住吉九『サンキューピッチ』9話が中々悪辣な点について

偶には一点突破だ!

 毎度みょうちきりんに面白い住吉九『サンキューピッチ』ですが、今回は一点について書いていきたいと思います。
 悪辣という言葉を使った点です。つまり、三馬に対する扱いです。
 いやホント、この漫画で最初の印象から結構変わったのは三馬です。最初は結構バカで弱気の虫持ちで調子乗り。その辺でクソオスガキ感満載でしたが、今回は思ったより鋭角にその内面に切り込んできました。
 というのも、広瀬と桐山のバッテリーを、かなりの温度でみていたことが今回明らかになるのです。そこに対して明確には話してきませんが温度があるのだけは分かり、その上で今回ラストで広瀬に愛想をつかされる感じになっているのです。
 この温度差で風邪ひきます。ここ、明確に三馬が何を考えているか、何を思っているかは明かされないので、そういうのかなあ、というのはあります。でも逆にそこを詳しく語らずお為ごかしすることで内容を語りすぎない、内心を語りすぎないという手管を使っているのです。
 よく何でもかんでも口にし過ぎる、というのが否定的な意味合いで使われますが、逆に言うと口にしないのは肯定的に見ることもできます。つまりある意味では憶測ベースで魅せられているというのは否定的な意見もあるでしょうが、そこを語らないのがいい、という視点も持ち合わせることが可能だということです。つまり、上手い! と言っていいかもしれません。
 さておき。
 この、三馬の心に対する圧は前回よりさらに濃くなっており、一回真澄轟をクリアした、だけではない圧を三馬に対して、小堀主体で掛けていきます。どれだけの圧で壊れるか、どこまで耐えられるか。何本目にタヒぬかな? というどっかのサザンクロスのキングの古川登志夫声みたいな状況にしているのです。悪辣ぅ!
 とはいえ、これはある意味では三馬の成長を強引に見ようという手ではあります。広瀬が見限ったみたいに見せているのも、これだけ圧をかけたらどうなるかという試験です。三馬が既に勝手に温度差持ってるから結構ダメージでかくなっているとはいえ、そこまで圧をかけんでもいいだろ、練習試合なのに! というレベルです。
 でも、実戦でするのは無理な圧のかけ方です。実際の試合でそれをするというのはいくら何でも遅すぎる。
 だから、練習試合だからこそできる! というのを考えての行動です。
 でも、三馬はそことの温度差が結構ある。これで三馬が本当に壊れはしないか。実際二回目の真澄轟で二点とられています。ここで成長するのか、三馬。それか潰れるのか三馬。どっちにしろ小堀の考えが悪辣過ぎるというか、圧をどこまでかけていいかというのを本人が知らないところで進めるんじゃない! ちょっとでもそうと分かると三馬には駄目なのも分かるんだけど、もうちょっとこう、手心というか……。
 ということで、三馬が追い込まれているに追い込まれていますが、これで成長するならいいんだけど、壊れたらそのままこの漫画終わらん? 大丈夫? と読者がハラハラしてしまうという悪辣な手管です。こんなので次の更新待つのかよ! マジ悪辣ぅ!
 さておき。
 皆さん、知っていますか!『サンキューピッチ』単行本が発売されることを! 来年初頭の、具体的には2025年1月4日が発売日です。郷里では7日にならないと紙のが買えないのであれですが、その日に買える人もずれがある人も必ず買いましょう。
 とかなんとか。