんと同じ方向性になる形になりそうなアトモスフィアです。絵を描く、というのが、しかし普通に施行される絵描きのイメージとは違うようなのと、絵を描くはソロキャンと相性良さそうなので、リンさんを師匠にソロキャンをやっていく人になりそうな。実際、アウトドアショップでアルバイトし始めたのでわりと分水嶺にあるというか、一気に転がり落ちそうな雰囲気です。どういうタイプに落ち着くのか。そこは注目ですね。
 ということで、あfろ先生がしっかりギャグをやる時はやる、人だったんだ……。というのをポルナレフ顔でまた見れたので大変嬉しく思いました。あそこまでベタなパターンをしっかりやられると、やはり笑ってしまいます。有難い。
 とかなんとか。