ネタバレ?感想 公式コミックアンソロジー 『リコリス・リコイル リアクト』

リコリス・リコイル 公式コミックアンソロジー リアクト (MFC)
リコリス・リコイル 公式コミックアンソロジー リアクト (MFC)

 大体の内容も何もアンソロジーだよ! ということで『リコリス・リコイル』のアンソロジーのリアクトの方です。アンソロがもりもり出るわ、そのアンソロジーに第2段も出るわでジャン・クロード・バンダムの筋肉フィーバー! ワオ! な勢いがつきすぎてリコリコの2期が来る前に焼き畑農業になってしまうのでは? というアトモスフィアを感じつつ、でも色んなリコリコみたいんや! というプリミティブな精神は大事にしたいと思います。
 関係ない話が長くなりました。アンソロです。アニメの方では出来なかったことを色々とお出しする、というリコリコ世界の幅を拡張するムーブが多いのが楽しかったです。
 なのですが、7つの話のうちの2つでたきなさんの盛り付けの美的センスが擦られていて個人的に大変味わい深かったです。
 その一つ目は葉来緑先生の一作。話の筋としてはDAの子がたきなさんの様子を見に、という話でその軸線はちゃんとしていたのですが、そこのアクセントがたきなさんの凶悪な美的センスが存分に発揮された、ちゃんとデザートって断っているかなんとなかっているグロ映像で笑いました。脳みそぷるんぷるん! みたいなのをきっちり綺麗に――この場合綺麗って言っていいか微妙ですが――再現していて、よくそれを客に出す気になったな? というアレさ加減が凄かったです。元ネタというか擦られる理由になったやつからして、ちゃんと作れるけど美的センスがぶっ壊れているんだなあ、だったんですが、この話の場合は作る腕前自体は相当高くなっていて、だからこそあそこまで……。だったんだと思うと妙に感慨深いものがあります。
 二つ目は吉田創先生の一作。喫茶リコリコ経済面でやばい! だったので新サービスを、というのでたきなさんが提案したのがモーニング、だったのですが……。という話。うずらのゆで卵二個とウィンナーともずく、という取り合わせ自体は普通に感じられるそれですが、もずくを野郎の下のへあだとしたら? ということでたきなさん以外の他の面々が阿鼻叫喚してて笑いました。特にそれが映し出されるということはない、というので想像するだけですが、想像するだにもずくの重要性というか、もずくナンデ!? というか。うずらの卵もわりとなんでですが。
 そも、たきなさんは何が問題なのか全然分かっていない、というのにはその辺のセンスが壊滅的ゆえに……。という凄みを感じました。それの目撃例がないだけとも言えないだろうしなあ。本当に美的センスがアレなので素で気づいてないっぽいんだよなあ。で、この混乱の最後はお前が持ってくのかよ! というオチで素晴らしかったです。この見事な仄めかし! オリジナル笑顔
 さておき。
 個人的に大好きな漫画家さんな野上武志先生のやつは、こういう側面からこの作品を見るのもアリやろ! というので喫茶リコリコの面々を再確認する、という内容でした。こういう視点ずらし、いいね! ある意味ちゃんと『リコリス・リコイル』を整理するというのではかなりお役立ちな一作だったかとも思います。それをリアクト一発目にもってくるのは、クソ度胸とでもいいましょうか。他の人がやったらここまで締まらなかっただろうなあ。
 とかなんとか書きましたが、リコリコの埋められるところがどんどん埋まって、2期は大丈夫なのかなあ、という気もしてくるけど、その辺はなんとかなれーっ! ってやってるのかもなあ、と書いて〆とします。したらな!

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hanhans.hatenablog.com

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