器がでけえ! となった住吉九『サンキューピッチ』37話


 今回は阿川先生の将器を見たり、左近寺がいきなりネームドとして覚醒したりした回です。
 阿川先生の将器は、野球に対する知識はゼロ! でお飾りの監督と相手の轟監督に言われるくらいなのに、まさしく監督という動きをしてきてみせてくれました。以前に小堀がスタメンの話をする前に私がしようか? とか言っていてそこでも寄り添う姿勢としては大変素晴らしいものがありました。あの後小堀劇場だったので忘れてしまいそうでしたけども。
 しかし、今回は将器としかいえない見事な落ち着かせ方でした。応援は力になる、という話があってもその応援すら聞こえないくらい飲まれることもある、という提示をしつつ、そこを落ち着かせるというムーブをすることで一気に株を上げています。ルールが分かってきたから左近寺の動きについても分かるようになり、そこを褒めることで落ち着かせられた、というのがマジで強いんですよ。将器ですよ。スタイルが寸胴でフィジカルがあるだけじゃない、ちゃんとした先達としての目線が左近寺を救うことになっているのがよいです。
 それと、左近寺がいままで顔はあるモブという感じからいきなり話の核にぶっこまれたのには唸りました。1話の感想で全キャラちゃんと立ててくるのでは? と妄想しましたが、それがほぼなされないままここまで来たので、そういうのないのか、と油断していましたよ。そこに左近寺が一気にネームドとして参加する形になってきました。最終的にスタメンは全員名前出てくるようになるのかしら? それともこういうドラスティックな場面で使われるのか? とにかくそういう面でも楽しみができてきました。
 さておき。
 今回特に好きなシーンはストライクゾーンについての解説パート。前回である36話でルーレットに喩えて分かりやすくストライクゾーンを学ばせてくれたところで、そのストライクゾーンの、更なる応用編ッ!! とシーザー・ツェペリ声でストライクゾーンが狭まったり広がったりする話をぶっこまれるのにはしてやられました。その辺の情報の提示が相変わらず上手すぎます。
 こっちがストライクゾーンについて理解したところで、さらにもうちょっと知識をぶっこんでくる、という読者の理解をちゃんと見定めて見事な見せ方してきます。これからこれなら理解できるでしょ? っていうので確かに分かる! というのがマジ美味い。うーん、これよ。このやりくちよ。
 というか、ストライクゾーンが審判の匙加減で広がったり狭まったりは成程、ってなりました。そりゃ人がやることだからなるのはそうだろうけど、あんなにデカくなったり小さくなったりするんだ! ってなりました。いや、広い時広すぎるし狭い時狭すぎるだろ! 人がやるってってもさあ! それも勝敗に絡む時にあまり関連したくないという事なかれ主義からくるというので笑いました。人は度し難い! そりゃ阿川先生も機械に判定させろっていうわ。でも機械でやってもやっぱり紛糾しそうですが。
 とかなんとか。