今回のまんがタイムきららキャラット三作取り上げ(2013年9月号)

承前

 まんがタイムきららキャラットから三作を取り上げて、それぞれについて感想を書くという試みです。たまに数が増えたり減ったりする予定ですが、まあそれはそれという事で。
 選ぶのはある程度の方針として、前、中、後と衛の定点観測としたい所ですが、それでもほぼ自分の趣味が全開になってしまうでしょう。これ、と言う作品のが最終的に出来る場合も考えられますが、それならそれでいいかなあ、程度のゆるい縛りで行こうかと思います。
 それではいってみましょう。

カヅホ『キルミーベイベー

 ひょんな事から偶然、謎の吹き矢を手に入れたやすな。何があるかもいつも通り考えず、ソーニャちゃんに吹いてみたりする中、ソーニャちゃんの計略で上に吹いたら当然落ちてきて頭に! これ毒とかないよね!? ってなった途端に登場するあぎりさんに、単なる笑い毒ですよ。死ぬまで笑い続けますけど。(意訳) と知らされ、解毒剤! となりますが、いつものようにあぎりさんが迷彩かけまくって一々七面倒臭い展開に。そして最終的になんとかなって良かった良かった、と思っているのか? という顔で締めくくられる訳ですが、こういう展開になるとカヅホせんせが他の作品のアンソロでやる暴虐のかほりが俄かに香ってきますね。
 しかし、あぎりさんは自分の不注意でやすな&ソーニャちゃん(やすなのせいで毒食らってた)がエライ目に遭ったというのに、皆あぎりさんを責めたりしないのは、やはり人徳の差か。やすなとあぎりさんの。あるいは、あぎりさんを怒らせたら解毒剤が、という思考もあったのかもしれませんけどね。でも、やっぱりやすなが酷いという風に見える辺り、この漫画もぶれないなあ、と思わざるを得ませんでした。

永深ゆう『だいたいこんなンで?』

 新連載勝ち取りましたか! 永深ゆう様の完全復活美! という喜びと、でもやっぱりキャリアがないと中々連載になれないんだなあ、というのが複合して変な気持ちでしたが、穂紀さんの殺意の波動に目覚めた視線がゾクゾク美! したので全てが許せる。それで満足するしか、ないじゃないか……。←妙な上から目線
 内容面はこれからどうなるのか、良くある女の子なんとなく部活系として異色が出せるのかに掛かっていますが、出来る事の幅が広い分、なんとかなる面はあるのかなあ、とか。逆に絞れずに混乱する可能性もありますが。その辺がなんとなく部活系の問題点だよなー。と問題提起してみます。

かにかま『それでも私は耕したい。』

 こちらも女の子なんとなく部活系ですが、姫子さん以外が全くやる気を見せないので、姫子さんが「お前達がやる気を見せなければ、俺はこの学校を破壊し尽すだけだぁ!」とか言い出してしまうんじゃないかと言うくらい、部活に向かっていきません。その中で気を吐く姫子さんも、植物が生育するのが好きだけど収穫? なんで命を刈り取るの? みたいなアトモスフィアなので、よくよく考えるとまともに園芸部として活動できないんじゃないのか、と思わざるを得ません。実際、姫子さんがとうもろこしの身を削ぐのすら涙が出る、ってヤバイ級なので、まともに園芸するより、鑑賞重視にした方がいいんじゃないのかこの子。と思わざるを得ません。得ませんったら。個人的にはかなり楽しいんですが、このノリを今後も続けていくのはきついというか、ゲストだから出来ている感もあるので、どうなるやら。これはこれで滋味なんだけどなあ。