今回のまんがタイムきららキャラット三作取り上げ(2013年7月号)

承前

 まんがタイムきららキャラットから三作を取り上げて、それぞれについて感想を書くという試みです。たまに数が増えたり減ったりする予定ですが、まあそれはそれという事で。
 選ぶのはある程度の方針として、前、中、後と衛の定点観測としたい所ですが、それでもほぼ自分の趣味が全開になってしまうでしょう。これ、と言う作品のが最終的に出来る場合も考えられますが、それならそれでいいかなあ、程度のゆるい縛りで行こうかと思います。
 それではいってみましょう。

きゆづきさとこ『GA 芸術科デザインアートクラス』

 時折黒く塗りつぶした絵を描いてしまうキョージュ。その真意とは……。と言う程奥まったものではなく、しかしだからこそ重要な回だったかと思います。皆と一緒である事の良さ、というのがこういう風に表されるというのに、そしてもう5年近く連載してるのに毎度趣が違うのに、。感動すら覚えたり。きゆづきせんせはテクニシャンですなあ。
 さておき。この回で一番ぐっと来たのは、その内容ではなく、題の一枚絵の、黒の、そして白の使い方。今回の内容とリンクするような、でも一瞬ダークな内容なの? と身構えさせる雰囲気もあって、そしてそれだけじゃないのが、白で表されているという、大変効果的な使われ方だったかと思います。単行本時でもカラー全部ありでカラーが取り立たされる事が多い『GA』ですが、こういうモノクロの部分でも全く忽せにしてないというのが、その一枚絵でしっかり主張してくるんだなあ。とか思ったりも。いやあ、やっぱテクニシャンやわー。

平つくね『ラッキー・ブレイク』

 ちゃこさんと陸さん、とうとうの邂逅! と言うのの前に、ちゃこさんのちょっと凝り固まってしまっていた所、デザインをするという事に嫌気がさしていた部分が解きほぐされた辺りが地味にトピックと言えましょう。元々、就職時にもその辺の凝り固まり癖が出たので迷走してたというのが以前に語られていただけに、今回はどうなっちゃうんだろう、と思ったら、陸の弟がいい感じに作用していたのが印象的でした。ちょっと不真面目な部分が、この場合奏功したのかー、とか。そういうめぐり合わせに会うのもちゃこさんの特徴なんだろうなあ。
 にしても、そっちはいいにしても、陸さんがちょっと落ち込むんじゃねえののターンに入りそうです。ちゃこさんのコピーしててそれまずかったん!? とか、まりものキャラが弟が買い占めたんで売れてなかった! とか凹めるポイントが大量にあります。ここをどうしてくるのか、が今後の重要な部分かなー、と勝手に邪推したり。その辺にデイさんとちゃこさんがどう絡んでくるか、も見物ですね。というか、最近のデイさんは陸さんのバーター状態なので、どうにか独り立ちして欲しい所です。←謎の視線からの発言

パルプピロシ『ぷらいまりィずむ!』

 ココちゃんががはじめてのおつかい! と言う事で、ニコちゃんがその道程を見守る、と思ったらパンダというなのパパンも付いて来ていたり。そして最終的に動物使いに、ココはなる! という事になりました。全体的にバタバタした回でしたが、それゆえに陽性の気に満ち満ちていて、楽しい回でもありました。まあ、パパンの事は忘れた方がいいですが。そりゃ、幼女の写真持ち歩いてパンダの格好だったら不審者以外の何者でもないよね……。いいパパンなのに、何故ああも子煩悩(婉曲表現)なのか……。