- 作者: 鈴城芹
- 出版社/メーカー: 芳文社
- 発売日: 2012/10/27
- メディア: コミック
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大体の内容「その病気に効く薬作ってあげる 魔女にして薬剤師の この馬放ラムが!!」 この台詞がほぼ内容を決めてしまった感はありますが、ゆえに出来る幅員があったのもまた事実。そんな魔女の薬剤師であるラムさんの奮闘記、それが『くすりのマジョラム』なのです!
さておき。
今回で最終巻となった『くすりのマジョラム』ですが、大体の感想はこちらに連載分のを毎回書いたのがあるので、それはそちらに譲るとして、最終巻としての追加部分の話でも。
カラー部分と巻末の5P位が描き下ろしでありまして、カラーはその後の水着回に接続する水着(購入)回。いきなり子供用水着のコーナーにいるラムさんに仄かな哀愁を感じずにはいられないですよ。そっか、そんだけ小さいんだな、というのを再認識させてくれました。でも、小学生組とこういう所で絡んでも、特におかしくないように見えるって、どんだけですか。いままでそんなにラムさんの身長問題を気にした事が、実は無かったんだ、とも気付いたりも。まあ、実際大人だから、態度でかいと言うとちょっと違うけど、あれだ、堂々としているから、小さいって感覚をあまり受けなかったんだろうなあ、とか。そういうのが薄いこの巻のカラーでの小学生組との絡みでは、そこがムリョウルとにじみ出てきたようにも思われます。しかし、接続的な回で、魔女になる人の身体的な特徴、というのをやっておいた事で、後で魔女になる人の精神的特長というのも上げてくる、というのは、テクニカルだなあ、とか。連載時に描ききれなかった部分のフォローとしては十分な仕上がりでしょう。
対して巻末5Pはお前それは冗談で言っているのか。という顔になるのも仕方ない物があります。まどか☆マギカだと思った? 甘ェ! というネタの振り幅が見事で、5P、9本しかない中でスベラと綺麗に展開が決まっていて、最終回の余韻をかっ飛ばすには素晴らしく向いた一作となっていたと思います。あそこまでかっとぶつもりがあったのかとか、色んな意味で今しか出来ないにしてもやるやつがあるかとか、思う所はたくさんありますが、ゲラゲラ笑ったのでこれは全て不問にするしかないと思います。ホント、お膝元じゃないと出来ないと言う意味では、これがまどか☆マギカアンソロに入っててもいいんじゃね? レベルではあります。激怒!絶対に激怒!ですけれども。
さておき。
三段落感想では通じての感想にはなってないんで、通じての部分で思った事を書きますと、ラムさんに対してラブい気持ちが湧いた市兄がその思いを封印して、でもまた励起されて、の辺りがなんか不憫というか。どっちも大人だから、潰えた気持ちなわけですが、それでもそれを知っている側である読者としては、この組み合わせも上手く行ったら良かったのに、という小並感が湧いてきたりします。でも、それをラムさんが知って、で、更にそっちの恋話が魔女は恋が出来ない、そして潤の諭しというのを経て、最終的に錠君が大人になっても思ってくれてれば、になったのは若干異常に驚きました。若返りも出来るよ!やったねラムさん! という結論ですから、ラムさんが意外とガチでそういう方向もありと思うようになったといのは、成長と言うのか妥協と言うのか打算と言うのか。そして、市兄には春は、と思ったら最終話でユキさんがプールに一緒に行くとかあって、焼けぼっくいに火がついたか*1、という感想が自然と湧いてきます。一応、今までそういうのもありというフラグは立っていましたが*2、まさかそれが実際に使用されるとは…。でも、ラムさんは一体どういう気持ちなんだろう。自分に気持ちがあった人というのが、双子とはいえ妹に行くというのは。なんというか、中々難しいような気もしますが、でも、ラムさん、大人だもんなあ。折り合いを付けていくんだろう。そんな感想がつらつらと浮かばさせつつ、この項を閉じたいと思います。