感想 トイシキ 『ちっこいんちょ』2巻

ちっこいんちょ (2) (まんがタイムコミックス)

ちっこいんちょ (2) (まんがタイムコミックス)

 大体の内容「今日も皆は元気です」。ちっこいんちょがメインパーソナリティ、中心なのは相変わらずだけれど、他の面々の良さもじわじわと出てきたのが、『ちっこいんちょ』2巻の特徴と言えましょう。
 今回の巻の範囲では、存在感薄めと言われながらそこそこの目立ち方をするゆーれい子ちゃんことれいみちゃんと、緒方さんの腰巾着に見えてストッパーな腹パンニストの木下が映えておりました。
 まず、れいみちゃんは先に書いたように案外目立つお人。ちっこいんちょの存在感に憧れるがゆえにちょっとストーカーしてたりしたり、ちっこいんちょの行動を真似してみたりと、それゆえにちっこいんちょの存在がどういうものか、というのを目立たせてくれつつ、ついでのように本人も面白い子やね、って思わされました。これを特に邪険にしない辺りが身長と恋愛話以外はパーフェクトなちっこいんちょです。普通は眉をひそめる部分でも、優しく導こうとするその姿はまさに出来たいいんちょ、であります。
 木下さんは緒方さんの手下と言うか配下と言うか友達と言うか、なんですが、主にちっこいんちょに対して変な方向に対抗しようとする緒方さんのストッパーとしての存在感が強い子であります。緒方さん自体が登場回数多くないので、その手下なら更に登場回数が少なくなりますが、それでも印象に強いのは、ストッパーなのと、止める方法が毎度腹パンなせいでしょう。というか何故腹パン。リョナ要素狙ってるんですか!? わりとガチで腹パンしてるので、緒方さんもゲホゲホ言ったりする辺りの描写とかもありますし、狙ってる訳ではないにしても、ちゃんと腹パンしたらこうなるよね、しているのは間違いないでしょうが、でも何故……。腹パンとはいえ、人としてどうかという行動に出てしまう緒方さんをきっちり止められる木下さんは、いい子ではあります。腹パンですけどね!
 さておき。
 他にも目立つキャラクターというのが出て、単純にちっこいんちょにだけ寄りかかっている訳ではなくなったとはいえ、この漫画は『ちっこいんちょ』なのでちっこいんちょが最も目立つ訳ですが、今回はイベントに対してのちっこいんちょの姿が強く印象に残ったと思います。特に体育祭では小さい体で出来る範囲を超えた事してたりしてハラハラしました。リレーとか無理だよなあ。そして二人三脚は有利だよなあ。危ないけど。でも、そういう自分の体躯では無理な事でも、挑もうとするちっこいんちょの姿は素晴らしく美しい。頑張る子ってのはそれだけで綺麗に見えるものです。
 他の話では猫の代わりになる回も美しいというか、本当にいい子だな、ちっこいんちょ、って思わされます。どう考えても猫の代わりしてもすぐばれるだろ、と思う所でも、それでも頑張って猫を演じる姿は、それが相手に通じてるのを含めて胸を打つものがあります。本当に、しっかりした子で優しい子であるなあ、ちっこいんちょ。
 そんなちっこいんちょの小さいがゆえの頑張りを愛でる漫画。それが『ちっこいんちょ』なのです。