感想 娘太丸 『うさかめコンボ！ 1』

うさかめコンボ！ (1) (まんがタイムKRコミックス)

　大体の内容。「楽しい生徒会」。基本的にこの漫画は可愛らしい絵で可愛らしい娘がバタバタするタイプのスタンドでありますが、そこでハイテンのボケをかましてくるのが娘太丸スタイル。でも、基本は楽しい生徒会であり、そこには基本的に笑いがあり、たまにしんみりもあり、というもので、その辺は娘太丸氏の前作『こどもすまいる！』から基本路線は変わっておりません。そういう意味では、娘太丸漫画を訴求する方々には全く問題ありません！　という面で勧められますが、そういう方は既に買ってますよね…。
　さておき。
　娘太丸漫画を娘太丸漫画足らしめる要素には、ハイテンのボケパワーと、コミカルながら馬鹿にはなりきらない華やかな雰囲気、シリアスというよりはしんみりという空気の発散等がありますが、よく忘れがちな所に適度にエロいボディラインという物があります。単なるエロ要素ですが、某トラブルみたいなガチガチにエロエロで見てて対処し易いようなし辛いようなのではなく、ややデフォルメ度の高い、抽象度？の高い絵柄で見せる仄かなエロさ、とでもいいましょうか。とにかくおっぱいエロいえ！　へそエロいえ！　褌エロいえ！　会長全くエロくねえ！　という叫びをつい発してしまう場面に遭遇するんですが、それがねっとりエロいとかいうよりは、爽やかにエロ要素と萌え要素の混合して、女の子！　というのを意識させられる絵となっており、ゆえにエロいというより可愛らしいという感情が先にたってしまいます。でも、基本的に娘太丸絵で印象に残るのはレベルの高いデフォルメ絵でして、このちびキャラ化が大変上手く機能してるのもまたこの漫画の特徴の一つ、娘太丸漫画の特徴の一つでもあります。そのちびキャラ化で、余す所なくコマを埋める様はまさに偏執狂の粋。そしてそのちびキャラがコマ狭しと暴れる様はまさにキャラ漫画の粋。ブラボー。おお、ブラボー。ブラボー。そのせいでエロさがあるのを忘れがちだけどブラボー。
　さておき。
　キャラ漫画なのでキャラ的な話も大変しやすいのでここぞとしますが、かめちーこと桐生亀子の可愛らしさはこの漫画の一翼と言って過言ではない要素です。基本デカ女、腕っ節も立つ、面倒見もいいという姉御肌に見えるのに、会長こと因幡うさぎにぞっこんラブ、どれくらいかと言うのは名言「結婚もまだなのに　同棲できるか！」を参照していただければ十分でしょう、でめろめろんで女房役で家事とかも得意という段で察しをつけていただきたい。一翼は全く言い過ぎではありませんよっ！　会長にデレデレする様はまさに乙女！　なんか可愛いぞこの生物！　と唸る事間違い無しでありますが、とはいえ、他のキャラが立ってないかというと全くそうではなく、会長は自由奔放ながら想いの強い人だったり、メグは巨乳で奔放タイプという会長と被ってね？なキャラ立ちだけどいい子オーラ半端でなかったり、さっちんは基本突っ込みキャラだけど、端々で百合い存在として立ち上がってきたり、とキャラをきっちり見せてくれます。さっちんの悲恋百合部分とか、この漫画が娘太丸漫画だなあ、と思わせるしんみり度の高い部分であり、また各々のキャラ立ちの出る場面であり、大変おいしゅうございました。ちょっと急いでやりすぎて、後に使える伏線を昇華しすぎた感はありますけどね！
　という事で、可愛い子にはバタバタさせよ、という向きにははまると極上の薫りを持つ漫画ではないか、とは思うんですが、それは単に俺が娘太丸漫画が好き過ぎるだけな気がする、そんな漫画であります。