待ちについて
待ちとは。格ゲーにおいては、相手が攻めてくるのだけを待っている状態です。自分からはせめないこと、としてもいいでしょうか。
格ゲーで最初に待ちが印象に残るのは、やはりスト2の待ちガイル。ガイルと言ったらこのイメージが強い人もいるかと思います。
対空に強いサマーソルトキックと隙の少ない飛び道具のソニックブームで相手を飛ばせて落とす戦術が、待ちガイルです。
なので、後ろタメと下タメの両方ができるしゃがみ状態のガイルの姿は、待ちの代名詞、あるいはイコンのレベルとなっているのです。スマブラにすら出たので、完全に待ちの体現です。
そんな待ちで勝てるの? ですが、勝ててなかったら待ちの権化にはなってないんだわ。
待ちの理
実際のところ、待ち戦法はある程度の理が三つあります。
まず、こちらは動かずにいていいので、相手との距離の測り方が楽です。どちらも動いていたら、彼我の距離というのは目まぐるしく変わります。その辺の煩わしさを軽減するのが、待ち戦法の理です。
次に、相手を攻めさせる方がある意味では楽です。攻める方向を決めやすいからです。こちらにガイルのように飛び道具があるだけで、相手の接近手段が絞られてきます。絞れると、対処しやすい。それも理です。
最後にガードも容易。基本しゃがみ状態でいいのです。相手が跳んでくるなら対空すればいいし、中段を使ってくるにも出るまで遅いから近づかれなければいい。下段ならしゃがみ状態でガード出来る。普通の攻撃もしゃがみガード安定。つまり待ちの状態を維持するならガードしやすいのです。ここも理の一つであります。
ということで、待ちというのはちゃんと理があり、それを突破するのが大変だった時代もあったのです。
現代待ち事情
待ちは強い行動でした。が、最近は待ちをゲーム側がやめてもらいたいなあ、という雰囲気を出しています。GGST、つまり『ギルティギアストライヴ』などでは待ちをしているとゲージを没収されるしゲージ上昇値も低くされるという、これはこれで極端な例としてあります。*1
いまんとこ格ゲーの最大与党な『ストリートファイター6』はどうかというと、待ちキャラの最大イコンのガイルが使用率も勝率も振るわない点で、割と難しいんだな、というのが分かります。
端的にスト6の待ち方というのがまだ確立されていない部分もありますし、飛び道具持ちは基本的に待ちしやすい傾向もあるので、あえてガイルとならないだけかもしれません。
とはいえ、待ちに対して難しさは確かにあります。大体三点があげられるでしょか。
一つに、スト6はバーンアウトしないと必殺技ガード時にダメージがありません。所謂削りがないので、スト6以外のように飛び道具でちまちま削って体力有利を取り、それで相手を攻めざるを得なくする、という手が使えないのです。
二つに、意外と弾抜け技、飛び道具をスカしたり耐えたりして攻撃できる技が多い点。見て簡単に抜けられる、というのはあんまりないですが、それでも一点読みで抜けられる場合があるので、飛び道具を主体にしていると痛い目に遭いやすい。*2
三つに、ドライブラッシュが強い部分もあります。速いキャラは速いので、それで距離を詰められやすいのもあります。それにドライブラッシュに対して先行して打撃を置くと、ジャンプが通りやすくなる、というので三すくみのような関係にあります。ここが難しい。
ということで単純に待ちが強い、というゲームではスト6はなかったりします。
待ちは是か非か
そんな訳で、待ちは現代のゲームではシステム的にはあまり推奨されない部分があります。それでもきっちり待つ人もいます。これに対する是非というのも、スト2の時代からあるものです。待ちガイルがイコン化するんだから相当なものだったのは分かるかと思います。
で、ここの是非についてはかなり個々人の感性によります。待ちは対戦していて詰まらん、バチバチに殴り合えよ! というのもあります。動きを制限されやすいのもあり、イラつく人は多いでしょう。
でも個人的な話をすると、待ちは崩しに行くのが楽しい、あるいは待ち返すのも楽しい、というのがあるで私はそんなに嫌いではありません。勝てないとむかつきますが、それは相手のスタイルにというより詰み切れない自分の腕になのです。まあ、1割くらいは待ちにイラッ! はあります。人間なのでね。
なので、待ちに対してイラつくのも分かるけど、上手く崩したり待ち返してみたりしてもいいんじゃね? という立場であります。それがつまらん、というのならそれはしょうがないねー、ですが。
でも、待ちを崩すのって昔から楽しかったんですよ。どう意表を突くか、みたいなとこがあって。スト6は上記のように待ちを崩しやすいんで、更にそれが加速します。だからそこんとこ、待ちを崩すのはつまらなくない、とは言いたいところです。
まとめ
結局待ちはいいの悪いの? というのはいいんじゃね? というのが私のスタンスです。これは単に待ちキャラより攻めキャラのが好きだからというのもあります。そうなるとそもそも相手を崩すのは既定路線なので、それが待ちだろうがなんだろうが構わないというのがあるのです。待ちかどうかはどうでもいいのよ。
この辺は異論もあるでしょうが、それはそれで異論がある点を主張していただければ、拝読しますので、軽々に待ちクソタレだ理論を展開していただきたいところです。色んな意見は、あって楽しいからね。(素手で受けると、骨が砕けるからねの調子で)
ということで今回はこの辺りで締めます。繰り返しますが異論は拝読したいのでガンガン書いてください。
とかなんとか。