大体の内容「事件は一応解決するも……」。なんとなく茫漠というか、つかみどころがない感じで人外の本物とのバトルが一件落着したのが、『劇光仮面』5巻なのです。終わったとこからまた事件の匂いは出てますが、ね!
ということで、本物の敵に見えた人外相手に、劇光服がどこまで通じるのか、というのをやってましたが、前の半グレ少年のおめめをポロンした時も思った、劇光服の性能が通常の使用に向かない(婉曲表現)のを再確認することになりました。人外にも普通に通じるこれ!
劇光服の使用に署名がいるとか、そういう様式美か。と最初見てた時はなってましたが、今現在のその性能を見れば、そりゃ署名とかそういうブレーキと承認はいるわ。と意見が掌ころころしました。普通にあぶねえ!
いや、本当に人外にぶちかましたから良かったというか、普通に人にぶちかましたら即タヒするレベルの攻撃力があるのを見せられて、こいつらこんなの作ってたのか……。となるのもむべなるかなというか。今までのもわりとやばかったけど、これは(破壊力が)おかしいですよ、カテジナさん!
さておき。
今回は、一応人外の正体が分かりました。戦時中に実験に応募して、人外になった、という話なのですが、面白いのは人外を作るつもりが全くなかった、というので、これの状態で!? ってなるところです。明らかに人外作るつもりでないとこういうの出来なくない? ってなるのです。ガワとかいるのに、そのつもりがなかったってある?
そして4巻でのさつがい行為も、とんでもない理屈で悲しい話にされていました。不老長生に対してこのタイプのネタを使ってくるって個人的には初めて見たので、再生する人外なのに、そんなことなっちゃうんだ……。って変な想いに囚われましたよ。あるいはその手があったか、という部分でもありますが、わりと悲しい終わり方となりました。グロもありましたが、ね!
さておき。
しかし、そこでされた人雷、人間爆弾の話は飲み込めたものの、どうも自前でそうなることはなさそうだというのも分かってきました。でも、あいつはなんか改造されたとかいう話はしてなかったしなあ。記憶を消していたのかもですが、そうする理由がいまいち見えず。分かってない相手が突然爆発するのがいい、ということなのかもですが、そういう爆発があったという話も出てきてないし、謎が深いところです。
というか、そもそも何かしらの敵というのが無いのが、この漫画の緊張感の張り弛みに影響している気がします。特に1巻中盤までは実相寺がひたすら引くから張りが強くて困るくらいでしたが、5巻現在も少しの弛みはあるものの、緊張感は張っているところです。
でも、それは何が引っ張っているんだ? というのが分からない。このどこからの力が引いているのか分からない感じが、大変この漫画の特有の緊張感になっているかと思います。
謎なのはこれはこれで楽しいんですが、それでも不穏が残り続けている感じもあって、だから人外の終わり方も含めてもやっとしたものがあるのが難点と言えます。
明確に敵を出さない、というのが現状だし、もしかすると作品のテーゼになるのかもですが、山口貴由先生は結構ライブ感で漫画描いているとこがあるので、『シグルイ』の蝦蟇剣法の人の挿話みたいな意味がなかったんや! ってことが唐突に起こる可能性も無きにしも非ず。いきなり超展開がぶっこまれる可能性は全然あるので、ここは油断せずにいこう。うーん、あー、エクスタシー。
聖書顔になりましたが、明確にあるけど見えないという引きは面白いので、ちゃんと話が落着する方向になればいいなあ、
とか杞憂しつつ今回はここまで。