ネタバレですよ? 反転しないので、単行本派の方は気をつけてください。
今週の掲載分にて、HALの動機が「永遠に生きる事」という風に示唆されましたが、これは額面どおりとっていいものではないんですよ。
それは何故かと言いますと、我々における「生きる」とHALにおける「生きる」が、違うからなのです。それゆえ、混同してしまうと「そんな事?」と思ってしまう、松井先生の罠にはまる事に。
では、どう違うのか?それは、HALの言葉と行動にある種の違和感がある事から見えてきます。
HALは、最初にネウロを撃退した時、相手に対して「しょせん1の世界の住人」といっていますが、今のHALの行動は「しょせん」といったその「1の世界」に居続けようとするものです。
それはなぜか、と考えますと、もう一つ、あるキーワードが出てきます。
それは今週掲載分の最後の台詞、「1と0の狭間の世界」。
この言葉は今回が初めてではなく、上記のハッキング時に春川教授が最初に言っています。
しかし、この言葉、あるいは「0」という表現をHALは今週分以外では使っていません。HALは執拗に「0」という言葉を避けているのです。((「1」は使ってる。))
そう、HALが今行っている事は「0にならない事」なのです。そしてそれこそHALにとっての「生きる事」になるのでは、と考えます。
ではでは、何故「0」を拒絶するのが「生きる」になるのか。それはおそらくHALが「消える事」を恐れているからではないでしょうか。
たとえば、我々人間は夜寝て、次の日の朝起きても同じ自分です。((色々不思議ですが、長くなる上にわからなくなるの置いておきます))
ですが、HALは? スイッチを切られて再び入れられた時、再び同じHALとして行動できるのでしょうか? それはHALには全くわからない。なぜなら前例がないから。初めての電人だから。
だからHALが「0」を、「停止」を恐れ、拒絶しているのではないでしょうか。
「結論? そうねぇ。 どの道松井先生が描くまでわからないから単なる当て推量なんじゃないの?」
「そうですね」