ネタバレ?感想 公式コミックアンソロジー『リコリス・リコイル リロード』

リコリス・リコイル 公式コミックアンソロジー リロード (電撃コミックスNEXT)
リコリス・リコイル 公式コミックアンソロジー リロード (電撃コミックスNEXT)

 大体の内容もアンソロジーです。順調にリコリコアンソロジーが続刊を続けていく昨今、皆様いかがお過ごしでしょうか。もりもりアンソロジーが出て、リコリコ旋風はまだ終わりが見えません。公式コミックアンソロジーはいい。リリン(略)ですからね。色んな漫画家さんの色んなリコリコの側面の抽出。やり過ぎて原作の方がすることがなくなったらどうしようとは、毎度毎度アンソロシリーズ見ていて思いますが、まあそうなったらそうなったで記憶に残ると思うので、どんどんコミックアンソロジーが出ればいいや!
 さておき。
 この巻の開幕のいみぎるむ『Poetic justice』はもしかするとリアクトやリピートの初手より、確実にリコリコミームの正統後継者なのでは? というくらい、リコリコイメージの総取りな内容。そういう作品だからこれ! というのを思いっきりおだしされるので、リコリコ初心者に対して大変いいやつなのでは? という感じです。まだ世の中に出てそんな経ってないんだから普通に今からでも簡単にはいれるやろ! というのはこの際抜きにして、そのThis is リコリコ! という雰囲気を初手にきっちり持ってきた編集部のテクさを感じ入るところでしょう。リアクトもリピートもその方向性ではあったんですが、ここまでしっかりとベタのベタを入れる、というのを選択出来るだけの力が、リロード班にはある、ということなのです。
 いきなり訳の分かり過ぎる導入でしたが、リロードは初手からそうなので、意外とトリッキーな漫画は少ない印象です。ベタ過ぎという言い方も可能ですが、こういうベタ基礎があるからこそトリッキーなのが活きる。というか、リコリコに対してはトリッキーよりこういうベタなのが沢山ある方が個人的に嬉しいので、俺に生きるベタをくれ! 塩沢ボイスになろうものです。
 そんなベタの中でもたもりただち『その後のNothing seek,nothing find』は原作の話の隙間をカカッと見つけて発展させ埋める、というベタ中のベタでしたが、勢いのある絵の中に小可愛いネタ小ネタ小エロネタをきっちり混ぜてくる手管の素晴らしさは掲揚すべきでしょう。お美事! と虎児の顔です。
 さておき。
 基本的にベタが中心なリロードですが、癖球がない訳では当然ありません。苗川采『猛犬注意』は猛犬たきながわちゃわちゃする逸品。作中の所作のせいで狂犬扱いだったたきなさんを、ここできっちり擦りつつ犬っ子たきなさん可愛いさせるという、癖のあるのに直球と見紛う作品です。犬耳たきなさん可愛い。そういう球ならいくらでもいいぞ! もずくとか出てこなければなんでもいいぞ!
 そして、この巻最後の一作、竹本青太郎『ユメノオワリ』。ベタの続いたこの巻において、先生を主題にしておる段階でもう球が癖凄ッ! なんですが、〆としてもきっちり痛みの残る仕上がりです。あの関係にワンアクセント入れると、というのをしっかりやるだけでアンソロジーとしての面目躍如。公式でそこはもう深く触れないだろうなあ、とも思うので、それゆえによく入れた! とドヤれる逸品でした。
 ということで、公式コミックアンソロジーも全部見たな、と思ったらリピートの2があるしリロードも2が出るっぽいので、まだまだリコリコの世界は切り開かれていきますな! と書いて〆。

  • リピートの1

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  • リアクト

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