感想 増田英二 『実は私は』15巻


増田英二 実は私は(15)
(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)

 大体の内容「堂々開幕、紫々戸獅穂編!」。というのがこの巻の前半にありまして、そこから後半はバカ話を挟みつつ、白神さんの吸血鬼としての覚醒が近くなってくる、と言う話をぶっこまれるのが、『実は私は』15巻の内容であります。
 前半にある紫々戸獅穂編は、黒峰に告白する! という部分の良さも、そういうことをすると白神さんに言って、でもいいよって言われたり、きっちりとふる黒峰の、でもちゃんとフォローを入れようとする姿とか、いいんですが、一番いいのは、今まで獅穂さんが狼男であるがゆえにいきなり姿が変わって気持ち悪がられる、というのを今の友達はしなかった、という場面でしょう。なんかこういう話はオーソドックスですが、その前に渚さんとみかんさんの実は私はの部分を同時に知って大混乱! というドタバタを絡めてから最後にさらっと済ませる辺りが流石のやり口です。普段バカしている分、そういうのをされるとギャップ萌えしてしまう訳ですよ。ツンツンデレツンデレツンツン! という訳ではないですけども、バカ話されて緩んだ心にすっと触られて、心地いいというのでしょうか。そういうのがこの漫画の良さですよ。
 さておき。
 14巻(感想)において、嶋と結婚することになってしまう! 未来を変えよう! と高らかに宣言したのは記憶に新しい所ですが、その部分の展開も、今回きっちりと存在していました。それもかなり無茶苦茶な展開として。というのも、嶋のやつが、黒峰に振られた獅穂さんに対して、「痴女なんかに落とされないぜ」(意訳)と言ってしまったのです。それで火が点く獅穂さんの痴女魂! ということで、実際に未来のこととして語られた獅穂さんと嶋のカップリングが成立する可能性が出てきてしまいました。普通ならそれはそれでいいという話になるんですが、ここで一つ問題なのは、そのままの状況が推移すると、痴女が世界を支配すると言う良いんだか悪いんだかいまいち判然としないけどとにかくなんかおかしい世界になってしまうことです。未来の獅穂さんが、その伝説の痴女になってしまうのでは? というのと、嶋と結婚することになる、というのがセット扱いなんですヨネ。ここがどうなるかと思ってたんですが、このままだとくっついてしまって本当に痴女が世界を支配していまいかねないんですよ。獅穂さんが嶋を落とす為に痴女力を上げようとして、伝説に行きついてしまうのではないか。そうなっては未来は、未来は、……いや本当にいいのか悪いのか。ここが訳分からんからこの漫画いいよなあ。
 さておき。
 この巻の後半は、凄惨な小話を挟みつつ、夏休み! 海! かーらーのー、ということでとうとう白神さんの吸血衝動がとうとう出てくるという話になっていきます。茜さんのぶっちゃけトークで、つまりエロいことだと言われて当然噴きだしましたが、しかし、そうなると力の抑えが利かなくなる、というのもおとんの実例を挙げられます。白神さんがどういう風に力を発散していくのかはまだ不透明ですが、これはかなり難度が高くなってきているお付き合いであるなあ、とか。でもぶっちゃけエロいことした訳で、今更変更が出来ることでもない気もしますが。さて、その辺どうなるか。
 とかなんとか。