まんがタイムきららチェックポイント 2023年3月号

先に総評

 今回もゲストが多い、というより後半はほぼゲストという、ゲスト攻勢でした。ゲストという風はいるのですが、風が吹きっさらしになって過ぎじゃないですかねえ! という感じです。というかそれステがないのは本当に悲しいので、復帰早まれ、早まれ……。
 さておき。
 大熊らすこ『星屑テレパス』がこの雑誌の顔になり始めてしばらく経ちますが、アニメ化が非常に楽しみなものの、アニメ化が終わったら終わる、とかならないでほしい。もうちょっとじっくりこの漫画が見ていたい。アニメが二期くればいいのか。アニメ二期まだかなあ。←気がストレイト・クーガー
 とかなんとかで総評は終わり!

個別チェック三連弾

  • 大熊らすこ『星屑テレパス
    • この四人、瞬さんがいないとボケが多すぎるから空中分解しかねない案件ですね。今回も瞬さんが八面六臂の活躍。暗号を解いてやろうか? とか言っててこれで実際解けるんだろうなあ。そういう意味では安心の瞬さん。すねたりすると面倒になるからマジで扱い難しいのよな。それがこの四人の突っ込み役。このパーティーピーキー過ぎじゃね? でも頼れる時の瞬さんはマジ頼れるから、そこがピーキーになるのしょうがないね。
  • ミナミト『ほぐして、癒衣さん。』
    • カワちゃんさん、風邪罹患! でもごみは捨てないと! とかやって悪化。そして一人寝込む時の人恋しさと切なさと心細さと。そこを襲う癒衣さん。事案です! って言いたいですが女女なので事案ではない。いいね? アッハイ。というのは流石に夢ですが、朝霞さんが来てくれた―ッ!! 何においてもいい人ではあるんですよね、朝霞さん。恋敵でも、助ける人徳! いい人だ……。カワちゃんさんに構う電話越しの癒衣さんに嫉妬心してるけど、基本はいい人なんだ……。
  • 原作原『1979年地球の危機』
    • ゲスト攻勢な3月号に対して、その中でも突出して良く分らんのがこの『1979年地球の危機』です。なんでも食べちゃう(事実的に)異星人が、地球を滅ぼしに来た、という話が開陳されてこの回は終わりますが、本当になんでも食べちゃう異星人なので、猫とか潜水艦とか食っています。このひたすら食う! というのを押し出しつつ、次回に続いてしまって、意外とこの漫画好きだな。ってなってしまったのです。どうなる地球! がんばれ地球! 僕は限界だ!

今号のワンワード

  • むらさき*『えるくえすと! ~勇者エルヴィーラは現実世界に転移しました~』から

…真夜?

  • 今回はえるくえが作られた経緯の話、ですが意外と重いに話になってきました。果たして、いかなる情念によってえるくえは出来たのか? という話になりそうですが、こういう風に来るか。というか、ある意味エルさんとかはあの人の子供みたいなとこがあるんだろうか。そういう話にもなるのかなあ。さわっと終わってほしいが、どうなるやら。

 まんがタイムきららチェックポイント(2023年2月号)

先に総評

「ルッチーフ『奥様は新妻ちゃん』が完結しましてございます!!」
「何ぃ!? それは真実(まこと)であろうな!」

 ということで、今回で『奥様は新妻ちゃん』完結です。非常にいい余韻を残したエンドでした。ふつくしい……。と海馬瀬人状態でした。連載お疲れさまでした。そして有難う。有難う……。後、ルッチーフ先生の次回作も早いうちに、オナシャス!
 今回はその余韻のまま、総評を終えたいと思います。

個別チェック三連弾

  • 大熊らすこ『星屑テレパス
    • しかし、なんで遥乃さんは瞬さんの電話番号をそらで言えるんですかねえ……。最近の子、というか現代人は電話番号はそらで言えないものなのに……。それだけ密に連絡しているんですかね……。というのは置くにしても、だいぶ話の核心に触れつつある展開。遥乃さんのおじいさんは、宇宙人と交信していた? となってさてどうなるのか。実際に宇宙人はいるのか。この辺はユウさん絡みであるがゆえにこの漫画の最大の核心なので、どういう情報がお出しされるのか。この辺はアニメ化で入るか動画微妙だよなあ。入らないとかなり作品のテンションが変わってきますが、さて。
  • 西畑けい『きもちわるいから君がすき』
    • 毎度毎度厄介だったり面倒くさかったりする人が(ある意味)乱舞するこの漫画ですが、今回はその中でも最大級に面倒な話でしたし、厄介な話でした。司さんが面倒くさくなると、この漫画どうなっちまうんだ!? って毎度なるんですが、今回はその中でも、相手の反応の微妙さに敗北感を持ってしまう、という厄介以外の何物でもないムーブを司さんがやってしまいます。更に厄介そうな人も出てきて、もう、この漫画どうなっちゃうのー!? って感じです。だが、それがいい
  • むらさき*『えるくえすと! ~勇者エルヴィーラは現実世界に転移しました~』
    • えるくえを創った人が、登場!? というとこで終わりましたが、全体的に不穏というか、怪しい雰囲気になってまいりました。そもそものえるくえがどうして現実世界とつながったのか、というのが明かされる日が来た感じ。ゲーム世界と現実がつながるんだから、かなりのエモい何かがあるんでしょう。つか、これもう最終回目前だこれ!? ちゃんと最終回に綺麗に着地出来るか!? という目線になってしまいますですよ!

今号のワンワード

  • ミナミト『ほぐして、癒衣さん。』から

血のおしっこが出るまで働け

  • 副社長ったってリアルでそんなこと言うやつが今日日いる訳ねえだろ……、ですが、カワちゃんのいる企業はボスがあれっぽいから、そう思うのもしょうがないか。
    • というか、副社長から漏れ出す社長のアレさ加減を見ると、副社長がこの会社支えてるな……。ってなります。それはそれで百合なのかもしれない。百合かもしれない?

 ネタバレ?感想 木々津克久 『フランケン・ふらん Frantic』7巻

フランケン・ふらん Frantic 7 (7) (チャンピオンREDコミックス)
フランケン・ふらん Frantic 7 (7) (チャンピオンREDコミックス)

 大体の内容「今回はだいぶメディカルホラー方向」。いや、今までもメディカルではあったんですよ。ホラーというと微妙にあわいが違うという感じだったんですよ。しかし、今回の7巻はきっちりメディカルホラー叩きつけてきます。そういう意味では安定のメディカルホラーの巻だったのがFrantic7巻なのです。
 7巻になりました。前シリーズが8巻終了だったので、わりと分水嶺に来た、という味わいがありますが、どの道することは変わらんのだ、という感じで木々津先生は粛々とメディカルホラーと精神的グロを量産してきています。
 先触れに書いた通り、今回はメディカルとホラーが一体化している回が多くみられました。逆に言うと、精神的グロ方向が少なかった、という見方も可能ですが、少ないと言っても精神的グロ出待ち勢の言い分で、きっちり精神的グロはあります。なので精神的グロを求める人もご安心頂きたい。そんなやつ、俺以外おんの? ですが、まあそれはさておき。
 この巻の話で、最もクるのは、一番初めの第39話『シャークトゥース』。メディカル系の漫画でもあまり取り上げられない歯科方面の話で、人間の歯をサメの歯のように出来たら、という話から、想像するだにきつい展開へと向かっていきます。
 サメの歯というのは、生え変わりが出来る。ならそれを人間にもできるようにしたら、という発想はいいんですが、そもそもの歯、および神経関係の構造が人間とサメとでは全然違う。サメの歯には神経は通ってなくて、簡単に取れる。それと同じように人間の歯にしたらどうなるか、という結論が、歯がせりあがるにつれて歯の神経がむき出しになってしまう、という地獄でした。人間、歯の神経が直に外に出ていないからこそ、虫歯でも削って蓋すればなんとかなる訳ですが、その神経が、歯のあるところ全てむき出しに、というのを考えると想像するだにというか想像を絶します。しかも一過性ではなく、一度なったら永続的に、というのを考えれば、本当に地獄としかいいようない。あまりの嫌な質感の話だったので、ちゃんと歯医者に行かないとこういう施術されるんだぞ、って歯科医師会が啓蒙の為に活用するのもワンチャンあるのでは? までありました。歯医者ちゃんと行こうって思えるという、メディカルホラーとしてはある意味謎の仕上がりでした。
 他の話もエッジが効いています。いうて全部エッジが効いてますが、五感がちょっと鋭敏過ぎて生きにくい、という青年の五感を全て奪うというふらんやり過ぎ回や、ネアンデルタール人との交流、という時点で無茶なのに更に話が無茶過ぎる回、後毎度無茶苦茶を振りまいてとんずらする切谷さん回など、全部についてレビューしたい気持ちが湧きますが、流石に長くなるのでもう一つだけカカッと書いて終わりたいと思います。
 その回が、第42話『麗しのアドレア』。大学に行きたいということで首尾よく大学生活を送るアドレアさん。そこに群がる男たち。酷いことするんでしょ! エロ同人みたいに! かと思いきや、彼らは紳士協定を結び、アドレアさんとのつかず離れずの関係を楽しんでいました。そこにアドレアさん一人だと何かあったら、と沖田が送り込まれることで、その関係性にほころびが、というお話。
 この回はひたすらトンチキです。大学生なので色々出来るようになったモラトリアム空間の中、アドレアさんと色々当然したい、でも変に突き進むのも、という童貞精神が全開で紳士協定を結んだ男たちが、沖田の登場によってどんどんとやばくなっていく、までは想定内なんですが、最終的にアドレアさんに物理的に食べられたい、という展開に突き進んでいったのは流石に笑いました。今までのムーブからそこに派生したのが良く分るから困るし、こういうやつらじゃなかったらそもアドレアさんの取り巻きにはならなかっただろう、とも理解出来るのでマジで笑います。食べられたい(物理)って感情を、こいつらが持つのは異常なんだけど理解の範疇に入るんですよ。この回で積み立てられた色々がその感情を容易に理解させる。ある意味凄いストーリーテリング。積み重ねって大事。オチでの彼らの処遇もかわいそうですが、でもあいつらが勝手におかしくなったせいだからなあ。しょうがない。
 さておき。
 そういう訳で、話の方が素っ頓狂の極致みたいなのに、理路は分かるという無茶苦茶をかっつりしてきて、映像的グロも精神的グロもきっちり入れつつ、メディカルホラーとしてもいい門構え。それが『フランケン・ふらん Frantic』7巻の様相なのです。

 ネタバレ?感想 公式コミックアンソロジー『リコリス・リコイル リロード』

リコリス・リコイル 公式コミックアンソロジー リロード (電撃コミックスNEXT)
リコリス・リコイル 公式コミックアンソロジー リロード (電撃コミックスNEXT)

 大体の内容もアンソロジーです。順調にリコリコアンソロジーが続刊を続けていく昨今、皆様いかがお過ごしでしょうか。もりもりアンソロジーが出て、リコリコ旋風はまだ終わりが見えません。公式コミックアンソロジーはいい。リリン(略)ですからね。色んな漫画家さんの色んなリコリコの側面の抽出。やり過ぎて原作の方がすることがなくなったらどうしようとは、毎度毎度アンソロシリーズ見ていて思いますが、まあそうなったらそうなったで記憶に残ると思うので、どんどんコミックアンソロジーが出ればいいや!
 さておき。
 この巻の開幕のいみぎるむ『Poetic justice』はもしかするとリアクトやリピートの初手より、確実にリコリコミームの正統後継者なのでは? というくらい、リコリコイメージの総取りな内容。そういう作品だからこれ! というのを思いっきりおだしされるので、リコリコ初心者に対して大変いいやつなのでは? という感じです。まだ世の中に出てそんな経ってないんだから普通に今からでも簡単にはいれるやろ! というのはこの際抜きにして、そのThis is リコリコ! という雰囲気を初手にきっちり持ってきた編集部のテクさを感じ入るところでしょう。リアクトもリピートもその方向性ではあったんですが、ここまでしっかりとベタのベタを入れる、というのを選択出来るだけの力が、リロード班にはある、ということなのです。
 いきなり訳の分かり過ぎる導入でしたが、リロードは初手からそうなので、意外とトリッキーな漫画は少ない印象です。ベタ過ぎという言い方も可能ですが、こういうベタ基礎があるからこそトリッキーなのが活きる。というか、リコリコに対してはトリッキーよりこういうベタなのが沢山ある方が個人的に嬉しいので、俺に生きるベタをくれ! 塩沢ボイスになろうものです。
 そんなベタの中でもたもりただち『その後のNothing seek,nothing find』は原作の話の隙間をカカッと見つけて発展させ埋める、というベタ中のベタでしたが、勢いのある絵の中に小可愛いネタ小ネタ小エロネタをきっちり混ぜてくる手管の素晴らしさは掲揚すべきでしょう。お美事! と虎児の顔です。
 さておき。
 基本的にベタが中心なリロードですが、癖球がない訳では当然ありません。苗川采『猛犬注意』は猛犬たきながわちゃわちゃする逸品。作中の所作のせいで狂犬扱いだったたきなさんを、ここできっちり擦りつつ犬っ子たきなさん可愛いさせるという、癖のあるのに直球と見紛う作品です。犬耳たきなさん可愛い。そういう球ならいくらでもいいぞ! もずくとか出てこなければなんでもいいぞ!
 そして、この巻最後の一作、竹本青太郎『ユメノオワリ』。ベタの続いたこの巻において、先生を主題にしておる段階でもう球が癖凄ッ! なんですが、〆としてもきっちり痛みの残る仕上がりです。あの関係にワンアクセント入れると、というのをしっかりやるだけでアンソロジーとしての面目躍如。公式でそこはもう深く触れないだろうなあ、とも思うので、それゆえによく入れた! とドヤれる逸品でした。
 ということで、公式コミックアンソロジーも全部見たな、と思ったらリピートの2があるしリロードも2が出るっぽいので、まだまだリコリコの世界は切り開かれていきますな! と書いて〆。

  • リピートの1

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  • リアクト

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 ネタバレ?感想 広江礼威&イダタツヒコ 『BLACK LAGOON 掃除屋ソーヤー解体!ゴアゴア娘』6巻

BLACK LAGOON 掃除屋ソーヤー 解体!ゴアゴア娘 (6) (サンデーGXコミックス)
BLACK LAGOON 掃除屋ソーヤー 解体!ゴアゴア娘 (6) (サンデーGXコミックス)

 大体の内容「珠玉のゴアゴア短編集!」。今回は一回一回が独立したゴアゴアな短編集の趣きなのが、ゴアゴア娘6巻なのです。
 ソーヤーの仕事とイダタツヒコ先生の結節の帰結として、この漫画は不可思議な話やどうしようもない話などが大乱舞するのですが、今回は特にイカレポンチなやつが乱舞する巻となりました。7つの内、ホラー2のトンチキ3のガチ2という謎の伝説的配合比により、一気に読むと訳の分からないアトモスフィアになること請け合いです。正直、何を読まされているんだろうという感じが強いというか、某テイオーボイスで「訳わかんないよー!」ってなるくらい、精神に対するアップダウンが激しくてマジモンの読む向精神薬の趣きすらあります。
 トンチキ話は本当にトンチキで、ソーヤーのとこに酔いどれレヴィが投げ込まれる事件(嘔吐物の話が濃すぎて混乱する)も大概ですが、個人的にはロットン・ザ・ウィザードの勘違いモードの話がてきめんにキました。ロットンは往時からバカだとは思ってましたが、やっぱりナルの入っている奴の妄想はレベルが違うというのを見せつけられます。ソーヤーに迫られるのオーケーというか、告られるもんだと思ってたのかお前。そういう間柄じゃねえだろ! 冷静になれ! という展開からオチの台無し加減が素晴らしいトンチキ回です。最後の掃除させられてるとこのなんか哀愁すらある感じは好きですが。ロットンはこういう扱いが出来るから便利よね……。
 ホラー回は一つはベタに見えてすっとスカしを入れてくるのでわりと込み入った感じので好きですが、もう一つの方の、レイスという厄タネをめぐる話というのが、結局そいつは……? という私のタイプのホラー要素でより好きです。偶に詩的という言葉が出てくるのがありますが、この回も行間を感じる、という意味での詩的回と言えるでしょう。まあ、話の大半はバカアウトローがべちゃくちゃしゃべっているんですが、少ない残りは多く語らず、魅せる形でやってくるので、ここら辺を詩的、と言いたいところです。最後のコマの静かな雄弁さたるやです。こういうの、ここで混ぜてくるからこの漫画好き……。
 さておき。
 ガチの話はどちらもガチ。片や復讐譚、片や性癖という、ベクトルが完全に違うんだけど、どちらも本気の本気なので、これがトンチキ話やホラーの合間に挟まってくるので混乱を助長します。復讐譚もかなりいい仕上がりですが、性癖の話はトンチキでもありつつある種のサイコホラーでもあり、この巻の属性を一番詰め込んだのがこの回、と言えるものです。
 話の筋としては傷跡フェチがソーヤーの傷跡に欲情して、としていたら使いっぱの傷女に……。というものですが、絵のパワーというか、ガチのフェチズム持ちの行動らしい画角というか、とにかくこいつガチなんやな、というのをその犯人とイダタツヒコ先生に見出してしまうレベルです。ぶっちゃけ、使えるレベルですよ!
 さておき。
 やはり、イダタツヒコ先生に対してソーヤーを割り振った人の考えは至高にして究極。イダタツヒコ先生の持つ属性と、ソーヤーの扱える属性がきっちりかみ合っているので、今回の巻のようなトンチキ構成でも一つの作品の枠内を逸脱せず、それでいて頭抜けておかしいというのをしでかしている。ある意味でロアナプラが魔窟なのが治安面だけではなくなっているのは流石にどうなのかとも思うんですが、でも面白いし、オーケーだよ! と勝手なことを言ってみます。広江先生ではこっちの方向性は流石に難しいだろうし、そもそもこれやってる時点でそっちはお任せだろうし、とにかく作品の幅を広げるのには正しく成立している、という漫画だと言えるでしょう。
 とかなんとか。

 GGST 名残雪から見る名残雪対策 その3

GUILTY GEAR -STRIVE- スターターエディション 2022 - PS4

この項について

 もうすぐ2年目を越え、3年目に突入するGGST。そろそろキャラ対もしっかりしないとな、ということで名残雪で名残雪対策を考えることにしました。
 何を言っているか分からないかもしれませんが、そういう次元を超え、何度我々の前に立ちはだかるというのか、ノストラダムス! というレベルの話です。つか、名残雪対名残雪は6:4で名残雪が有利じゃないですか。これを5:5にはしたいので、名残雪対策、考えていきましょう。
概観のその1
https://hanhans.hatenablog.com/entry/2022/11/14/215435
牽制深堀りその2
https://hanhans.hatenablog.com/entry/2023/03/16/201006
 で、その3回目の今回は名残雪戦の勘所、冠雪対策を詰めて考えていきたいと思います。どこが長所でどこが短所か。付け入る隙はどこか。名残雪としてはどう動くのか。名残雪で対策を考えていきたいと思います。

冠雪のいいとこについて

 冠雪の長所はどこか、というのは諸説紛々ですが、個人的には発生のわりに突進距離が長い点が一番強いと思っています。ここがVer1.24ではかなりナーフされましたが、それでもまだ全然強みです。発生14Fでぶっ刺さればデカウンターから高いリターン。ガードすれば投げが刺さるとはいえ、相手の行動次第で逆にガード側が隙を晒すことにも。それがあの移動距離で、なので厄介な技と言えます。

基本の対処

 で、対処としては、ガード安定できるとこではちゃんとガード、つまりキャンセルで出してくるタイミングは迂闊に当たらないようにしたいです。キャンセル入れ込みでぶっ放してくる相手にはきっちりガードは重要です。
 そもそも、名残雪側としては冠雪は総じて重い技です。ブラッドゲージが0.8ゲージくらい溜まるので、実際のところ、おいそれとぶん回せない。でも、ぶん回すわよ、という相手もいますが、それなら逆にきっちりガードで相手の選択肢を削っていくのは重要です。
 とはいえ、立ち回りでおもむろにぶっぱされた時など、喰らいやすいタイミングもあります。牽制と噛み合うと泣けてきますが、それはこちらも同じキャラなので、来るところの勘所は同じ。それか相打ちOKでこっちもぶっぱなすなどで対応しましょう。名残雪対名残雪なので、そういう対処もありです。

ガード後の対処

 冠雪ガード後はかなり重要です。ここは基本的に投げで反撃がベターです。硬直差が-3F、だたかな? なので最速で投げが確定な程度。更にくっつくようになったので、投げが安定、ではあります。
 ただ、冠雪の後の行動としてガードされたら後ろ不香というのがあり、これだと最速投げ狙っていると大体スカさせられてしまいます。この最後のスカ一点の為にわざと投げを食らっておくのを見せるまで、名残雪側としてはあります。
 なので、投げは一番狙いたいし安定だけど、相手がスカ狙ってくるなら狙いにくい、という場面が往々にしてあります。
 ではどうするか。ですが、攻めの方がしてくることを理解すれば、さくっとどうするか分かってくるかと思います。
 この攻めの方が冠雪ガードされた側の行動は大体三つに分けられます。
 つまり、後ろ不香、投げ、ガード、です。

三つの行動

 それぞれ理由を書いていきましょう。
 後ろ不香は一番安定する行動。守り側の投げや小技をスカされるというので、信頼感すらある選択肢です。予断がなければ全部これするくらいの信頼性です。攻めの方がスカしを確認して攻撃は置きにおくのが難しいので、停止から屈Sなどを最速で振っておく、というのが基本としてきます。
 なので、この後ろ不香を読めている場合は、守りの方は最速で立ちKを振るのが一番、ですが屈S先端とかから冠雪>後ろ不香だとスカるので、相手の打ってくる距離をちゃんと確認したいですが、無理しないのも手です。
 投げの方は、受けの方が後ろ不香を警戒してガードあるいは打撃などを振っている場合に刺してくる選択肢で、不利フレーム持ってるくせに図々しいとも言えます。
 なんですが、これが意外と刺さったりします。守り側が早めの投げでないと確反にならないのもありますので、選択肢をちらつかされると結構投げ確反ミスもあったりするのです。場合によっては投げ抜けの動きにもなるにはなってしまいます。打撃も4Fないと投げに負けるのもあり、結構面倒な選択肢だったりします。
 守り側は投げをしてくる、と思ったら垂直が安定です。これだと後ろ不香にはリスクを与えられませんが、こちら側のリスクもあんまりないです。ただガードの時は前Pされるので、結構不利です。
 それ以外では確実に投げで返すか、です。最悪投げ抜けはできますし。というか結局確反投げ狙いというところに帰結します。
 ガードは守り側の反撃をガードする選択肢です。投げでこられると抜けるのが難しいので刺さりやすいですが、守りの方がジャンプするなら前Pで待ち構えられる、という利点もありますし、後ろ不香狙いの攻撃をガードして対処も出来ます。
 とはいえ、確反失敗の投げでも刺せれるので、防御側が冠雪ガード後に跳ぶ、という時に頭に入れさせると出てくる選択肢と言えます。また無敵技ぶっぱの対応でもあります。そんな感じの一応の第三の選択肢です。

それ以外の細かい選択肢について

 ここで、他の必殺技の存在を思い起こす方もいるかもしれません。垂雪出せば、全体的に丸いのでは? と。
 それは一面では真実ではあります。投げ及び打撃を潰しやすいとは言えなくはないです。
 ただ、これが結構シビアです。投げと垂雪の逆択は決まれば強いですが、垂雪が絶妙に相手の攻撃を誘発するタイミング、つまり連続ガードにならないタイミングというのが意外と少ないのです。特に投げに対しては潰せるタイミングがほぼない。投げ無敵ないので、1Fくらいの隙間を空けるみたいなことしないといけません。1Fは流石に言いすぎですが、シビアなのはシビアなのです。
 粒雪? 知らない子ですね……。というのはさておき、割り込みを潰す使い方より連ガを利用した方が安定します。割り込みのリターンが多くないのです。一応、連ガされれば、攻め側はコパで最速攻撃を潰してきたりします。でも小ネタです。

もっとちゃんとした冠雪ガード後の対策の考え方

 とりあえず、冠雪ガード後は確実に確反、ですが中々難しいという話はしました。これをちゃんと対策する、というのはどういうことか。
 これはつまり、ブラッドゲージをちゃんと確認していくことです。冠雪をガードしたタイミングで、相手のブラッドゲージを見る、というのは結構正統派の対策です。
 ゲージが弾けそうなのを確認できれば、不香が来ないと見て投げで返す選択肢も大胆に取れます。
 とはいえ常にブラッドゲージを確認するのは大変なので、冠雪ガード後にだけ確認する、という動きを覚えると結構な冠雪対策の一つになります。
 なので、きっちり冠雪をガードするのはそれだけで攻め側は困るところがあります。当たっていたら追撃、ガードされたら後ろ不香、という意識配分しても、追撃が出来なかったり当たってても後ろに行ったりは頻繁にあります。ここが精密になればなるほど名残雪は面白いんですが、まあ、中々ね。精密にしたいですけども。

逆にあんまりしない方がいい冠雪対策

 他キャラなら冠雪対策でジャンプ攻撃などを混ぜるという手管があったりします。ですが、名残雪での冠雪対策に跳びはよくありません。というのもジャンプ攻撃が下に強いのがない、特にJHSが何故か下に弱く、かみ合った場合は普通に冠雪側が勝つという謎の展開になります。
 なので、垂直JHSを当てていく、というのは狙いとしては悪しであります。ブラッドゲージが溜まっているならまだありかもですが、素の状態なら無理はしない方がいいでしょう。
 ジャンプで対策、というなら跳んで下をカッ跳んでいってもらうというので対策した感じになった方がいいです。マジで普通に負けるので、攻撃を当てて潰す、は考えなくていいかと思います。

まとめ

 長くなったのでいきなりまとめに入ります。
 とりあえず、ガード後に確実に反撃が出来る時には投げをしっかりいれる。スカをされるのをある程度織り込みしつつ、きっちり投げは通すよ? というのを見せるのは必要。ですが、まずちゃんとガードする、というのが最速です。名残雪側としてはブラッドゲージを使うので出来れば当てたいところで、ガードされるとブラッドゲージ状況が悪くなるのを鑑みさせるといい。気にせずブラッドレイジになっていくスタイルだと、ですがその辺は人読みの世界になりますが。
 ということで、対策になったかどうかわからないですが一応自分ならこうする、という冠雪対策の話でした。参考になったら幸いです。
 ということで、したらな!

 ネタバレ?感想 原作:広江礼威 画:やまむらはじめ 『BLACK LAGOON エダ イニシャルステージ』2巻

BLACK LAGOON エダ イニシャルステージ(2) (サンデーGXコミックス)
BLACK LAGOON エダ イニシャルステージ(2) (サンデーGXコミックス)

 大体の内容「ホント、ブルシットジョブばっかだな、エダさん」。1巻後半の仕事の不手際でクビ一歩手前なエダさん。なので挽回の為に非公式な仕事をするのだが……。というの話と、一応クビはつながって、で向かうバルカン半島での更なるブルシットジョブの話。それら余さず綺麗に入っているのが、『エダ イニシャルステージ』の2巻なのです。
 前半の方の仕事は、一線を退いた元情報工作員が妻を失ったタイミングで姿を消した。というので、それに嫌な予感がするとのふわっとした理由で、エダさん達が非公式に派遣される事に。そしてその上層部に来た勘は現実のものになるわけですが、犯人の工作員の、今までは家族がいたから塞いでいた穴が、その重しが除かれて深淵を見せた、という類。全てを失ったら、その上に復讐なら、なんでもしでかす、という見本のような話でした。相手の家族襲わなかっただけ理性的だった、というよりはわりと過去と関係あれば誰でも良かったっぽいので、工作員を放置するとあぶねえな……。という知見を得たような気持ちです。スキルがなまじあるから、やる気になったら止めるの大変だな……。実際の工作員とか、後の処遇はいいようにしてるんだろうなあ。暴発されたら敵わんし。
 あと、今回被害者になりかけた方が加害者に同情してたりしたのも複雑な味わいでした。時と場合が違えば、とかなのかねえ。エダさんはしみったれと切って捨ててたのも分かるけど、あの穴は埋めたつもりでも場合によってはすっと出てくるもんなのかもなあ。ある意味、時代に翻弄された、という類の話なのかもしれません。
 後半はバルカン半島で行われる、やまむらはじめ本気のブルシットジョブ。エダさんが完全にだしにされている酷い話でした。あまりに酷いので、見てください! とシャクティ声になるくらい、是非みんなで胸糞悪くなろうぜ!  な逸品。CIA側も武装組織側も総じてクソオブクソ。一応カタルシスもあるけど、それ以上にもんやりした物が残る方向性のものでした。ホント救いのない話でしたね……。
 さておき。
 1巻の感想でも書きましたが、エダさんのCIAを辞めない理由ってなんかあるのかしら。2巻も引き続きブルシットジョブ連発なので余計に思ってしまいます。その辺が特に語られないので、エダさんがひたすらブルシットジョブの地獄に居るのはむしろちゃんと何かある、と帰納法なんだか演繹法なんだか、とにかくなんとか演算出来ます。ですがその目的、あるいは国の為とは言え、いくらなんでもここまでブルシットジョブ連打されたら流石に参るんじゃないか。というか、1巻からこっち、やることなすこと全部ブルシットジョブじゃねえか! 暴力教会、むしろ今までで一番いいまであるんか!? というよりそういう星のもとに生まれたの!? なので、マジでエダさんのモチベーションがどこにあるのか気になり過ぎます。そこんとこの開示はあるんかなあ。
 というよりは、そもそもエダさんがCIA向いてないんじゃないか? というのがふっと思考に沸いてきます。2巻後半の話の結末の流れとかマジのブルシットジョブで、最後にしたことは一応理屈はつけてたけど実際やったことはほぼ怒りの発散だった形だし、実際CIAにいないほうがいいのでは? まであります。それを乗り越えて、ロアナプラの暴力教会にいる、というんだろうか。確かにロアナプラではCIAとしてはクレーバーに仕事こなしてるしなあ。特にノベライズ2巻では、この頃の気質だったら途中でぶっちってオウサツしてそうだしなあ……。
 あと、エダさん、上司運無くないか? ってレベルでクソ上司に当たりまくるのも、様式美になりつつあるくらいの出来栄え。CIA、ろくな組織じゃないな? ってなってしまうのも無理からぬ。今までの話でCIAいいとこ、とは流石に思えぬ。2巻の話も前半は上層部が勘で動いている! だったし、後半は後半である種餌の役割にいいように使ってるしだし、ブルシットジョブになるのは上司運のせい、ってまとめてもそんなにおかしくない気がするレベルです。特にバルカン半島の。なんなんだあのクソ上司……。まだ暴力教会のヨランダ婆のがいい上司だよ……。
 さておき。
 ひたすらエダさんのブルシットジョブを見続ける漫画になりつつある『エダ イニシャルステージ』ですが、ここまで汚れ仕事を連発し続けていくのか、なんか違う方向性を見せるのか。どっちにしろブルシットジョブにしかならない気配だけは一級品。というか、CIAには絶対なりたくない。というのだけは見ていて思えるので、CIAは業務妨害で訴えても良いのでは? まである漫画かもしれません。流石にエダさんレベルのブルシットジョブばかりじゃないんだろうけど……。フィクションの情報部署、入っても碌な事ない説の傍証がどんどん積まれていく……。
 とかなんとか。