感想 榊一郎「スクラップド・プリンセス12 反逆者の多重奏」&「スクラップド・プリンセス13 天に響く聖誕詩」

安曇雪伸富士見ファンタジア文庫・(12)520円、(13)560円・(12)ISBN:4829115394、(13)ISBN:4829115629
内容を要約すると、「そして、人は生きていく」
えー、もうね感無量です。 そりゃ、いろいろ傷が無いとは言いません。 長編を、しかも己の予期しないくらい長く書いたツケは確かにあります。 特殊部隊作りすぎとか、その上あんまり活躍無かったとか、最後は火力が狂ってたとか。
ですが、私にはそのような事はどうでもいいのです。 いままでいろんな本と出会ってきて、しかしその終焉をきちりと見届けれたものは数少ないモノに限られます。 きちんと終わったもの、終わらないもの、続きの出なくなったもの、途中でこっちがリタイアしたもの。 それはもう数多の本に出会いました。
でも、デビュー作「ドラゴンズ・ウィル」から今までずっと見てこられたのは、ずっとファンでい続けて読み続けてきたのは、このシリーズが最初です。 前途洋洋と始まった序盤。 予想外に長くなると実感した中盤。 シリアスな展開がひたすらに続いた後半。 そして駆け足ながらも、己の分をきっちり出し切ったらスト。
榊一郎第一のシリーズは、ここに完結を迎えたのであります。
いやあ、本当に走馬灯のように過去の事とリンクして内容を思い出すと、なんとも長い道のりであったと、そう思います。 長い間、その旅路を見続けて、思い入れも深まったキャラとの別れを感じつつ、残った連載分を余禄としてゆるりと楽しもうかと思います。