まず、始めるべき事(記憶力に挑戦シリーズ)

まず、彼が我々と同じ「人間」という事からはじめよう。 生物学的にはまったく同一の種であり、勤労に従事し、税金を払い、人権を有し、日本に住んでいた事から目をそらさないようにしよう。 「人間」は幾らでも「自分」以外*1を傷つけ、殺す事が可能であると認識しよう。
そして、彼がいわゆる「オタク」である事から肝に銘じよう。 濃い薄いなどの濃度は関係ない。 立派、みじめの対比も関係ない。 周りから見てそう見られる趣味、消費行動をするという点において、彼は「オタク」である。 ここから目をそらしてはいけない。
そして、「人間」である以上「オタク」であっても、人を傷つけ、殺しうる事を再確認しよう。 まずそこからだ。 そこが最初の立ち位置であるはずだ。 「オタク」じゃないなんて言い方は根底から立ち位置がおかしい。
私に彼を擁護する気持ちはまるでない。 処罰を受け、場合によっては十三階段をのぼる事すら当然だと思う。
でも、ふっと思う。
「彼」が「私」じゃ無かった理由はなんだろう? 「彼」と「私」を分ける差はなんだろう? もし、どこかで一歩踏み出していたら、「私」は「彼」になっていたのだろうか?
答えは見えない。

*1:時には「自分」さえ