今月のまんがタイムきららチェックポイント(2014年7月号)

先に総評

 今月号はゲストがいつものように多いだけで、新連載も連載終了もない、総評する側としては凪のような号であります。まあ、ゲスト多いというのがクローズアップしやすいんで当然のようにクローズアップしますが、そのゲスト9作の中で、2作がミラクからの刺客、というので、きららがミラク色に染まってきてる感じがあります。実際に連載にも不可思議な雰囲気を持つ作品、『コドクの中のワタシ』とか『サンタクロース・オフ』とか、ファンタジーとかちょっと時代の違う雰囲気の作品、『しゅばりえーる』とか『アンネッタの散歩道』とか、ミラクが独自路線として、きららのカウンターヤックデカルチャーとして機能していた方向性が、きららに逆輸入されてきている、と感じる訳ですよ。とはいえ、もっとも大球めいているゲストがきららの方向性の『幸腹グラフィティ』ですし、ゲストも現実寄りなのが多い辺り、きららはきららの方向性を貫きつつ、新たな道も開拓している、という見方もできようかと思います。
 さておき。
 次号の展望ですが、しばらくゲストで散発的にやっていた阿部かなり『サンタクロース・オフ』が連載昇格、そして代原ゲストから連載を勝ちとり続いていたオゲ『女子大生生活様式』最終回がトピックになるかと思います。どちらとも、頑張りましたね、と謎の上から目線をしてしまいたくなります。前者は連載昇格からどうなるか、後者はどんな最終回を見せるか。楽しみであります。

個別チェック三連弾

  • 津留崎優『箱入りドロップス』
    • ひゃー! 関さんだー! と言う事で、関さんが雫ちゃんにちょっと昔の話をしたりする回です。基本的に悪意というのに慣れてない雫さんが、相ノ木妹に「嫌いです」、と言われて何が何だかな状態だったのを、関さんが上手く誘導して、次回以降で収まるだろうなあ、という雰囲気を醸し出しておりました。というか、関さんの過去の話に出てきてたの、あれ、委員長か? くそー、いい奴かよ。
  • シュガー『さつきコンプレックス』
    • もうコ―ちゃんさんは某最強のコックと戦っても互角に渡り合えるんじゃないかな。鈴城芹家族ゲーム』の格ゲーで体が動くというのがおかしいレベルになったように、漫画において動きの演出がエスカレートして人外動きになるというのはよくある現象ですが、この漫画の場合、人外にはいかないまでも達人にはなってる、という感覚というのがあって中々面白い。ちょっと達人じゃあ説明出来ないとこもありますが! ホント、どこへ行くんだ、コ―ちゃんさん……。
  • ざら『しかくいシカク』
    • くるぶっチの名前が栗菱ってなってるー!? という驚きの中、くるぶっチを取り巻く恋愛模様が描かれる、けど十子にそういう機微が分かる訳もなく、なんか変な三角関係が構築されてきております。十子、くるぶっチ、両人が自分への好意の矢印に気づいてない、ってこれ三角関係として成り立つんですかねー! というか、十子はくるぶっチとの関係はそのエロ視点目当て、ってのでなんか微妙に酷い感じがあります。両想いとか無茶苦茶遠そうなんですが。

今月のワンワード

いいよ別に
 広がらん話があっても

 基本的に広げていくのが日常系漫画、という気がするんですが、その中にあって広がらなくても、というのを言っちゃうのが『ゆゆ式』の凄みですよ。ホント、こういう所が生半に真似できない部分ですよね。中途半端にしたら、どこかの凸凹□みたいな事になってしまうですし。あれはあれで、上手く舵切れればやれそうですけど。