感想 成田良悟『がるぐる!』(ISBN:4840234310)

ヤスダスズヒト電撃文庫:441p:670円>

内容を要約すると「終結に集結」
 駄洒落かよ。
 しかし、これで真実を含んでいるのが厄介です。
 さておき。
 越佐人工島シリーズもとうとう最後。さて、<上>で煽るだけ煽っておいた引きはどうなったか。と、私の関心はオーバーヒート寸前でしたが、これがあっさりといなされます。あの状況をいなすセンスに脱帽したらいいんでしょうか、それとも煽るだけ煽ってそれは!と怒ればいいんでしょうか。まあ、狗木の話が「ああ、成田良悟だなぁ」という雰囲気だったので良しとします。
 その後<上>あとがきで「活躍するかも」言っていたリーレイが登場。公言通りに終盤で東の護衛団相手に活躍してくれますが、この後の展開がごちゃごちゃごちゃしてしまったので、ちょっと物足りず。もう少し見たかったというのが本音です。
 そして、中盤の一山(キス。誰と誰かは、まあ、見てのお楽しみ)を越えた後の終盤の展開は、「もう、こーなったら、こーなっただ!」というすがすがしいまでの逆ギレ感とテンポでバガーッと読ませてもらえてありがとうございます。文章がおかしいのはいつもの事なので、ほっといてください。
 金島銀河登場のタイミングはかなりびびりましたよ。のー伏線が過ぎるという気もしましたが、後のフォローで私は「それでもいいや」と開き直りました。その後の「バネ足ジョップリン」の話「バネ足(電波)ジャック」もなかなかお見事でした。ちょっと鳥肌が立ちましたよ。*1
 でも一点、爆弾の操作の仕方が危なっかしいと言うか、それじゃあ、ちょっとの動きも出来ないんじゃないですか、とは思いました。止めっぱなしが一番難しいと思うんですけれど、どうでしょうか。
 あげつらいはさておき。
 怒涛すぎていろいろ流れきった感のある終盤を越えてのエピローグは、特にビデオレターの話が「ああ、成田良悟だなぁ」という感じで大変よろしいです。ちょっと前に再放送していた「アンフェア」というTVドラマの最後で同じ様なネタをしていたんですが、それが私にはどうしても「あかん!それはあかんで!」という気分になったもので、だからこそあの内容は「ああ、成田良悟だな」とすとんと落ちてきました。ありがとうございます。
 終わり所が見えなくなってきたので、なんとなくでまとめますが、<上>の終わりでいろいろ仕込んでいたネタの半分位できなかったのは残念でしたね。もうちょっと出来たら良かったのでしょう。まああれが本当になったら、丁度いい具合に補完されて楽しくなるだろうなぁ。
 というわけで、あとがきで言ってたような事、がんばってくらはいと激励して気力を10上げて終わりといたします。

*1:しかし、バネ足ジョップリンがまさか、ひ○ま○じ○ん○ま○じ○んだとはなぁ