住吉九『サンキューピッチ』16話で小堀全開だったのだが……。

小堀さあ、小堀さあ!

 今回の16話は聖テレ方面も味わい深かったというか、轟のあまりに美しい挫折の仕方が良かったのですが、それ以上に小堀が小堀節を全開にしてきており、完全に怪物といえる様態となっていました。
 以前から小堀には球団運営に関わってほしいと言っていたわしですが、今回はその球団経営向きの精神性の暗黒面がもろっと出てしまいました。とりあえず超名言「聖テレのチームワークをズタズタにしよう!」で爆笑しました。主人公サイドが言っていい言葉じゃないし、実際ズタズタにする動きをしてズタズタにしてたので有言実行にもほどほどがあります。
 このズタズタのせいで轟が美しい挫折をして、更に真澄が、というので美しい流れにいくのですが、あまりにそこが美しすぎて聖テレが主人公チームだったけ? ってなりました。轟に対するヘイトが裏返ったという面もあり、マジでこの辺の精神の強請り方がうめえ漫画家だよ住吉九って! というしかない。そしてそっちが主人公サイドと思わせるくらいに小堀がヤバイ。小堀にヘイトが、なんなんこいつ!? が溜まるようになっている回なのに、それをきっちり受けきる小堀の懐の深さ、というか闇の深さです。
 そもそも、小堀としてはちょっとした練習試合なんてしてられない。ここはちゃんと経験値として稼げる限りに稼ぐ。というのは分かるんですが、それをここで負けたら甲子園に行くのすら無理になるくらい士気が下がる逆転したばかりという場面で負ける可能性がもりっと出る作戦をする、というのでちょっと普通では考えられない精神性になっています。
 小堀の言うことも分かります。行ける可能性はあるとはいえ、確実に行けるにするにはもっと色々必要である。というかこんな練習試合で負けるようではいけない。そういう訳なんですが、それでも負けたら士気がガン下がり可能性があるところで負け可能性を増やした上で勝つ方にベットする、というのは博打にも程があります。そこまで必要なのだ、というのは再三再四言ってますが分かるんですけど、でも実際にするとなると話は違って、マジで大丈夫なのかこれ、という気持ちにしかなりません。どんな育成計画なんだよ。
 小堀のこういう面、基本的に成長をする為にリスクを恐れない、というのはやっぱり選手より上の階層、球団運営とか高校野球の監督とかそういうのに向いていると思います。ある種冷徹という部分がないと、運営はできないし、成長もできない。そういうのが徹底できるのが小堀の強みです。
 あるいは、相手のチームワークが柔くなっているからズタズタにしよう! というのも相手の弱みをきっちり突く将の持ち物としては非常に重要です。相手に勝つ為には弱いところをガン詰め出来る精神性が要りますが、それがあんな笑顔で出来るのでどうあがいても監督業の方が小堀は向いていると言えるでしょう。というかあんな笑顔でズタズタにしよう! じゃねえのよ。あまりといえばあまりの言葉とそこに陽性の笑顔だから爆笑するのよ。何この漫画。
 次回は小堀の作戦(逆転負け可能性多し)が発動するでしょうが、桐山の弱点がバレかけているのでどうなるのか。ここでバレたら後々大変なのでなんとかごまかすんだろうけど、むしろバレた時のムーブを! とか小堀が言い出さないかでひやひやです。そこはいかないとは思うんだけど、じゃあごまかすってどうやって? なので、大変次回が気になるところです。再来週が待ちどおしい!
 とかなんとか。