感想 野村美月「Bad! Daddy」

<煉瓦・ファミ通文庫・640円・ISBN:4757719329
内容を要約すると「・・・終わった? マジで?」
終わりました。
話の流れが妙にすばやく、気が付いたら首で気が付いたらぼろアパート暮らしで、と、どんどんとんとん拍子で話の終わり、というか始まりというかに突き進んでいきます。
はっきりって後半伏線一大回収会の様相なんですが、それでもなんだか妙に納得させられるので全く不思議なものです。
特に中盤から終盤までの展開仕方が「お話にけりをつけよう」という流れを強く持ってるんですけれど、途中でキャラクターがばたばたと主張し始めたりして「終わるの?」という気分にさせられて、なのに終わり方への流れがそれによってより自然な形になるってんだから不思議というより他はありません。 「美月マジカル」とでも名づけたい位すごい、けれどかなり伝えにくいすごさですよ、ええ。
やっぱりこの人、恐ろしい作家だ、と思うことしきりでありました。