感想 服部昇大 『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん』2巻

邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん Season2 (ホーム社書籍扱コミックス)
邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん Season2 (マーガレットコミックスDIGITAL)

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 大体の内容。「邦キチ、セカンドステージ!」。セカンドステージになっても邦キチ映子さんのプレゼンという名の暴力は続く! ということで、邦画〇○○〇映子さんが邦画を、とにかく邦画を強引にプレゼンして相手をポカーンとさせる漫画。それが『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん』なのです。
 今回も、隙あらば邦画のプレゼンをオート始動する映子さんと、それに対して的確なツッコミでいなしていく洋一の伝統芸能とまで言える形が、更に突き進められます。邦画専門というそれだけでゲテモノアトモスフィアなのに、その中でも的確に濃いのをチョイスしてくる映子さんの選定眼はある意味確かで、だから毎回、気にはなる、という地点に降ろされるんですが、そこへのアプローチが異次元なので、ここから一歩も動きたくない! というか、見たい見たくないで言うと見たいだけど、でもこの感情を見たいと表現したくない! という心理状態にさせてくれます。その点については、この巻で洋一が的確に指摘しているので、あっ、それやっぱり規定路線なんですね。という理解が可能になりますが、ある意味ではそうでないと邦キチ映子さんの味わいではないよな、というのも同時に理解させられるので、こういうのを痛し痒しッて云うんだなあ、という謎の達観を得てしまいます。
 今回の映子さんもオール活き活きしています。そのプレゼンの弱点を突かれても全然動じないですしね。突かれたのにむしろ嬉々としてそのムーブを続けますし。個人的には斎藤工さん回と『ボヘミアン・ラプソディ』? 違うね『来る』だ! 回がマストだったと思います。徒然ましょう。
 斎藤工さん回は、もう結構名の知れた俳優さんな斎藤工さんが、それでも変な映画に出てくれる! というので映子さんがリスペクトを全開にする回です。そこは『虎影』の回でもあるんですが、話を聞けば聞くほど、何故斎藤工さんはそれに出演するのを拒まなかったんだろう、という視点しか湧いてこないという、邦キチらしいセレクションの回でもあります。フルアーマー斎藤工というパワーワードが気になり過ぎて、でもそれをわざわざレンタルで? というので大変懊悩してしまう語り口でした。でも、超刺さるんですよね、映子さんの語り。『貞子3D』も気になってしまったし。でも借りて、みる? になる辺りもピーキーな映子さんプレゼンです。
 話が逸れました。
 『来る』回は洋一が『ボヘミアン・ラプソディ』を見てグラサンをかけて練り歩いているところに、同じようにグラサンをかけて練り歩く映子さんが! お前、まさか洋画を、『ボヘミアン・ラプソディ』を見たのか!? というのでそんな訳が今まであった試しがないのに思ってしまった洋一に、いえ、『来る』の柴田理恵さんです。とちゃんと言える映子さんは流石すぎると思いました。そして『来る』を見てグラサン柴田理恵さんに感化されるという地点も流石です。同時期にグラサンが印象的な映画があった、という奇跡を封じ込めるかのような回でもあります。一緒にされた『ボヘミアン・ラプソディ』はたまったもんじゃないでしょうけれど。
 さておき、『来る』回、これは見ないとまずいか? という圧のある回です。映子さんがどういうものか、として挙げるのがさだかや、ハイロー、コクソンの三段ドロップ。どう考えても悪魔合体にあえて失敗しないといけない組み合わせ。これはマストかー!? となってしまいます。まあ、映子さんが薦めた、というのは一転して映子さんが薦めた、になるので落ち着けられるんですが。
 さておき。
 2巻でも特に登場人物は増えず、偶にヤンヤンが出るくらい。などと、その気になっていたお前の姿はお笑いだったぜ。今回の巻で更に一人、邦キチの語りにやられてしまったお方が登場します。それが石破マリアさん。シネマサロン部の方ですが、1巻描き下ろしの『デビルマン』回の映子さんの語りに、てきめんにやられてしまった模様。ついでに、シネマサロン部ではザムの話が出来ない! という、流石おハイソ進学校、ザムの話は出来ないのか! 案件で、出来そうな映子さんと語りにきたのです。そこでいともたやすくおこなわれるえげつない行為(ザム語り)に、やはり洋一が的確にツッコミをいれて成立させる回となっております。いつものように洋一が大変ですが、映子さんもマリアさんも大変楽しそうで何よりです。
 ということで基本フォーマットは確立された漫画ですので、意外性の弾は多くはないですが、変な邦画を出せば自動的に変な回になる、というある意味構造の勝利は相変わらずでもあり、なので安心して邦画の奥深さを感じ入れる。それが『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん』なのです。

 ネタバレ感想 桜井のりお 『僕の心のヤバイやつ』1巻

僕の心のヤバイやつ 1 (少年チャンピオン・コミックス)
僕の心のヤバイやつ 1 (少年チャンピオン・コミックス)
表紙が紙、文章がKindle版のリンク

 大体の内容「僕の心に潜むヤバイやつ」。クラスの美少女山田杏奈さんを殺す妄想をしてはほくそ笑む、市川京太郎。陽キャ陰キャ、繋がりそうにない二人が、やっぱり中々繋がらない。そんな少年期のある意味良くあるものの集大成。それが『僕の心のヤバイやつ』なのです。
 桜井のりお先生というと基本的に危険球を投げる漫画家さんである、といって然りと言っていただける人は、案外多いと思います。『子供学級』から『みつどもえ』初期の頃にあった、ナチュラルボーンヤバいから生まれるものこそ、漫画家桜井のりおの基本技であります。しかし、それは常に危険を、特に読者心理の荒廃をもたらす諸刃の剣。実際その頃のイメージで桜井のりおせんせを敬遠する、私みたいなタイプも存在します。
 しかし、元凶じゃねえ現況における桜井のりお感というものは、それとは若干趣きを異にしています。色んな意味で長期連載となった『みつどもえ』において、ダイレクト暴力などの根源的なヤバさが、変態的という婉曲なヤバさとなり、それの積み重ねによってギャグとするというテクニックを身に着けたのです。それが更に押し出されているのが現在週刊少年チャンピオン連載中の『ロロッロ』。そちらの、ギャグとして扱うヤバさのスキルは、今、僕のビンテージが芳醇の時を迎える! レベルまで高まっており、おそらく桜井先生は今後『みつどもえ』の人から『ロロッロ』の人に変わっていくと思われます。
 その辺の話はちょっとずらします。そういう、ネタな部分でのヤバいの使い方が天道並みにそうか! そういうことか!! しているのが『ロロッロ』なのですが、ではもっと根源的にヤバい部分は失われたのか、というとそうではありません。きっちりとそれを、桜井先生は保持しています。それがこの『僕の心のヤバイやつ』なのです。
 この漫画のメインパーソナリティ、市川京太郎は、いい意味でも悪い意味でも中二的にヤバいです。自分の中に殺人衝動がある、という、中学生で罹患する中二病の基本ムーブをしているのがそれです。自分の中にあるそれを、飼いならせなかった、という妄想をしてしまう。ある話です。この、中二病として圧倒的によくある、しかしそのわりに根治に対する知識が不足している部分を、市川はまい進していきます。もちろん、殺人をしていくことは全く無く、妄想して悶々です。その上で、クラスのカースト上位の女子、山田杏奈さんに対して、妙に引っかかるものがありつつも、彼女を殺したら僕のものだ、という妄想に突っ込んでいきます。勿論ここでも悶々です。
 この辺の精神の機微、というのが非常に良くつかめる、というよりは異様に現実味がある、というのが桜井先生の持つ根源的な中二メンタル、もっと言えばガキメンタルの存在を感じずにはいられません。『子供学級』の頃の粗暴ともいえるそれが、より具体性と悶々度を追加して、市川に憑依している。とでも言いましょうか。成程、市川はヤバい。殺人をやるやらないではなく、そういう選択肢を持っていると思い込んでいるというヤバさ。ガキならぶっ放せる破壊衝動を、しかし今更持ってしまったということのヤバさ。これがしっかりと出ているのです。単なるガキメンタルからバージョンアップした桜井式中二メンタルへと進化を遂げて。この辺は流石に連載を持った作家の描くものだと思わされます。
 そして、この漫画のヤバイやつというのが、実は意味合いがそのままではない点も、この漫画が得難いと思える点です。今まで記述したように、市川はヤバい、と自己申告する衝動を心に持っています。それも確かにヤバイやつなんですが、実際にヤバイのは、市川、彼の心に降り立ったやつこそ、ヤバイのです。
 それは誰かと尋ねたら、先述の山田杏奈さんだと答えましょう。
 そう、市川は山田さんに恋しているのです。そのことをこの巻終盤で市川は気づきます。いつの間にか自分の中で存在を大きくしていたヤバイやつ。それこそ山田杏奈なのです。
 実際の所、市川と山田さんの接点は強くありません。典型的中二陰キャの市川と、スクールカースト上位陽キャの山田さんとでは、住む世界が違うまであります。なのに、ちょっとしたことで市川は山田さんに、接触とか付け回しとまでは行かないにしても、以前よりほんの、本当にほんの少し近い距離に寄ってしまいました。それで、少しずつ山田さんを知り、ある時はこっそりフォローをし、またある時は明確に口説きを妨害する。そうやって、山田さんを知るにつけて、市川は山田さんが好きになってしまっていたのです。その彼女の、市川の心の中に占める面積の増大こそ、ヤバイのだ。と勝手に思っていますが卿らはどうか。
 さておき。
 それにしても、山田さんは市川視点からだというのを差し引いても、良い感じに中学生なんですよ。中学生って自分の時期を思い起こせば、基本馬鹿だったと誰もが思うでしょう。そう言う部分を、山田さんもしっかり持っているのが好感度が高い。陽キャなのに一人学校の図書館でお菓子をよく食べるんですが、ねるねるねるねを食べようとして、水を取りに、でも水場が、水場が遠い! する回とか、水をこぼしまくったり、そもそもなんでねるねるねるねなんだよだったりで、かなりの馬鹿度を見せつけてくれます。クラスだと見せない顔を見ちゃったら、それも美少女なら、くらっとなっちゃうよなあ。という心持ちになるのは市川視点だからでしょうか。
 そういう訳で、市川と、市川の心の中にヤバイ存在感を出した山田さんは果たして今後どうなるのか。市川自身が好きって気づいちゃったけど、そうなっても積極的にいくのは市川じゃねえし、本当にどうなるやらです。私、気になります!
 という大天使チタンダエル台詞を持って、この項を閉じたいと思います。

 ネタバレ感想 小坂俊史 『新婚よそじのメシ事情』2巻

新婚よそじのメシ事情 2 (バンブー・コミックス)
新婚よそじのメシ事情【カラー増量版】 (2) (バンブーコミックス)
画像が紙。文章がKindle版。

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 大体の内容。「結婚での文化交流。それがメシ!」。という大上段を出しつつ、でも本当にそう言う部分って大きいんだなあ、という思いにとらわれるのが、『新婚よそじのメシ事情』なのです。
 1巻感想で2巻出るよな? 出るよなあ!? ってなってましたが、無事2巻刊行と相成りました。全読者を代表して、感謝の気持ちを述べておきたいと思います。ありがとうございます!
 という冗句はさておいて、今回も基本単なるメシ事情。だがしかし! まるで全然! この漫画に飽きるには程遠いんだよねえ! となるのは、ネタの引き出しの多さに起因するバリエーションの豊富さにあると思います。ネタにする為であるとはいえ、一食一食でそれが叶う物をきっちりと覚え、ネタにしていくというのは、まさしく小坂俊史先生の持ち味であります。それも、一人ではできなかった経験としての食事を、というのが分かる分、結婚に縁遠い生活をしている自分などには、そう言うのって、面白いんだなあ、というのを理解させるに十分なものがあります。結婚故の面倒というのも、きっちりあるのもいいですが、基本的に小坂先生がいい人なので、あんまり黒黒としたものにならないのもいいです。妻の王嶋環せんせが徹夜仕事を、というので先に寝たら、罪悪感みたいなのを覚えたりするとか、更にこっそり夜食で倍点! とか、後、出前を取るのが申し訳ない……、ってなるのとか、本当に小坂先生いい人なんだなあ、というのが感じられます。*1
 さておき、2巻でもそれ程特段に変化のある漫画ではありません。1巻収録範囲で焼きそばネタし過ぎたという反省があるのかどうかは知りませんが、そういう被り可能性のあるネタは今回殆どありません。結構色んな食べ物の話、という感じに仕上がっています。とはいえ、被りが無い訳でもない。それが回転寿司とちらし寿司。この辺、被りとも言えますが、別ジャンルの食べ物でもあるので、ノーカンとも言えます。まあ、どうでもいいですね! 単なる導入です!
 さておき。
 回転寿司回は、王嶋先生がしばらくの間、いいお寿司を食って漫画にするというジョブだったので、今更回転寿司戻ってこられないかも。ということの分水嶺として、回転寿司にやってきたという話。最終的に回転寿司は回転寿司でいい、という地点に着陸する、かに見えたのに、小坂先生と王嶋先生の回転寿司感の違いであんまり行かないかな、となって面白かったです。小坂先生の細かいポイント、海老を沢山頼み過ぎたのがバレるのが嫌、とか確かに感が違うな……。でした。王嶋先生も言ってますが、尻尾も食えやそんならあ!
 ちらし寿司回は、ひなまつりだ! ちらし寿司だ! というのに、え……? って小坂先生がなるという、食文化違いがしっかりと出た回。女系の、というか姉妹がいないとおざなりというか、しない文化になっちゃうよなあ、というのがよく分かったり。でも、小坂先生のお母さんは女系だったので、昔はしてたけど、その文化が消えちゃったんだなあ、と邂逅しつつ、特に手が出せないので酢飯を団扇でひたすら扇いで、の扇ぎ方が完全にちゃんと扇げてねえ! だったりなど、確かに文化が無いんだなあ、という感じでありました。
 さておき。
 お互いの食文化というのが絡み合う、というのはこの漫画の良さの一つですが、今回の巻もそれは色々。先述ちらし寿司回もそうですし、例えば王嶋先生の家で食べていたカレー焼きそば(素焼きの焼きそばにカレーを掛けるだけ)の話もそう。カレー焼きそば、本当に普通としか言えない味だった模様で、これを文化として残そう! と小坂先生がぶち上げるも、王嶋先生が、いや、別にいいんで。で片付いたりするのも面白かったです。特にまずくもしかし美味しくもない、というのは確かに残す意味あんまりないですしね。そういう部分で文化っていうのがなくなっていくんだなあ、という感慨なども感じてしまいました。
 最後に個人的に楽しかったというか、参考になったのは、王嶋先生が好きなメーカーのピーナッツバターを近所の店に定着させる為にヘビーユーザーになる、という話。気に入ったものは変えられない、良いモノ食べると戻れない、というのは成程で、しかしそれって郷里にはあるだろうか……。食ってみたい……。一つ500円くらい、と言うのを高いとするか安いとするか。美味いんだろうなあでも。という風に布教されてしましました。今度探してみます。
 ということで、今回も夫婦という最小単位での文化交流という見方も可能ながら、でも基本的に食うことって気取らないよね、というのがしっかり出た感じの2巻であったかと思います。ホテルピーナッツ。全部覚えたーッ!!(チャカ顔で)

*1:もちろん脚色もあるんでしょうが、それを感じさせないのがまたいい感じなのです。

 今月のまんがタイムきららチェックポイント(2019年6月号)

先に総評

 聞こえるだろう。足音が。きらら新生の足音が。というくらいに、現在のきらら誌は激動の時代です。きららミラク産の作品、鴻巣覚『がんくつ荘の不夜城さん』とはりかも『うらら迷路帖』の終了が来月に固まっており、ある意味で真にまんがタイムきららミラクが終わる時が来た格好です。つまり、一つの時代が明確に終わる。そういう手前まで到達しました。
 その一方で、きらら産漫画は色々と堅調。特にルッチーフ『奥さまは新妻ちゃん』が初の表紙&巻頭カラーを奪取。時代を感じさせる形になっています。その後がかきふらいけいおん! Shuffle』で更にその後が三上小又ゆゆ式』、というのでまだまだ新たな時代には遠いかもしれませんが、流れは来ているでしょう。
 後、新時代を感じたのは大熊らすこ『星屑テレパス』。ぼっち系女の子と宇宙人系女の子のきららチックコミックとなっております。これがかなり来そう、という予感がします。ある意味ではぼっち系は今のトレンド。そこに宇宙人を混ぜるという、それだけではないアプローチ。ある意味ミラク時代の後だからこそできる一作であると感じました。うん、来るよこれ。女の子可愛いし。
 とかなんとか書いて、総評とかえさせていただきます。

個別チェック三連弾

  • ルッチーフ『奥さまは新妻ちゃん』
    • 先月号から引き続きで妹ちゃん回ですが、とりあえず最後の新妻さんのおぱいのインパクトがデカすぎて大体頭の中から内容が飛んでます。それぐらいのボリューミーだったと思っていただきたい。しかし、新妻さんが人間関係を広げている、という点は妹ちゃんは評価しているのだろうか。人間不信だったのが、ここまでだからなあ。でもおぱいのインパクトで飛んだな、あれは。
  • 海老川ケイ『夢見るルネサンス
    • 登場人物にはメシウマかメシマズ属性、どちらかが搭載されていなければいけない。そういう不文律でもあんのかよ! と思ってしまう、鳥居さんメシマズ&リーシャさんメシウマ回でした。流石に料理に対する知識が無さすぎるタイプのメシマズはあわわ、あわわしていいですね? 流石に唐辛子くらいは知ってろ! ですし、ネットを使え! をリーシャさんがするという展開は良いものでした。
  • 阿部かなり『みゃーこせんせぇ』
    • ちょっとラジオ体操見守りすることになるみゃーこせんせぇ。しかし、そこにはフクさんが! ということで特にすったもんだはない回でしたが、細かいネタが沢山あって楽しい回でした。フクさんがすぐに暴言を吐いたり、しかしラジオ体操常連、小学校からずっとやってる、とか、子供たちのいいお姉さんだとか、とにかくフクさんの一面が見え過ぎて、はしばしからフクさん回だ、と主張している感じでした。キャラ押し出していくの、良いよー!

今月のワンワード

『がんくつ荘の不夜城さん』
なんてのはどうですかね

  • ということで実録漫画漫画だったんだよ! な、なんですって! という状態に着陸しました、『がんくつ荘の不夜城さん』。これで終わり、と思ったら来月号で完結ですよ! アイエッ!? ってくらいに最終回アトモスフィアでした。さて、最終回はどういうシメとなるのでしょうか。楽しみ、楽しみ。

ネタバレ感想 jin 『残念女幹部ブラックジェネラルさん』5巻

残念女幹部ブラックジェネラルさん 5 (ドラゴンコミックスエイジ し 4-1-5)
残念女幹部ブラックジェネラルさん(5) (ドラゴンコミックスエイジ)

 大体の内容。「息子が目の前で触手プレイとかトラウマやわ……」。ということで、今回は最強ヒーロー(人妻)とその息子の登場、からの酷い惨状ではありますが。それが『残念女幹部ブラックジェネラルさん』なのです。
 4巻でヒーローの杜撰さが浮き彫りになりましたが、今回はその部分を是正する為に、最強ヒーロー(人妻)、マザージャスティスが帰ってきます。4巻であれだけ凶悪なところを見せつけた3トップがその発言に全く異を唱えられない、やってたのがアレだったのも強いんだけど、というので、その格をしっかり見せつけてきます。この最強格が、地獄を見る、というのが今回の巻のハイライトです。
 地獄と言っても、身体能力的に最強ヒーローなので、そっち面ではないです。主に精神面です。マザージャスティスには息子、リヒト君がいるのですが、彼は色々あって怪人Xちゃん(博士が一から作った怪人。だけど生まれたばかりで知識がない)に惚れてしまうのです。
 という段階では、まだメンタルブレイクには至りません。まだ悲劇的な恋! ってだけです。問題は、そのXちゃんが、触手能力持ちで、その上本能なのか何なのか、とにかくエロ行為については自在にできる、という事で、リヒト君が触手プレイの憂き目にあってしまい、それをマザージャスティスは間近で目撃してしまったのです。実の息子が謎の怪人に触手プレイでレッツゴーされる。あなというあなを、とかですよ。悪夢というかおよそこれ以上の地獄があるのか、というものです。最強キャラをいきなりメンタルブレイクするという、この漫画のぶっちぎり具合は流石の一言です。4巻がいまいち、と思ってた分を取り返すというか地に落とすというか、とにかく凄い。←言い訳出来なくなってきて語彙が
 さておき。
 この漫画はブラジェネさんとブレイブマンの、ブレイブマンとしては業腹ではあるにしても、関係性を描く漫画です。ですが、そっち方面はもう完全に、なびく訳ねえだろ! という状況に陥っています。今回、とうとうブレイブマンはブラジェネさんを放置で帰るまでやってしまい、そこで街の脅威にならないと見切られてしまっていることが明るみになりました。実際、ブレイブマンが帰った後は去られたオチで特に何もしなかったぽいので、その見切りは正しいと言えるでしょう。
 なもんで、ブラジェネさんは攻めの方向を変え始めます。先述のリヒト君とXちゃんの恋路が成立すれば、ヒーローとヴィランの恋愛も可能な! ということで成立させようと画策しますが、ブラジェネさんなので画策というより付き合ったらええやん! みたいなダイレクトアタックだったり、先述の通りXちゃんがリヒト君を襲うので思考停止してやってもええやん! みたいになってしまって、そっちの方はブラジェネさんだから……。という地点に落ち着いてしまいます。
 その後、普段着で攻めたらいいんじゃね? という新たな絡め手を行いますが、普段着とかそういうのじゃなくその思考をどうにかしないとどうにもならない、というのが解になる展開に。そこは、読心術をもつ人が2人の心の声を聞いて、これはあかん……。ってなるのも含めてナイスな回でした。どう考えてもブラジェネさんの思考がヤバ過ぎてああ、やっぱり……。ってなるんですよ。初手思考がS〇X!! で公園に侵入してますからね。折角の普段着作戦が開幕から崩壊しそうな思考してんじゃねえよ! 段階を踏め段階を! そういう話で普段着なんだろうが! その後のオチも含めて抱腹絶倒な回でありました。こういうのでいいんだ、こういうので。
 とかなんとかつらつらしましたが、やっぱりこの漫画ギャグ展開してなんぼだよな、というのが皆のコンセンサスになったというか、この設定で無理をしたらあかん。というのがギャグ展開で安定するのを見て教訓的に感じられる。そんな5巻でありました。

 感想 ビリー 『シネマこんぷれっくす!』3巻

シネマこんぷれっくす! 3 (ドラゴンコミックスエイジ ひ 4-1-3)
シネマこんぷれっくす!(3) (ドラゴンコミックスエイジ)

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 大体の内容「もう時間の問題ですよね」。いつも通りに映画について無駄語りが横行する中、着実にガクトに恋している小津さんが無性に可愛い感じが素晴らしい、という中に映画馬鹿ズ、特に黒澤さん絡みで生徒会長風花咲さんが(物理的な意味で)ガクトに接近! という状況で、小津さんの明日はどっちだ。となるのが『シネマこんぷれっくす!』3巻なのです。
 2巻カレー屋回で鳴り物入りで出てきた風花咲さん、鳴り物入り過ぎて実は2巻末のその回のすぐ後の話は全く出ずという驚異のキングクリムゾンエピタフだったんですがそれはさておき、この巻最初からブイブイ言わせてきますが、その正体が893の娘、というのはまだしも、映画の趣味が完全に黒澤さんと軌を一にする、なので同族嫌悪的にライバル関係! というのをきっちり見せつけてきます。
 というか本当にカレー屋の後どうなってたんだよ! 案件ですが、それはさておき同族嫌悪なので、マジで映画の趣味が似通っており、ツボも似通っている。なので衝突すると俺とお前でW黒澤だ。になってしまい、ほぼ同時期に映画が公開されたロック様のそれを称揚しあうという、ある意味黒澤さんが2人いないとできないネタをきっちりとしてくる為の配材と言えるのですが、それでライバル同士として張り合えるって素敵やん・・・。という目線も立ち上がってきます。黒澤さんはオーバースペックなので、それに張り合えるというだけでこの漫画で大変ありがたい存在でもあるのですが、それ以上にライバル関係というのを即時に百合・・・。としてしまう脳のせいで、プロレス回とかキマシ立ちまくりでした。ちょっとしたところでキュンキュンしちゃいます。それ以外でも、この巻でやたら顕著になった黒澤さんのバイトがどうも風花咲さんの家(婉曲表現)関連っぽいのとか、そのバイト中に大体居るとか、外堀を埋めてくる感じ、嫌いじゃないわ!
 さておき。
 風花咲さん、可愛いですヨネ。黒澤さんが諸々の動きがおっさん臭いという、女子にあるまじき案件なのに対し、風花咲さんは動きに気品というか、女性らしさのある所作をしています。対象が黒澤さんなので余計に贔屓目になるのですが、それでも当たりの良さは段違い。でも精神性は似通っており、3巻最初の話ではガクトが任侠映画見てない!? 北野映画も!? というので上品な暴力をふるったりする辺りは同じタイプのスタンドといって差し支えなく、映画語りでマウントする様も本当に生き写しレベルで、『仁義なき戦い』を語る姿勢、ネタをかっちり入れ込んでくる姿勢に至っては精神的ドッペルゲンガーか!? なので、そりゃこいつら仲悪いわ。と素直に思わされます。しかし、このW風花咲システムで、この漫画の語り方は更にワンランク上がった感じです。同じレベルの相手だから出来る話の詰め方というか。出るようになったら結構ひんぱんに出てくるのも相まって、この漫画で語りやすいテンプレートになりそうだな・・・などとおもってみたりします。
 さておき。
 この巻での小津さんのもうちょっとで恋心に気づく、という手前で『銀河英雄伝説』用語で言うとアルテミスの首飾りしているとこも良いですね。可愛い。ちょっとしたことでガクト意識しまくっていて可愛い。でも小津さんはかなり不憫ではないかと思います。というのも、この漫画で突っ込み役は基本ガクトですが、小津さんがいるとそのガクトがボケの方に、映画語りの方にシフトしてしまって、先輩たちとボケ出すので、そこまで映画分からない小津さんがそれでも突っ込み役に回らざるを得ないという、雇用のミスマッチが起きているのです。全体的にガクトがいないと、俺孤立無援じゃねえか! という感じになっているのが不憫です。ガクトが映画馬鹿だから話を振ったら予想外のところで、お祭り回での『ウォーキング・デッド』から『処刑人』への流れみたいに、映画話に突撃してしまうのもこいつ! ガクトこいつ! 感満載です。その上で、風花咲さんがガクトに特に気はないけど行きがかり上接近する形になっており、それが禍根を残さないか心配です。小津さん自体、好きという気持ちに気づいてないけどもう好きだろ、という段階なだけに、デリケートなお年頃だ! な訳で、本当にどうなってしまうのか。というかプロレス回で既に片鱗が出てますが! 結構Sっ気があるのかもな、小津さん・・・。
 さておき。
 好きな回の話でもして矛を収めますが、海回が好きです。なんのてらいもなく海水浴場でサメ遊びをしている宮川さんが。というか三巨頭の2人はバイトしているのに何であなたは自由なんですか。その回後半はサメ映画についてひとくさりしてて、ここでも己の好みの圧をかけて楽しそうに語っていて、流石宮川さん面倒くせえ・・・。ってなりました。それでもガクトの友が宮川さん・・・。ってなってたので、何が奏功するか分からねえにも程があるだろ! というツッコミをしつつ、この感想を終えたいと思います。いやマジなんであそこでトゥンクする!?
 とかなんとか。

 ネタバレ感想 山東ユカ 『博多女子は鬼神のごとく気が強か!?』1巻

博多女子は鬼神のごとく気が強か! ? 1 (バンブーコミックス)
博多女子は鬼神のごとく気が強か!? (1) (バンブーコミックス)

 大体の内容「気が強くても通じないと意味がないという」。博多の大学に進学した青梅さん。そこで高身長でかっこいい雰囲気の松岡さんと出会います。ちょっと気になる、と話しかけると、気が強! という流れから、何故かずるずると強度研究会(他の学生からは狂犬会と呼ばれている)に加入することに!? そこから始まるラブ、そんなものはない。それが『博多女子は鬼神のごとく気が強か!?』なのです。
 この漫画は気が強か案件で進むものだといつから錯覚していた? というくらいに、気が強か現象は序盤で出し切っている感じです。じゃあ何の漫画なんだよ、というと、郷土研究の名を借りた北九州名跡&食い物話になります。そして基本として、上京系の漫画と軌を一にする、けどこっちは地方の話、というのが目を引くところです。逆お上りさんという謎の言葉が出るくらい、青梅さんはハカタのことを知らないでいて、だからやることなすこと新鮮、というのが一つ軸と言えるでしょうか。そこに、青梅さんの金銭感覚の緩さと食レポの惨憺たるさが加わり、他の地方ネタ系のそれとは一線を画す形になっています。ご当地物が増えた昨今において、その一線の画し方は大変興味深いものがあります。ある意味では青梅さんをめでる漫画なのかもしれない、まであります。それくらい、金銭感覚が絶妙に緩く、食レポは酷いのです。食レポの方は、初めて食べるよ系によく付随する美味い美味いというのが全然違いつつも、絶妙に稚拙な表現をされるので、これ逆にひぼーちゅうしょーになるのでは? というレベルに至っています。上手い食レポでなければならない、とは言わないんですが、それでもあれはちょっと、そこそこ、だいぶ、かなり、相当酷いのである意味ではこの漫画の名物になってしまっています。言わせるとまずい名物ってのもなんだかなんですが。
 さておき。
 基本的に青梅さん主体でことが進むので、ハカタ知らずな私にも分かりやすい強度で郷土紹介されております。そこがいいんだ……。ジモッティー(きらら古語)ではそうそう郷土の目立つ場所いかんよね……。というのがそこここで出て、これもまた地域ギャップ! となりますが、それでもなんのかんの行ったりするのがいいです。なんのかんの、と言うのが特に。太宰府天満宮回は青梅さんが行きたい理由が強固だったので、断れん! ってなってる展開が良かったです。これで単に見たい、だったら却下だったというのも含めて。青梅さんという濃厚な潤滑油!
 しかし、青梅さんは時にガキガキの異物にもなります。特に食に関して貪欲です。それでいて食レポが100点満点中マイナス100点という体たらくで、なので食べ物が絡めば確実に取れ高を出す、というある意味スーパーマンになっています。そこがいいんだ……。その内ひゃっはあ! 青梅さんの食レポだあ! って体になるのですよ。
 よく分からない発言はさておき。
 地域物としてこの漫画を見れば、地元という強みがしっかり効いている印象です。瀬戸口みづき『ローカル女子の遠吠え』の濃厚さとはまた違う濃淡のある、とでもいいましょうか。あっちはわりと礼賛なとこが多い、特に富士山関連、ですが、こっちはより異文化交流の趣きが強いです。青梅さんがかなりぽ系なので、異文化でもするっと懐に入っちゃう、スルー力があるからこそ出来る異文化交流という趣きです。ロー女はその辺が干渉しあう感じなので、それとは違う道筋、素敵やん。などと思うのでした。
 キャラ? そうねえ。某文アルとかにハマって文豪旧跡を回っている感がある花水木さんが良かったです。あんまりがつりとオタキャラしていないのがいいです。更にそれでいて即売会とかにもサークル参加しているっぺれえのも。裏が893案件ありそうな大博先輩とか、皆色々あるけど、そこを無駄に押し出してこない手つき、というのが見事と言えると思います。今会っている場で出す顔以上に踏み込まないというか。青梅さんが花水木さんのお手伝い(婉曲表現)してたのも、使うネタ以外では特に言及してないのとか、ほんと見事。そこいじりたくなるのを、止めているんだろうなあ、と邪推しつつ、この感想を終えたいと思います。