大体の内容「過去編スタート! などと、その気になっていた俺の姿はお笑いだったぜ」。あのまま過去編やり出すと思うじゃないのさー!
さておき。今回はオムニバス形式で三遍がエントリーだ! しております。普通に過去編すると思っていた無様な私ですが、今回収録の話はどれも過去を匂わすとこがあり、それを持って過去の話なのだ! と目が曇りまくりました。
一回ちゃんと視界を晴れさせないとなので、三遍をちゃんも感想します。
ダイアンズダイナーラプソディ
レオ達がちょくちょく行く、アニメでも行っていたダイナーの、ビビアンさんが何故そこにいるのか、という話。
ネタバレせずに話すとなると、わりと難度が高い回です。ある意味では縛られた者の話だけど、縛られてるからなんだよ、という話でもあります。そこに固執するなりの回答というか、この漫画を象徴するような話でした。
ついでにこのダイナー破壊から復帰早くねえか? という部分にも目配せがあるので、その解決の仕方とそれが地味に負荷なのに、というのも合わせて一つのカイで押し通る剛腕回でした。
ビビアンさんがそこに居続ける意味と執着は、一見悪そうなのに悪いことか? としてくるのマジ剛腕です。しかも、執着したらとかを言うのがザップなのがこの回の変なところで、そもそもザップが変な情動しててどぎゃんしたとかね!? ってなるんですよ。いつもそんなじゃないよねあんた?
でも、そこについての明言はさっぱりされず、なのになんとなく読者側はもしや? とならされます。なんかあるなと。
だから、明言ではないのでもやもやが残る感じ。わりとサパッとその回のネタはその回でまくるこの漫画らしくないアトモスフィアです。そもそもがザップらしくないからくるので、これはもやもやさせとこう、と言う意志だろう、と予断して、そのカイが見れたらいいなあ、とだけ心積りしておきたいと思います。
スティーブン・スターフェイズを奪還せよ
ほぼ潰した組織の残党に襲われ、スティーブンが虜囚に! だったのだが……。
ここにきてスティーブンの周りの愛模様を見せられるとは思わなかった。
ああー 男の人ってー
いくつもー 愛を持っているのねー
って頭の中で曲が流れるくらい愛の話でした。
まあ、スティーブンの場合は裏の顔部分込みで自分の優男ぶりを使ってるので、関係は破綻するのがそもそも織り込み済みっぽいのがヤバい。その手管ずるくね? これだから顔面偏差値の高いやつは!
とはいえ、その部分の割り切りが、しかし相手はマジだったのでスーパー危機、共に永遠の旅路に着こうにさせてしまう形になるので、やっぱり二枚舌外交はクソだなあ、と思いました。
だから、今回のことが薬になって、あっち方面とちゃんと仲良くやれたらいいんですが、どうかなあ。今回のスティーブンの公的なとこと私的なとこ、世界と人を天秤にかけるのがなくならんと、難しそうであります。あっち方面が、スティーブンをあの時に選択してたのがガチの意味だったのが今回分かって、尚且つ今回なのでね……。やっぱスティーブン関係は闇が深いぜー!
RUN Silent,RUN DEEP
それはヘルサレムズ・ロットの外でのお話。この巻収録の話としては段違いで重要エピソードですが、それはヘルサレムズ・ロットの外での話で、いつものとこはいつもの堕落王ヘムトのダイレクトなのか迂遠なのかな狂乱にあったり、その影で警部殿がクソタレな相手に対して仕事してたり、というので温度差が対比されています。
堕落王ヘムトのこともいつものようにわりとデカめな惨事なんですが、ヘルサレムズ・ロットの外の話はまたヘルサレムズ・ロットが生まれかねない、わりとシャレになってないものでした。
そこで見せられるのが、二つのことです。
一つが、豪運のエイブラムスが鉄火場に行ったらどうなるのか、です。
エイブラムスは本人は助かるが本人以外はとんでもない目に遭う、という凄まじい幸運、と言うか豪運の持ち主ですが、それがそのまま鉄火場、危険のど真ん中に行ったらどうなるのか。その一つの回答が為されました。
結果は真に豪運で、上手く噛み合わない、逆の意味では噛み合ってるんだけど、そんな状態を対処できるやつと組ませないといかんのだな、と思わされました。こえー。
さておき、見せられたもう一つのことは、B3Pのヘルサレムズ・ロット構築された回で、ちらっとは顔を出してた、超越者っぽい2人、でいいのか? というのがまた出てきたことです。
名前が片方しか出てこないので分からん方は仮の呼称をすると、コスモスさんと混沌さん、ですね。
このコスモスさんと混沌さん、どっちが厄いかというと圧倒的にコスモスさんです。そもそもヘルサレムズ・ロットの構築されたあの日、世界を混ぜて崩壊させようとしたのがコスモスさんなのです。
コスモスさんとしては、二つの世界が調和して重ならないのが良くないらしい。確かに、二つ世界があって、重なるなら重ねた方が調和が取れてる、という見方もできます。
でも、あまりにコスモスさんが調和厨過ぎて、そうすると生き物多様性がな? それが生み出す混沌がな? と思ってるかは分かりませんがともかく混沌さんの方がその動きを止めようとしている、と言う形なのです。
何気にストッパーが混沌側なのがこの漫画らしいです。調和と混沌の並びだと大体混沌側が槍玉に挙げられますが、調和も調和で下手したら碌でもないぞ? というのを見れて、そうでもあるがあ! ってサコミズ王顔です。
というか混沌さん、コスモスさんがえらい事をしそうになるとこを今まで抑えてきたっぽく、そもそもヘルサレムズロット級のことが今までなかったことを鑑みるに、どうしても混沌さんの気苦労が垣間見えてしまいます。今回の話のような規模の破滅を逐一潰してたんだろうなあ。何億とか言ってたし。神の如き絶対の力はないっぽいけど、だからこそ頑張ってるんだろうなあ。
ある種超越者に対してこんな気持ちが湧くのってそうそうないので、不思議な読み心地でした。それくらい、混沌さんの頑張りを勝手に感じ入れたのです。苦労人には感情移入してしまいがちです。
っても、調和も混沌も、どっちも大事、って落とし所にはならんだろうなあ。何億回やってもやってるわけだし。そもそも両立の域、落とし所が分かんねえし。
まとめ
今まで特に具体的に語らない、そういえばなんで? なところを少しずつ片付け始めて、この話をどこに持っていくのか腹が座った感がある。
それが『血界戦線Beat 3 Peat』2巻なのです。K.K.姐さんがヘルサレムズロットに来ることになった話とか待ってます。