『まんがタイムきららミラク』2013年月8号 感想

今号の巻頭漫画感想

タチ『桜Trick

 美月元会長の生徒会送別会の席で起きる、一つの重大事件! という事で、美月さんがとうとうというかいきなりというか、とにかく春香さんに告白しちゃいました。優さんと春香さんの仲が、言葉として確立している状況ではない隙を突いての蛮行です。告白して以下次号! になってしまったのでやきもきさせられます。どうなっちゃうのよー! アニメ化という一大事を前にしても、切るカードをしっかり切ってきたな、という見方も可能ですが、これ、春香さんどう答えたらいいのだろうか。優さんが好きだ、と言えるのか。あるいは、キスならあたしだって出来る! って美月さんがキスを仕掛ける展開とかもあるんだろうか。何そのふつくしい……修羅場。最高、三人でキス乱交とかすらありえる訳で、果たしてそうなったらミラク誌にちゃんと載れるんだろうかとすら思えてきました。杞憂!
 基本コメディ部分はそんなにはじけたりしてない、結構なオーソドックスさ加減な漫画ですが、そういう、キスの方向性はやっぱりドギマギしてしまいます。今回は特に読者側から見える場所ではしてなかったんですが、それでも常態として隙在らばキスしてるというのがあるので、やはり油断は出来ません。というか、そういうのを読者がこっちで妄想する段にすらなっているんだから、連載の進展と共に読者も鍛えられてきた感があります。その一点突破力、嫌いじゃないぜ。と言うか好き。

個別チェック三連撃

庄司二号『TEI OH-!』

 突如現れたマッドサイエンティスト(発明部)! 帝王部に喧嘩を売ってきた! という、良く考えると久しぶりのような展開に。というか、この学校の上層部の生徒はまともなのいないのか、という思いに駆られるくらい、マッドの人は頭おかしい感じでした。帝王部の面々と相対しても一向にそのおかしさが減じない段階で相当のアレです。くるくるぱーです。でも、ロボは作れる力はあるので大変困ったくるくるぱーです。そして、生徒会を潰す! とか言い出すので更にくるくるぱーです。潰すとかそういうのじゃないだろ、生徒会って。それに乗っ取るとかじゃなく、物理的に潰すってどうなってんだ。くるくるぱーか。あ、そうか、くるくるぱーだった。という訳で頭痛い人がまた増えて、そこに生徒会長がヒーローのように(紗絵さん視点)でやってきて、三つ巴戦になりそうな雰囲気で次回! となりました。明確に続いたのって初めてだから、次はどう落ちるのか見物ですね?

あfろ『シロクマと不明局』

 そして10年後……、と思ったか? 甘ェ! という事でチエコさんが就職先として不明局に行く回となりました。題で全く意味不明の単語だった“不明局”とは、所在不明の人への手紙を届ける仕事でありました。今後どのように仕事していくのかは良く分かりませんが、色んな人に出会う形になるのは間違いが無く、あfろせんせの持つ素っ頓狂さが色んな人々の形で絢爛するのもまた間違いが無く、大変楽しみであります。
 その前段階としての不明局の人々もちょっと曲者。局長は普通にリーゼントアフロで怪しめ。トキコさんは我が強そうで眉毛も強そう。今回は妙な夢(ポイントカードが満タンなのに期限切れ!)見てたヒグチさんとか居る上で、更にこの辺の人とも丁々発止しないといけないチエコさんの明日はどっちだろう?

七葉なば『となりの魔法少女

 今回は三人娘で怪談のある坂に行って、怪談の真実を詳らかに! という内容。久しぶりに基本三人だけでちょっと可笑しく、ちょっといい話になったなあ、という印象です。最近、ちょっとハードな部分が多かったから、こういう閑話は大事に楽しみました。怪談の真実は本当に大した事ではなかったんですが、それだからこその地味な拡散力があって、最終的に三人娘もその怪談の内容に絡んでしまったり。その辺もいいオチ具合でありました。
 しかし、試練を何度か潜り抜けただけあって、三人娘の関係は大変良好でよろしいですな。百合のようなアトモスフィアではなく、ユウジョウ!(イカちゃん声で)なのですが、そこがいいんだ……。と好きな女性を実はdisられてるのに全く気付かないキッド・ホーラっ面になるくらいには、この三人の仲の良さが素晴らしいと思うんですよ。だからこそ出来る脅かしもまた、いい。そういうのが出来る仲っていいですよね。

今号の巻末漫画感想

阿部かなり『飛ぶことを許された迷路』

 夜が、真っ暗な夜が来るよ! という前回の引きで、すわ、シリアスか!? 一体どうなる!? と瞠目して見た結果がカラスの超大群だよ! というオチ方でですよねー! とこの漫画の基本のゆるさ、世界人口が二桁なのに危機感ゼロというか危機を覚える理由が無い感じが如実に出た格好です。しかも、闇に浚われた、というのが大群に飲まれてしまって、というだけだったり、その飲まれた人は生きていて人間の土地に戻るの面倒になってるだけだったりと、ああそうか、この漫画はゆるゆるとした空気が基本なんだった、と理解を深くするばかりでありました。
 最終回という段になっても、結局人類の衰退の理由は不明だし、カラスが知能をつけて干物作りまでしているという無茶さに対する回答もなく、ええー、と思わないでもないのですが、それはそれでこの漫画のゆるさ、危機感の無さがいい塩梅に決まったとも言えて、こういうのもありっちゃありか、と思ったりも。正直に申しますと、どう漫画を駆動するつもりなのか見えなかったので今一乗れなかった連載でしたが、ミラクの幅としては十分な仕事をしていたとも思うので、単行本も出ないで終了は切ないものもあったりもします。色々あったけどとりあえず、お疲れ様でした。

一応の総評

 連載陣の全体のバランスが保たれた、いつもの面子に『リリィ』と『となりの魔法少女』がある状態の中で、今回は最終回が二作ある、というのがトピック。前号でそれが予告されていた『飛ぶことを許された迷路』と、全くのノー予告で終わった『ラブリストリズナー』の二本がそれです。どちらも単行本が出る事無く、なのはまだいいんですが、後者の『ラブリストリズナー』は連載昇格から半年も経たないでの終了という唐突さと、次回作が既に連載決まっているという処遇で、このままこの漫画続けるのは無理だ! という思惑があったのかと邪推出来ます。作のノリがあんまり連載向きではなく、一発勝負なとこあったし、その辺はしょうがないのかなあ、とか思ってみたりも。設定ゆるゆるな雰囲気だったしなあ。
 さておき、『城下町のダンデライオン』と『きしとおひめさま』がいないことで生まれた穴を埋めるゲストの話でもすると、大体がもうちょっとかなー、という感想を持った中で、『ラスボス兄貴』は個人的には結構いいなあ、と思ったりも。ただ、兄貴と妹の話に全然ならずに外堀を埋めてきたのには驚きました。それじゃあ、題の意味が薄れるじゃない! でも、したい事は兄貴と妹を中心軸にした話なのだろうなあ、というのは理解できたりもします。でも、連載始まってからでも、というのはやっぱり甘い考えなんでしょうかね。出来る事を見せ付けるんだ! という意志にも感じましたし。これで、連載の切符掴めたらなあ。ちょっとミラク誌とは路線違う雰囲気だけど、出来るかなあ。

今回の掲載順変動

 掲載順がどう変動したのかのメモを残しておきたいと思います。作品の並び順は便宜上、第一回を基礎にしています。

作品名 10月号 11月号 12月号 1月号 2月号 3月号 4月号 5月号 6月号 7月号 8月号 今月号 位置±
リリィ - 7 - 1 - - 7 - 7 - - 8 -1
桜Trick 4 6 7 6 8 5 1 3 9 1 1 1 ±0
夜森の国のソラニ 1 3 4 3 2 1 2 2 1 4 6 5 +1
Good night! Angel 2 2 1 2 3 2 4 5 4 2 5 2 +3
きしとおひめさま 16 - - 7 11 - 9 - 16 - 2 - -
スイート マジック シンドローム 15 4 5 5 - 10 6 4 3 3 3 7 -4
となりの魔法少女 - 16 - 12 - 15 - 11 - 7 - 13 -6
くじらジュブナイル 14 14 10 8 4 6 15 12 14 14 15 15 ±0
幸腹グラフィティ 9 5 3 4 1 4 5 7 2 10 4 9 -5
TEI OHー! 12 18 12 14 13 7 10 6 8 8 11 3 +8
城下町のダンデライオン 6 8 2 9 5 3 3 1 5 5 8 - -
寄り道ファミリ 7 11 6 10 - 8 17 8 10 11 - 4 +7
飛ぶことを許された迷路 11 13 9 13 7 11 16 9 6 6 18 19 -1
ラブリストリズナ - - - - - - 8 16 13 9 16 11 +5
シロクマと不明局 - - - - - - - - - - 7 6 +1

ゲスト枠

作品名 10月号 11月号 12月号 1月号 2月号 3月号 4月号 5月号 6月号 7月号 8月号 今月号 位置±
らくれすがーる。 - - - - - - - 10 15 15 - - -
ラスボス兄貴! - - - - - - - - - 13 12 14 -2
こばとスマイル - - - - - - - - - 16 - 17 -1
Lスイッチ - - - - - - - - - 17 14 - -
ジンジャーにゃん - - - - - - - - - - 9 10 -1
ゆき×はる - - - - - - - - - - 10 12 -2
まひるのひつじ - - - - - - - - - - 17 - -
ブラックスターガール - - - - - - - - - - - 16
流星ガールフレンド - - - - - - - - - - - 18

終了枠

  • vol'5
    • 『前から2両目』『にじげんめのうた』『ルンルルコミュニケーション』『るーてぃんルーティン』『びぎなーず9』(全てvol'1から)
  • 2012年4月号
    • 『虹色教室』(2012年3月号からのゲスト)
  • 2012年5月号
    • 『そこにいず』(2012年3月号からのゲスト)
  • 2012年6月号
    • 『アイコト』(2012年4月号からのゲスト)『彼女は彼女だけど彼女じゃない』(2012年3月号からのゲスト)『けーたいろいど☆コミュニケーション』(2012年6月号ゲスト)
  • 2012年7月号
    • 『みかりんバイトデイズ』(2012年7月号ゲスト)
  • 2012年8月号
    • 『なりきりイミテーション』(2012年5月号からのゲスト)『8'sエレジー』(2012年6月号からのゲスト)
  • 2012年9月号
    • 『おきまりラブ』(vol'1から)『プリ魔ドンナ』(2012年7月号からのゲスト)『らくキャス♪』『ナニソレコワイ』(2012年9月号ゲスト)
  • 2012年10月号
    • 『もも色honey』(2012年6、8、10月号ゲスト)『エスパー女子高生さえか!』(2012年10月号ゲスト)
  • 2012年11月号
    • 『福33三色バンチ』(vol'1から)『アンノウン×アンティーク』(2012年9月号からのゲスト)『塩味Life!』(2012年11月号ゲスト)
  • 2013年2月号
    • 『Seed』(vol'1から)『青空』(2013年2月号ゲスト)『ゆめおいドミトリー』(2012年9月、2013年1、2月号ゲスト)
  • 2013年3月号
    • 『柳暗花明』(2012年12月号、2013年2、3月号ゲスト)『Eイズム』『メイドなボクとお嬢様的あるじ』(2013年1〜3月ゲスト)
  • 2013年4月号
    • 『わたしと姉は正反対』(2012年7月号から)『夢色シンパシー』(2013年2〜4月号ゲスト)
  • 2013年5月号
    • 『おゆうぎ小町』(2013年3〜5月号ゲスト)
  • 2013年6月号
    • 『暖色タイム』(2013年4〜6月号ゲスト)『おふとんランデブー』(2013年2、5、6月号ゲスト)
  • 2013年7月号
    • 『月曜日の空飛ぶオレンジ。』(vol'1から)
  • 2013年8月号
    • 『Lisa Step!』(vol'1から)

中断枠

  • 2012年10月号
    • 『メラン・コリー』(vol'1から)
  • 2012年12月号
    • 『純粋欲求系リビドル』(vol'1から)

不明枠

  • vol'4
    • 『tune!』(vol'3から中断)