感想 久正人 『エリア51』7巻

エリア51 7 (BUNCH COMICS)

エリア51 7 (BUNCH COMICS)

 大体の内容「依頼は、果たすさ」。十神会議で反乱を起こしたオーディンによって、文字通り上へ下への大騒ぎになった会場で王子はマッコイを目指し、そして絶望にとらわれそうになるマッコイを……。そんな『エリア51』7巻ですが、それよりやっぱりゼウスがクソタレかっこいいのが印象に残るから困ります。
 この漫画におけるゼウスは、一つの神話の頂点から堕ち、顔を変えてエリア51で生きているのですが、その姿はバーコード禿げのメタボでくたびれた親父であり、神の頂点の一つに立っていたとは思えないくらい冴えません。が、この巻におけるゼウスはその姿だというのに、いやだからこそクソタレかっこいいのです。オーディンとの殺し合い、そしてその結末の展開というのが、更にもう。いやあ、この漫画でこういう風な格好よさが見れるとは。
 対して、マッコイの方にも大きな動き、うねりが。その復讐の相手というのが見え、ついでに更にもう一段この漫画の層を厚くする展開が盛り込まれておりました。前にそういう話はあったけど、まさか生きていたとは。と言う事は、もう少し大きくなって、いつか、いや至近で現れるのか、そいつは。そこがマッコイの大きな隙にもなるけど、救いの方向でもあるのかしら。そんな事を思わせる展開であります。というか、復讐の相手、何者? マッコイの姿してたけど、そういう変化が出来るってことは、エリア51にもゆかりがあるのか。というかマッコイがエリア51にいるのは、そういう理由もあったのかー。確かに普通の場所じゃあ、変化出来る相手は姿を現さないわな。
 さておき。
 最初の蛇がどういう神話体系にいるか、というのは大体予想していた通りの創世記でありました。アダムとイブに林檎を食べさせた、あの蛇であるのが示唆されておりますが、その分野の神は、しかしエリア51にもいないようで、それゆえに蛇は他の神を自分の神の冒涜として殺しまわっていたみたいですが、この辺は一体どういう事なのか。何故創世記の神は、いないのか。あるいは、いるけど隠れている? 蛇は探し回り求め回って苦しんでいたというのに、すっかり見捨てたのか。あるいは本当にいないのか。この辺はこの漫画の勘所になりそうですが、一体どういう意味合いを持っているのやら。その辺もきっちり見せてくれるでしょうけど、どういう期待持ってればいいのやら。まあ、久せんせならやってくれるさ、でいいか。
 とかなんとか。