感想 魔神ぐり子 『ひよりすと 1』

ひよりすと(1) (まんがタイムコミックス)

ひよりすと(1) (まんがタイムコミックス)

 大体の内容。「皆、お姉ちゃんが好き!」。途中で男に鞍替えした(原文ママ)奴はいますが、まあそれはそれとして、もう少しどういう漫画かと言う説明をしますと、可愛いお姉ちゃんを変態含めて皆が愛でるのと一緒に愛でつつ、変態の変態度の高まりを肌で感じる漫画です。よくわかりませんね? もっと簡単に言うと萌えっとした00年代漫画の絵柄に、90年代の漫画の変態ノリで戦う、それが『ひよりすと』なのです! なので明らかに時代との乖離と言う物を感じるんですが、読み慣れてくるとそれが深い味わいに錯覚出来る様になってきます。基本的に90年代に漫画青春を送った向きにぴったりのギャグ系漫画と言えますよ。うん、たぶん。
 さておき。
 基本的にひよりさんの可愛らしさを愛でるのと、変態妹&変態友人の奇行を同時攻撃タイミングで行っていくんですが、徐々に変態友人の変態度が高まっていき、いつの間にか変態友人の奇行を見るのが楽しくなってしまうという、萌え4コマ描いてるつもりなんだろうなあ、と思わずにはいられない現象が起きており、この漫画大丈夫なのか、とか思ってしまいます。でも、折を見てはひよりさんが可愛い、と言うのを前面に押してくるので、まだ大丈夫だとは思いますが。でも、人気は変態友人が高いらしいので、これからどうなっていくのか、というのは油断がなりません。00年代と90年代のせめぎ合いの、勝者はどっちになるんだろう…。
 キャラ的な話をすると妹ちゃん(色々デカイ。エロ物を見るのが大趣味で姉大好きっ娘。)と一郎太(変態。変態。変態。)が際立って存在感がありますが、弟君(色々デカイ。姉スキーだが常識人)も良いキャラしており、姉が好き好き大好きSSDだけど、弟として分別を、分別を…! と色々葛藤するのと、他の暴走する変態に常識人として突っ込むのがこの漫画の鉄板であり、ある意味いないとこの漫画どうなるんだろう…、と思わざるを得ない存在感であります。一度妹ちゃんと一郎太だけで話が回る話見てみたいですが、たぶん大カオスだろうな…。