感想 成田良悟「拝啓、光の勇者様 (世界の中心、針山さんシリーズ)」

エナミカツミ・電撃hp34号(ISBN:4840229341)に収録>
勇者をめぐったドウメグリマグラミというべき、一寸先は闇なお話。
いつもは「Mr.ハッピーエンド」が必ず顔を出すのでぼかされて見えにくいのですけれども、成田良悟と言う作家には間違いなく「暗黒」な部分が存在します。 それは西尾維新浅井ラボの持つそれよりも、はるかに暗くさびしく物悲しい。 それはもしかすると古橋秀之に―系統は違いますが―匹敵する程かもしれません。今回の作品はそれが殆どノーカット無修正で出てしまったはじめての作品です。
今回はほぼ素で出ていますがしかし、成田良悟はそれを「Mr.ハッピーエンド」の仮面で隠しています。 それもかなり意図的に。 それが何故なのかは、私も正直いまだ計りかねています。 おそらくは「その地点に既に到達していたッッッ」と言う事なのだとおぼろげに推測するまでです。
一生の内に一回くらいはこの暗黒を全面に出した作品が見たいものですが、果たしてそういう日は来るのでしょうか。
それにしても、回によってイラストの人が違うのってかなり破格の扱いだよな〜。