月姫タッグの対談

 まず最初に失言をしておきます。 笠井潔さんって小説家だったんですか?(←無知蒙昧ですみません) 
 そんな蒙昧なので、このインタビューはどうにも煮え切らない感じです。
 奈須・武内タッグの勢いを、何かがいなしているように感じてしまうのです。
 私がそれを一番感じるのが、
 「奈須氏の発言に衝撃のあまり沈黙」と言う部分(ファウストvol,1のp419上段15行目)です。
 この「奈須氏の発言」と言うのは、
 奈須氏の「空の境界」のあるアイディアが、笠井氏の小説からインスパイアされたものだと言う話で、
 この発言の後に、一同の状態を表すためこの挿入がされるのですが、
 自分はここで笑ってしまったのです。 それはあまりに狙い過ぎだろう、と。
 確かに、この事例は笠井氏→奈須氏へのつながりの一エピソードであり、そこそこ興味深くはありますよ?
 ですが何故、そこまで大仰に、それこそ「衝撃のあまり沈黙」なんて言葉を書き連ねる必要があるのか。
 そこまでの衝撃か? わざわざ小見出で「劇的」なる言葉を使う(p417下段)ほどの事か?と。
 詰まる所、私の中では「ふ〜ん」レベルの物が、
 ここでは思わず沈黙してしまうくらいの「衝撃」である、とされたことに、私はつい笑ってしまったのです。
 結局、この後奈須氏の講談社ノベルス入りを臭わす形で、対談終了。
 無難以上の物ではない対談になったと言うのが正直な印象です。
 
 うーむ。
 この対談での違和感と言うのは、どうにも流水兄さんのインタビューで感じたものと近いような・・・。
 あの時は商業色と思っていたけれど、何か違うような気がしてきた。
 むしろ構成した人物―すなわち太田編集長の―意気込みが空回りして、私の違和感につながっているではなかろうか?
 最先端である事と、これ自体の売り上げ、ノベルスに対する宣伝効果も含めて、
 非常に気張っていた構成者(編集長)の意欲が、タッグの熱量をいなしてしまったような、そういうことなのかもしれない。
 これが、ネタとして以外にあんまり買う気の無かった私が、微妙に熱狂している原因なのかも。
 またいいかげんな寝言を言って、投げっぱなしで締めたいと思います。