これが黄金連載漫画家の圧倒的パワー……!!
ということで、住吉九『サンキューピッチ』10話の感想ですが、それをするのは分かるしここでやるのが正しいんだけど、でも思い切りよすぎないですかねえ!? なんでそんな変な方向に思い切りがいいの!? 案件です。
何が起きたかというと、三馬の過去を掘り下げてきたのです。それも、この回の半分を使って! 後半はほぼ三馬の過去話でした。前半が三馬の懊悩だったので、ほぼ三馬回と言える回でした。その上で次回に過去回想が続いたので、次回も三馬回が確定的に明らかです。
その掘り下げはイエスだね! なんですが、まだ連載も始まって今後の展開も読めない中で野球漫画なのに野球関係ない話で盛り上がって大丈夫なのか!? と老婆心がバリバリに立ちます。大丈夫か? 危険ではないのか? とザヴァさん顔になろうものです。
とはいえ、イエスなのは間違いがなく、三馬の過去が分からないとなんでここまで崩れやすいのに図に乗りやすい性格になったのか分からない。それは三馬の今後の野球人生にも関わってくる。なのでここで開陳するのは正答です。だからイエスなんですが、でもまさかここまできっちり開陳してくるとは思わないじゃん! もっとちょっとだけ触れるみたいな所作でじりじり見せるとかするかと思うじゃん! 結構大事な局面で三馬の過去話を二回もやるとは思わないじゃん!
でも、三馬の野球に関する話はこの回想ではまだ出ていません。やたらコンプレックスがある三馬の小学生の頃、というのは野球とは無縁で、更に広瀬とも無縁だった、というのでここからどう野球に繋がるんだ? というのがちゃんと置いてあるのがテクいんですが、そういう引きが無かったら今頃読者から総突っ込みされていただろうことは想像に難くなく、というかむしろそれを匂わせている程度じゃ、満足できねえぜ! っていう不満足さんも沢山出ているのではと勝手に老婆心が爆裂しています。あまりにも野球と関係ない話が過ぎたのです。繋がるのだろうという予断がこちらに生まれているから許るさーん! されないギリのライン過ぎるのです。
これが連載二作目の漫画家のするムーブなのか!? ってすれっからしな漫画読みとしては勝手に戦慄します。『ゴールデンカムイ』の不敗の牛山に組み合ってその強さに戦慄する宇佐美並みの戦慄があります。本当にこんなことを通せると思っていて、実際通している!
さておき。
そういう三馬深掘回ですが、無茶を通せているだけあってその三馬の内面を形成した変なプレッシャーを勝手に感じてしまう、自分を自分で追い詰めてしまうところがここできっちり明らかにされます。これは作中時間現代の三馬の弱い面、気分屋の負の方がそこで形勢されているのが分かりますが、ここまでプレッシャーに弱いようになった理由が結構しっかり理解出来て、そういう意味では三馬の掘り下げとしては成功しています。ここで入れる!? という点を除けばよー!!
ですが、もう一つの三馬の面、強気の面の方が何故ああいう歪に形成されているのか、というのは今回では出てきませんでした。そこが野球と組みあうのは読めるんですが、まさか今回がほぼ過去回想回になるとは読めなかったので、住吉九先生に「ネウロ、これは読めたかい?」って感じで犬から人になられたような予想出来ない展開を今後もしてきそう。本当に連載二作目の漫画家のすることですかねえ!?
ということで11話を震えて待ちたいと思います。野球が絡む以外の展開がホント読めん!
とかなんとか。