漫画を選ぶにはどうしたらいいのか。という、お話。壱

初めに

漫画を選び、買う。そこに特段に難しいことは眠っていない。
というのは漫画を選ぶレベルが上がった人だからこそ言える言葉です。漫画購入をするというスキルが全くない、あるいは未知の漫画を切り開くことにおいて完全な未経験の人にとって、漫画選びは悪鬼羅刹が跳梁跋扈した魑魅魍魎の巷。もっと簡単に言うと漫画多すぎてどれを買っていいか分からない。となるでしょう。今回は、そんな異世界スキル感すらある、漫画購入という動作について、それなりに出来る者、漫画買いの視点から、思うことをつらつらとタイプ綴りたいと思います。大げさな始まりのわりには簡単なオチになりそうですがね!
それではいってみましょう。

まずは、何を買うか

何を買うか、というのはわりと初っ端のことであります。なにせまず買おうとしないと、買うものは出来ません。ある意味当たり前過ぎて何故そう言うのか分からないかと思われるでしょうが、これが中々、年輪を経た漫画買いではねじくれてくるところなのです。それについては後述するかもですが、それはともかくまず何を買うか、です。これは漫画買い初心者の方なら、むしろ簡単な部分かと思います。それは当然、この問いに対する決意が既にあるだろうからです。もう狙いの漫画がある。それを買おう。という自然の流れに沿っているはずですから。
まず、これは漫画買いの初手です。これは色々なことで気になった、店に置いてあった雑誌で見たとか、友人との話題で出たとか、とにかくその内の特にメジャーな漫画を買う。
これです。漫画買い初心者の方はそうされるのが宜しい。とりあえず『ONE PIECE』とか『進撃の巨人』とかドメジャーなの。あるいはアニメ化作品とか、とにかく普遍的に話題になって知っているから買う、で十分なのですし、大体はその流れゆえに買う方向性で動いているはずです。そうでなく、漫然と買う、という状態になっては、いないはずです。むしろ漫然と買うのは危険すぎる行為なので、全くお薦めできないとまで書いておきましょう。
さておき。
ドメジャーを買うべき、ということについては、名高い以外に入手しやすさも関連してくるのですが、これもまた後述します。初手はまず、漫画を買うリズムを体に覚えこませる為にもこの名前の知られた漫画を買う、というド基礎はきっちりとこなしたいところです。まずはドメジャーから、漫画を買うという行為を覚えましょう。
ですが、それじゃあ満足できねえぜ! って鬼柳京介顔になり始めたらどうするか。そこから、漫画買いになる為の道筋が始まるのです。

ひとまず情報収集と自己分析

漫画を、それも自分好みの漫画を買いたい、という欲求から、人は漫画買いになります(断言)。これはある意味沼思考なんですが、それはさておき、自分好みの漫画が買いたい、と思うならまずするべきは情報収集と自己分析です。一つずつ見ていきましょう。
情報収集はわりとすぐに得心して頂けると思いますが、自分好みのいい漫画に巡り会う為には、情報収集という行為は必須級のものです。世間的に流行している漫画を追いかける場合なら、わりと簡単なこの行為も、自分好みなマイナーな漫画の場合は情報収集部分の強度がそのままいい漫画購入率に影響する為、情報筋の練度を上げる、という施行が必要になります。
自己分析については、自分がどういう漫画が好きなのかというのを予め掘っておくことが重要だ、ということです。、こういうキャラとこういうキャラがこういう関係性で! あとそれからカタストロフな! とかいう複雑なところまでいくのは初手からは難しいので、単純に漫画のタイプ、アクションからラブコメ、ファンタジーからSF、コミカルからシリアス、などの好きな漫画のタイプや好きなキャラクター造形などから攻めるのが常道と言えるでしょう。
ここが分かっていると情報収集の精度も上げやすいのですが、これはある程度漫画を読んでいないといけない部分でもあります。初手からいきなり、というのは難しいかもしれません。しかし、この部分、情報収集と自己分析、の問題を解消する案があります。
言うと単純ですが、漫画雑誌を買ってみる、という行為です。

漫画雑誌を買う利点

漫画雑誌を買うことには、漫画買いになるというなら大変利点があります。その中でも様々な種類の漫画が載っている点が、特に重要です。これによって、どういう漫画があるのか、というのを知るのに役に立つからです。
まず、買った漫画雑誌をちゃんと読んでみる。大体の場合、それは連載の途中であり、いきなり見ても「?」かもしれません。ですが、曲がりなりにも連載を勝ち取っている漫画が群れを成しているのが、漫画雑誌です。ぱっと見でも作品の方向性、ジャンルなどは分かります。その中でこれはなんだか惹かれる、というのを見つけ出し、そこからまず買ってみる。というのは、漫画買い初手には大変お勧めしやすいムーブであります。
では、どういう漫画雑誌を買えばいいのか。これもまた難しいところですが、まず話題の漫画が載っている雑誌から買うのが、最低限その話題作があるという点で他の雑誌より一つ抜きんでているので、そこを端緒にするべきでしょう。
また、漫画雑誌自体にも方向性がある、普通のコマ割り漫画主体か4コマ漫画主体か、とか、ファンタジー寄りか現実寄りか、若年層向けか成年層向けか、とかあります。つまり漫画に輪をかけて漫画雑誌も多いので、そこはしっかり留意すべきでしょう。深く手を出すならどの雑誌がいいか、という情報をきっちりと調べるべきです。そしてそういうのは情報収集と自己分析がそこそこ素地を固めた辺りで手を出さないと、むしろ手に余る感じになるので、注意したいところです。なので、初手は先に書いたように、自分が買ったあるいは買いたい漫画が載っている雑誌を買うのがベターな選択肢でしょう。
逆に言うと、好きな方向性が定まっている、情報と自己分析が出来ているなら、それに沿う漫画雑誌を買えば好きなタイプの漫画が見つけられる可能性が高まります。特に、話題になる前の新連載直後でいい漫画を見つけられると、熟練の漫画買いになったという気持ちになれるので、今後漫画買いをするなら一つくらいは定期購入する漫画雑誌があるといいかと思います。*1

情報収集あの手この手

漫画雑誌を買う、という以外で出来る情報収集は、昨今増えております。いくつか挙げてみましょう。

  1. 漫画賞など
  2. 書評関係
    • 書評サイトからブログに掲示板スレッド、Amazonのレビューなどのそれ。基本個人の意見なのでその個人と趣味が合えばかなり頼りになる。ただノイズは結構あることに留意。また自分とガチで合う人はそう簡単に巡り会わないから、そういう人は大切に。
  3. SNS系統
    • 書評関係に近いが、それよりバズって上がってくる場合が多い点が違いと言える。基本的に相手の言葉を知りたいと思う相手をフォローしていたり、近い趣味の人がリツイートをする場合が多いので、趣味が他より更に合いやすいのが利点。それ故に趣味外だけど好きになれる、というのには弱い点は留意したい。
  4. 友人知人からのおすすめ
    • リアルな付き合いでも、SNS的付き合いでもいいが、とにかくダイレクトにお薦めしてくるタイプのこと。される場合、相手がこちらの趣味を分かっている事が多いゆえに、ヒット率はかなり高い。未知の物でも、ダイレクトお薦めならヒットしやすいだろう。そう言うことを言ってくれる人がいない、という場合は使えない手ではあるが。

全体的に、ネット重視に見えるのは、至極当然な理由があります。漫画書評というのが、紙の本ではかなり相当極限まで限られた状態であるからです。一般的な週刊誌(NOT漫画雑誌)では一隅にある可能性がほんのり、でありますし、新聞の書評欄なんて夢のまたドリーム。な訳で、どうしてもそう言う趣味の話がそっちに向かったネットの方の話が多くなるのであります。
逆説的に、昔の漫画購入はその辺どうなっていたのか、というのが一つ議題として挙げられるレベルの内容ですが、ここでは触れずに、次の話へと移っていきます。
ということで待て次回!
その次回。

*1:あるいは、立ち読み、という手もありますが、このご時世、立ち読み不可な場合が多い傾向になっていますし、好きな漫画があったらアンケートなどで好きを表せる場合もあるので、趣味に合うと定められた漫画があったら、その掲載誌を積極的に買う方がいいでしょう。